「世界難民の日」国際NGOワールド・ビジョン報告書・子どもたちの直面する飢餓と暴力のリスク高まる
Global News Asia / 2023年6月21日 9時30分
6月20日は「世界難民の日」。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2022年末時点で、紛争、迫害、暴力、人権侵害により避難を余儀なくされた人は1億人を超え、その4割は18歳未満の子どもです。2023年に入ってからも、スーダンをはじめと各地で激化する紛争が拍車をかけ、世界全体の強制移動の数は1億1,000万人に達していることも報告されました。
国際NGOワールド・ビジョン(WV)は、世界難民の日を前に、難民と国内避難民の家庭を対象とした調査を行い、報告書「顧みられず、忘れられて:避難民の子どもたちは、かつてないほど飢え、リスクにさらされている」を発表しました。新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延が最も激しかった2021年に照らしても、子どもたちが直面する飢餓と暴力が急増していることが明らかなりました。日々の生活必需品を手に入れるために他人から借金をしている家庭は2022年から倍増し、82%の家庭が食事の質と量を減らしています。移住を強いられている家庭の85%は、日々に必要な栄養を摂取するだけの十分な食料を買うことができません。25%の家庭は悪化する家計ひっ迫により子どもを学校に通わせていません。19%の家庭は子どもを働かせています。
調査は2023年3月から4月にかけて、アフガニスタン、ブラジル、ブルキナファソ、コロンビア、コンゴ民主共和国、エクアドル、エルサルバドル、エチオピア、グアテマラ、ホンジュラス、ヨルダン、マリ、ニカラグア、ニジェール、ペルー、南スーダン、ウガンダ、ベネズエラの18カ国で実施されました。サンプリング方法(ランダム・目的・便宜的サンプリング)を組み合わせ、18カ国の847世帯を対象とし、世帯あたり平均人数は6人でした。
WVで災害対応のシニアディレクターを務めるアマンダ・ライブスは次のように述べます。「シリア、ニジェール、コンゴ民主共和国、アフガニスタンなどでは、子どもたちのニーズがさらに高まっていますが、対応するための十分な資金が準備されていません。今日、何百万人もの子どもたちが難民キャンプで厳しい生活を送っています。あまりに多くの子どもたちが、生きるために結婚を強要され、働かされています。子どもたちは飢えており、学校に行けません。子どもらしい子ども時代を過ごせません。そして世界はこの子どもたちのことを忘れようとしています」
子どもが暴力を受ける危険性が高まっていることを親が非常に心配していることも明らかになっています。 アマンダは続けます。「ワールド・ビジョンは、移住を強いられた人々を3年連続で調査してきました。子どもが暴力を受けるリスクが高いと答えた家庭は41%にのぼり、2022年の30%から増加しています」「避難民キャンプに住む子どもたちは、他の場所に住む子どもたちに比べて、強制労働を強いられるリスクが2倍も高いのです。多くの家庭では収入も食料も得ることができません。そのような家庭が迫られる究極の選択は想像を絶するものです。それは、あなたの子どもを餓死させるか、あるいは、一人の子どもを結婚させることで食事にありつけるようにし、結婚にともなう持参金によって残りの家族を養うことができようにするか、という選択です。このような選択を親が迫られるべきではありません。しかし、多くの家庭にとって事実そうなのです」
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
2月7日開催 「災害、紛争下の女性たちの声、その尊厳のために:日本のNGOによる“女性・平和・安全保障(WPS)”これからの課題とヒント」
PR TIMES / 2025年1月31日 19時15分
-
【コンゴ民主共和国東部】での人道危機。国際NGOワールド・ビジョン、子どもたちが暴力、虐待、強制移動のリスクにさらされていることを深く憂慮
PR TIMES / 2025年1月30日 12時15分
-
【侵攻から3年】日本に逃れたウクライナ避難民の就労状況の調査から見えた実態・ウクライナ避難民の実際の就労活躍事例から学ぶ
PR TIMES / 2025年1月18日 17時40分
-
【ガザ停戦】ワールド・ビジョン声明:停戦を希望の光として歓迎、しかし人道状況は依然として壊滅的
PR TIMES / 2025年1月17日 13時40分
-
「苦しみは比べられない」シリアから逃れてきた若者に日本の同世代はどう見えているのか?
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月10日 11時30分
ランキング
-
1中国が一帯一路離脱のパナマに抗議 「干渉を排除し、正しい決断を」と駐在大使に要求
産経ニュース / 2025年2月8日 14時51分
-
2ガザ所有「急いでいない」=トランプ米大統領
時事通信 / 2025年2月8日 9時10分
-
3ロシア軍、ウクライナ東部の要衝トレツク制圧…重要物流拠点で物資輸送に支障か
読売新聞 / 2025年2月8日 16時56分
-
4トランプ氏、バイデン氏の機密情報に接する資格「直ちに剥奪」と表明…「全盛期でも任せられない」
読売新聞 / 2025年2月8日 18時30分
-
5トランプ氏が鑑賞していた「花火」も中国製だった 最大の輸出先はアメリカなのに…“追加関税発動”で中国・花火の街からも不安の声
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月5日 16時46分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)