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【コラム】韓国の少子化問題、人口減で消滅するのか? 日本は何を学べるか

Global News Asia / 2023年3月26日 6時0分

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 韓国は世界で最も少子化が進んでいる国だ。合計特殊出生率が0.78と、世界最下位の水準になった。このままでは人口減少が加速し、経済や社会に深刻な影響を及ぼす恐れがある。韓国政府は少子化対策に力を入れているが、効果は見えない。韓国の少子化問題の現状と原因、そして日本は韓国の失策から何を学べるのかを探る。

 韓国の少子化問題は、1970年代から始まった。当時、韓国は急速な経済成長を遂げていたが、人口爆発も起こっていた。政府は産児制限政策を推進し、一人っ子政策や避妊具の普及、不妊手術の奨励などを行った。その結果、合計特殊出生率は1970年の4.53から1983年には2.06まで急激に低下した。しかし、政府はその後も産児制限政策を続けたため、出生率はさらに下落した。1990年代に入ると、経済危機や社会変動も少子化に拍車をかけた。

 韓国の少子化の背景には、日本や他の東アジア諸国と共通する要因もある。晩婚化や非婚化、女性の社会進出や教育水準の向上、結婚や出産に必要な費用の増加などが挙げられる。しかし、韓国にはそれらに加えて独自の事情もある。一つは就職難だ。韓国では求人数が求職者数を大きく下回り、若者の失業率が高い。特に大卒者の就職難が深刻で、平均就職年齢は30歳を超えている。男性にとっては徴兵制度も就職障害となっている。就職難は結婚難につながり、結婚難は出産難につながる。

 もう一つは住宅問題だ。韓国では結婚する際に住宅を購入することが一般的だが、住宅価格は近年急騰している。特に首都圏ではバブル状態であり、若者や中低所得者にとって住宅購入は夢物語となっている。住宅購入しなくても家賃で借りる場合も高額な保証金が必要だ。政府は不動産価格抑制策を打ち出してきたが、効果はなかなか現れない。住宅価格の高騰は、結婚や出産を諦める若者を増やしている。政府は住宅供給を拡大するとともに、若者や新婚夫婦に対する住宅支援策を強化する必要がある。

 韓国の少子化問題は、単に個人や家庭の選択ではなく、社会全体の問題である。少子化は人口減少や高齢化を招き、経済成長や社会保障、国防などに悪影響を与える。韓国政府は少子化対策に多額の予算を投入しているが、その効果は限定的である。少子化対策は長期的な視点と総合的なアプローチが必要である。結婚や出産を望む人々に対して、経済的・社会的・文化的な障壁を取り除き、より安心して子育てができる環境を整えることが重要である。

 日本も韓国と同様に少子高齢化に直面しているが、韓国よりも出生率は高く、少子化対策も先行している。日本は韓国の失策から何を学べるかというよりも、日本の成功事例から韓国は何を学べるかという方が適切かもしれない。日本は韓国に比べて、未婚者や非婚者に対する支援や育児休業制度の充実、男性の育児参加の促進など、多様な対策を展開してきた。また、日本は韓国よりも移民政策に積極的であり、外国人労働者の受け入れや帰化手続きの簡素化などで人口減少の緩和に努めている。韓国は日本から学ぶべき点が多いと言えるだろう。
【編集 : LF】

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