ラオス南部サワンナケート紀行(7)〜長距離バスの良し悪し
Global News Asia / 2023年6月19日 11時0分
2023年6月5日から4日間をかけて、3年ぶりにラオス南部のサワンナケートを訪ねて来た。新型コロナの間にこの閑静な街がどう変わり変わらずにいたのかを書いてきた。この久しぶりだが短い旅も最終日。タイ北部チェンマイへの帰路に着く。
バスは17時半定刻にムクダハーンを出発。来る時と同じ2階建てのバスだが、1階の席を確保した。2階建てのバスは重心が高くなり、時々横転事故を起こしている。そんな時、2階よりも1階の方が(たぶん)生還率が高いと思っている。バス王国タイで現在一番高い評価を得ているのは、ナコンチャイエアーという会社だ。2階建て車両はなく全車両1階建ての車両。サービスや安全運行で評判がいい。2等車にあたるシルバークラス、1等のゴールドクラス、VIPのファーストクラスに分けられ北部や東北部を中心にバンコクを結んでいる。
ムクダハーンから乗ったペットプラサート社のバスは、2階建てで普通の1等車クラスだったが、驚いたのは席の前後間隔の広さだ。チェンマイからウボンへの往路でもそうだったのだが、これだけ広いとリクライニングも後ろを気にせずに席を倒せるし、邪魔になることもない。わたしの前席がフルリクライニングしてきても、全く気にならなかった。これは、座席がカプセル型のケースに覆われて圧迫感となっているナコンチャイエアーでもなかったことだ。そのためか、こちらの方がゆったり寛ぐことができた。ただ惜しむらくは、USB電源がないことか。モバイルバッテリーを持っていけばいいだけのことなのだが。
ガラシン、コンケーン、チュムペー、ロムサクと順調に走ったバスは午前2時半頃にピサヌロークに到着した。バスターミナルとはいえ、こんな時間には人もほとんどいない。かろうじてナコンチャイエアーのカウンターには、スタッフがいてチェンマイ行きが3時半頃にあるという。南国タイの利点は、こんな真夜中でも吹きさらしの場所にいられることだろう。12月と1月には長袖が必要だが。ところで、地元のタイ人はピサヌロークを略して「ピローク」と呼ぶ。その由来などはわからないが、覚えておくと旅行した際に戸惑わずに済むだろう。長い言葉を縮めたり、省略したりするのが好きなのは、日本人とよく似ている点だ。
午前3時40分、ピサヌロークからナコンチャイエアーのゴールドクラスに乗り込んだ。これまでファーストクラスだけでなく、このゴールドクラスも高評価をしていたのだが、今回ペットプラサートのバスから乗り継いでみると、座席がビニール張りなことや薄くてクッション性が低いこと、そして通路幅が非常に狭いことが気になった。ただ、USB電源が座席脇にあるのは高ポイントだ。ピサヌロークからウタラディット、ランパーンと走るうちにすっかり夜も明け、9時20分頃にチェンマイのバスターミナルに着いた。途中で乗り換えたこともあってか、帰路のバス中では全くといっていいほど眠れなかった。それでも腹は減る。朝食として出発前と同じ食堂でカオソイを掻き込んで、今回の旅を終えた。
8回に渡ったサワンナケートへの紀行文もこれで終わりです。ここまでのご精読感謝いたします。
【執筆 : そむちゃい吉田】
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