インドネシア高速鉄道、試験走行の延期で安全性に疑問符
Global News Asia / 2023年8月10日 6時0分
2023年10月からの開業を目指している、インドネシアで中国が建設計画を主導する高速鉄道。安全性に関する懸念が高まっている。試験走行の延期や工事現場での死亡事故、中国の習近平国家主席の試乗辞退など、不安要素が相次いでいる。
試験走行は当初8月18日から予定されていたが、9月に延期された。高速鉄道側は乗客の安全と快適さを重視するため、より多くの時間が必要だと説明している。しかし、実際には技術的な問題などが影響しているとみられる。
また、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と一緒に高速鉄道に試乗する予定だった習近平国家主席が直前で辞退した。オンラインでの現場視察に切り替えた理由は明らかにされていないが、安全性への不安感があったのではないかと見られている。
インドネシアの高速鉄道は首都ジャカルタと西ジャワ州の主要都市バンドンの142キロメートルを結ぶ。中国の習近平指導部が掲げる広域経済構想「一帯一路」の主要プロジェクトで、インドネシアの経済成長期待も高まる。だが開業前に安全性、採算性、利便性の3つの懸念が浮上する。
インドネシア政府は中国との合弁事業として進めてきた高速鉄道に国費を投入せざるを得なくなった。当初は公費負担を求めないという中国の融資条件が決め手となって発注したが、事業費は膨らみ、現在は約1兆500億円に達した。利益が出るまで40年かかるという試算もある。また、中国の工事は完成度が低く、膨大なメンテナンスコストがかかることも危惧される。
高速鉄道は最速時速350キロで走行する予定だが、その実現可能性や安全性に疑問符がつく。インドネシア政府は中国から技術移転を受けることも目的としているが、その効果も不透明だ。インドネシア初の高速鉄道として注目されるプロジェクトだが、その先行きは不安定なままだ。
日本を裏切り、日本の調査資料を中国に渡して始まったイワク付きの計画。当初は、2019年開業予定だった。
【編集 : af】
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