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【コラム】プラモデルワークショップで友好を! フィリピン

Global News Asia / 2023年9月20日 7時0分

フィリピン名物のド派手なジプニー(フィリピン・セブ州ラプラプ市 生産)

 この夏、佐藤模型店のおばちゃんが亡くなった。地元の男子はお小遣いを貯めて、この模型店でプラモデルを買ってはコツコツ仕上げていた。女子は中学になると、この模型店で美術用の小筆を買った。この町に住む者は、避けては通れないメッカのような模型店だった。
今どき流行りのフィギュアなんかじゃない、正規のプラモデル。その多くがTAMIYA製だった。狭い店に何千と並んだ箱から、よく自分の好みを選ぶ能力が男子にはあるなと感心したものだ。

 TAMIYAの本社は、静岡県にある。静岡県はプラモデルの出荷額で日本一~プラスチックモデルキット(プラモデルの工業統計表上での正式名称)の出荷額の9割超…静岡のお茶がなくても他の産地があるが(お茶農家さん、ごめんなさい)、静岡が日本から消えると、プラモデルニストたちはすごーく絶望することになる。

 静岡県は、フィリピンとの友好をはかるために、シンガポールで「ホーム・オブ・マウントフジー静岡~静岡県のクラフトマンシップと観光」というイベントを開いた。
その中の目玉が、TAMIYAの全面協力でプラモデルを組み立てるワークショップ。もちろんプラモデルの展示や体験走行も行った。

 3回行われたワークショップで、1回あたりの参加人数は12人限定。選ばれしフィリピン人たちだ~予約募集直後に満員になった。TAMIYANの世界的人気が証明されたとも言える。
作られたのは、シンガポールの象徴、マーライオンが乗っているミニ四駆、特別モデルだ。

 TAMIYAは、シンガポールやマレーシア、インドネシアに専門店を持つ。潜在的に、日本のプラモデルは東南アジアでも人気商品、子どもも大人もワクワクさせる力を持つ。2004年にできたシンガポールのショールームは、日本国外初で、拠点になっている。

 ミニ四駆、教材で使える工作キット、スポーツカー、自動二輪車。フィリピンの集合住宅はそんなに広くないので、小型のミニ四駆が人気だとのこと。
ジェンダーな世の中、プラモデルは男の子専用のものではないとは思う。が、男の子が兄弟で、あるいは父親や祖父と男同士で組み立てていく過程は、女子には近寄れない不思議な時空が存在する。

 そう、日本の情操教育、手の器用さには、TAMIYAのプラモデルがある。フィリピンでもどんどん普及してほしい。
【編集 : fa】

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