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【コラム】自分が死んでいくことにまで承認欲求を求めるのか 韓国

Global News Asia / 2023年6月19日 6時0分

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 昭和の時代、金ドラ枠、投身自殺する瞬間に偶然居合わせた主人公が、助けを呼ぶ前に嘔吐してしまった。あの場面が何十年経っても頭の隅から離れない。ドラマの筋も忘れたし、今の放送コードに引っかかるのか、再放送化もされないし、映像作品化もされていない。

 自殺場面に出会うドラマは数あるが、比較的冷静に、110番や119番に電話し、外に向かって助けを呼ぶ筋が多いようだ、ドラマだからね。

 韓国の10代の女性が極端な選択をした。彼女はそれをSNSで生中継しながら、命を終えた。彼女の「私の最後をUPして」の願いに賛同した20代男性がそれを撮ったのだ。2人はSNSの「うつ病ギャラリー」で出会った。

 うつ病時の極端な選択は、なりがけと治りがけ、に多い。本当にうつ病になっている最中は内心は「死にたい」と思いつつも身体が自由にならないので、選択を選択することすらできない。医者が言っていたが、すごく重病なうつになってしまった方が安全だと。

 残念ながらというか、リアル生中継を見ていたのは20人ほど。けれど、それがコピーされ無差別に拡散された。

 興味本位で見た者は、精神的苦痛を訴え「モザイクすらないのか!」と憤っている。モザイクがあったら、一人の命が終わるのを、ヘラヘラ見ることができるという思考であろうか。

 韓国の自殺率は昔から高い。それは、命よりも大切な自尊心のためであり、そういう気持ちにさせた相手に後悔しろ! という「恨」だ。だが、ネット社会になり、より「恨」を突き付ける映像と言う手段を韓国人は覚えてしまった。

 このような場面を、なんの心の準備もなく見た際、特に死ぬ理由もないのに伝染病のように追随してしまうことが人間にはあるらしい。いや、それは韓国人だけだろうと思いたい。

 死にたいと思ったら、文春文庫「自殺―生き残りの証言」(矢貫隆)を何度も何度も読んで欲しい。生きる方がはるかに、死ぬことより楽だから。
【編集 : fa】

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