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フィリピン南部でフェリーが爆発・火災、乗客31人が死亡、負傷者14人

Global News Asia / 2023年3月31日 7時0分

フィリピン沿岸警備隊提供

 2023年3月31日、フィリピン国営テレビなどが報じたところによると、フィリピン南部を航行していた民間のフェリーで29日夜、火災が発生し、少なくとも乗客31人が死亡したという。沿岸警備隊は30日、この事故について発表した。

 火災は29日夜遅く、バシラン島の沖合を航行していた「レディ・メアリー・ジョイ3号」で発生した。同船はミンダナオ島からスルー州ホロ島に向かっていた。出火に気付いた乗客は海に飛び込んだという。

 現場に到着した巡視船などによって、火災は30日朝までに消し止められたが、乗客のうち18人は客室内で焼死した。死亡者の中には生後6か月の乳児も含まれていた。

 このフェリーには乗員、乗客合わせておよそ240人が乗っていたが、乗客名簿に記載されていた205人よりも多くの人が乗船していた可能性があるという。これまでに190人以上が救助されたが、行方不明者の正確な数は分かっていない。負傷者14人は病院に搬送された。

 火災の原因はまだ分かっていないが、船内で爆発があったという目撃証言がある。沿岸警備隊は事故原因の調査を進めている。

 フェリー「レディ・メアリー・ジョイ3号」(1990年建造。総トン数: 835トン、全長73メートル x 全幅11メートル、IMO番号9006760)の運航会社は、「Aleson Shipping Lines」。同社はフィリピン南部のサンボアンガ(Zamboanga)市に本社を置く老舗の海運会社で、フェリーや貨物船などを運航している。ミンダナオ島やスルー州などの島々との航路は地元住民や観光客に利用されている。

 同社は火災事故について、「乗客と乗員の安全を最優先に考え、救助活動に全力を尽くしている」とコメントした。また、「火災の原因や被害の詳細については、沿岸警備隊と協力して調査中だ」と述べた。

 同社は2016年9月27日にも火災事故を起こしている。同型船の「レディ・メアリー・ジョイ2号」がサンボアンガ市からバシラン島に向かっていたところ、火災が発生し、乗客や乗員約200人が海に飛び込んだ。この事故では死者は出なかったが、負傷者や行方不明者が出たという。

 フィリピンは7000以上の島から成る国で、船舶事故が絶えない。フェリーの規制も甘く、定員超過や事故が頻発する原因となっている。フィリピン政府は船舶の安全管理や救助体制の強化を求められている。
【編集 : Eula Casinillo】

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