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【フィリピン】飢餓ゼロプロジェクトについての考察2・注目される社会実験

Global News Asia / 2023年7月2日 7時0分

 今回のプロジェクトは、そうした教育面の要因を切り離したところで企画されている。つまり、学歴や教養などに関係なくその効果が得られるように配慮されているのだ。現金のバラマキでは本当に必要なものが購入されるとは限らない。これは、フィリピンだからという問題ではなく、人であれば急に入った収入は、泡銭と化して何も問題の解決にならない可能性が高く、恐らくそれは日本であっても同じ現象が起きるだろう。必要な食料品などをデジタルクーポンとして支給する。これは、支給家庭の教育レベルや生活慣習に左右されることがないよう現金を排除したものでもある。そして、何が支給されたかをデータとして集積して、各家庭ごとにコンサルティングをする点も注目に値する。今回のプロジェクトも教育と同様に問題解決には、多くの時間がかかることを見越した上で立案されている。

 昔のフィリピンのままだったら、いくら制度や理念が優秀でも、それを管理運営することは困難だっただろう。しかし、世界的な技術革新がそれを可能にしつつあし、それを支えるべき人材の育成と確保も教育制度の改変とともに底上げされ、拡充して来ている。その資金面でプロジェクトを支えることになるのが、日本を中心に運営されているアジア開発銀行だ。また、政府は法施行から2年半以内に飢餓率を施行時と比較して25%、5年以内にさらに25%減少させ、10年以内に国内から飢餓を撲滅することを政府の義務と規定したのも、教育制度が拡充でき、人材が育成できたからこそだろう。

 こうした環境が揃っている中で、国が、大統領が、積極的に押し進めるからこそ、今回のプロジェクトには世界中から大きな期待が寄せられ、注目を集めている社会実験として大きな意義があるだろう。
【執筆 : そむちゃい吉田】


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