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【コラム】声なく、示すこともできる 台湾

Global News Asia / 2022年11月18日 7時0分

青雲閣 台北市提供写真

 台湾も、日本帝国に統治されていた。どこかの国の人のように当時を知らないのに悪口雑言を吐くことを、現代の台湾人はしない。

 その悲しい歴史を受け止め、自分の中で昇華させ…観光地である台湾でない裏路地を歩いていて、「昔覚えました」とお年寄りが日本の唱歌を歌ってくれることもある。悔しい思いもしただろうに、台湾人は、日本人に優しい。

 台湾にも、戦意高揚のための性産業があった~台湾人慰安婦もいると言う説もあるが、それは別の話。

 このほど、台北市万華国残る、日帝時代の悪しき歴史建築物「青雲閣」の修復工事が終わった。もともとは、遊郭だった。よく映画などで見かける遊郭の内装は、華やかな賞色が施された洗い出しの外壁。貝殻などのデザインの窓枠、ステンドグラス。タイル張りの壁。着のみ着のままの遊女たちにとって、厳寒の冬はただただ冷えるばかりの内装ではあるが、大正モダンの香りがする。

 遊郭だったということは、台湾人にはよく知られていた。ある意味放置されていた。けれど、2014年に解体の危機にさらされた時、性産業というタブーを持っても、それを超えて、歴史の一場面として残すべきではないかという結論に至った。台湾、台北の心の多様さ、文化という価値観を伝えるということだ。約1億3800万円をかけて修復された。

 今後は、歴史を知ったうえで、展示会や撮影場所など文化施設として使われる。

 この青雲閣を見た時、二度とそんなことを起こしてはダメだと、人は自分に刻み込む。言葉を多用しても、反省も謝罪も求めることはできる。
【編集 : fa】

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