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【コラム】お父さんは韓国人、でも、バックれて、会えない<1>

Global News Asia / 2023年10月10日 16時0分

アンヘレス資料写真

 フィリピンには、韓国人の経営する歓楽街がある。「アンヘレス」。英字筆記で「Angels」。天使たちという意味の歓楽街。天使たちは神様のお手伝いをしてくれるかわいらしい子供だから…男という神様の言うことはなんでも聞く、そう思われてしまうのかもしれない。名前が悪いわけではない。そもそも名前ができたころは幸せな土地だったのだろう。

 そう、もともとは、米軍基地相手の歓楽街だった。無茶も言うけれど、職業軍人の金払いはいい。フィリピンの天使たちは、それで生活を立てていた。また、職業軍人は、調べなければならないけれど、身元もしっかりしている。また母国の家族に病気をうつすわけにはいかないから、衛生面も軍が手を回してしっかり管理されている。自由恋愛もあるが、基本ゴーゴーバー。楽しさを買う歓楽街。似たようなところは、タイのパタヤにもある。

 1991年、スービック海軍基地は、フィリピンに返還された。火山が爆発して基地の意味をなさなくなったからとも言われるが、フィリピンの国会が基地の存在を許さなかったから。

 アンヘルスの天使たちは、途方に暮れた。秩序が保たれた歓楽街が消えてしまったから。
女には女を武器にしてしか働くことのできない商売がある、違法だとしても。
フィリピンは、基本キリスト教の国ではあるけれど、誨淫の罪を犯したとしても食べていかなければ、一家の働き手として生きていかなければならない。
店舗は残っている。細々と観光客相手に、とびっきりの笑顔で女性たちは働いていた。

 そこに目を付けたのは、韓国人だった。いや、その韓国人たちを裏で操っているのは中国人だとも言われる。店舗をデコデコに飾り付け、衛生環境の悪い売春地帯という歓楽街にした。
「侍 SAMURAI」とか「消夜 SOYA」とかいかにも日本人経営のような店名。その柄の悪さに、老舗のゴーゴーバーも消えていった。

 フィリピンの最低賃金は、500ペソ。ビールは95ペソ、天使たちのドリンクは150ペソ、そしてお持ち帰りは3000ペソ~6000ペソ、日本円にして9000~18000円。チップも渡さなければならないが、観光情報にチップ単価が上がるとつけあがるので、お持ち帰りの際も「上手だったら500~1000ペソ」程度と注意書きがある。

 マッコリ1杯も高くて飲めない韓国人男性の海外旅行先に選ばれる安い安い観光地の歓楽街に、アンヘレスは、なり果ててしまった。
【編集 : fa】

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