【コラム】インドネシア高速鉄道、日本に見切りをつけたジョコ大統領の決断! 中国との関係は?
Global News Asia / 2023年4月12日 6時0分
中国の建物は、とてもスピーディに、いわゆる突貫工事よりももっともっと早く出来上がることで知られているが、本当にビー玉一つの重さでいとも簡単に崩壊してしまうことでも知られている。
それは建物だけではなく、中国の高速鉄道で、よく起こる大事故にも言えることだ。近いところで言うと、昨年2022年6月に貴州省で、線路面を覆っていた土砂に乗り上げ脱線し、運転手が死亡している。2020年にも、土砂崩れで脱線し、120人以上が死亡している。
2011年7月には、日本においては東日本大震災の報道にうまく隠れた状態だが…信号故障で停車中の高速鉄道が、後続列車に追突され、高架橋から転落。死者40人負傷者200人以上。しかし、報道規制や証拠隠滅がなされている。
さて。インドネシアでは、今中国が、東南アジア初の高速鉄道計画が進められている。しかし、早くも迷走状態に入った。
本来は、日本が受注する案件だった。2008年から日本の技術者が現地調査に協力し、2014年には国際協力機構が事業化に着手した。そこに登場したのが、同じ大陸に位置する中国。「一対一路」。中国が費用を全額融資し、インドネシアには直接的な財政負担はないと近づいた。そう、アフリカの空港建設費用における中国化みたいに。
すでに、日本が現地調査を念入りにしているから、中国はその資料を利用すればいい。インドネシアは、経済的に中国側に転んだ。
ところが、実際に建設の権利を手に入れると中国側の態度も言い分も違ってくる…インドネシア国家でも歴史の中で充分予測できたではないか。
開業予定だった2019年は守られなかった。延期に次ぐ延期。延期されれば、工事費が膨らむ。中国はそれを負担はしない。インドネシアの借金が増えていくだけのこと。
インドネシアの高速鉄道の距離は150km程度。東京から静岡に行くくらいの距離に過ぎない。バスも在来線も存在し、今更作る意味は、本当はなかった。その点を日本は調査の時点で指摘していたのに、だ。反対されると、燃える、そんな心理かもしれない。無理して作っても、利益は40年後にしか出ないとも日本は指摘している。
現政権のレガシー(遺産)として作らねばという理由もあるらしい。そこに、中国が付け入ったという見方もできる。真のトップは、遺産ではなく、今を大切にする。そうしない点が、インドネシアも中国も共通しているのかも。その犠牲になるのは、いつも国民だ。
【編集 : fa】
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