【コラム】冬こそ登山をしろ! 北朝鮮
Global News Asia / 2023年12月15日 7時0分
北朝鮮というか朝鮮民族の象徴の一つに「白頭山」があげられる。現在は北朝鮮と中国の間に存在する。北朝鮮の一番偉い人は、冬、しかも厳寒の時こそ白頭山に登ることが、国民として重要な任務だとしている。そしてこの行いを「白頭山大学」とも呼んでいる。
2019年、まだコロナ渦直前、一番偉い人が、白馬に乗って、冬の白頭山行軍をしている映像が公開された。…あまりに厳寒だから、本人か使い捨ての影武者かは明確ではない。ただ、この映像で、寒さにも強い国務委員長としての偶像化に成功している。寒さに強い人間は、どんな困難にも強く、革命精神がより強固だという意味だ。
北朝鮮に生まれたからには、誰でも、国民一人一人の末端に当たる者でも、白頭の寒風を体感して理解しなければならない。それによって、より強い革命家になることができる。この寒さを知らない者は裏切り者だ、としている。つまり、朝鮮民族であっても登ることのできない韓国人とは永遠に分かり合えないと暗に示している。
手足が冷え耳がちぎれそうな寒さは、先烈(先祖が立てた功績)の強靭さや闘争性、革命本来のすべてを身をもって教えてくれる。
本来2020年の冬から国民にこの登山は課せられるはずだったが、コロナ渦で中止を余儀なくされた。ゆえにアフターコロナのこの冬は、金日成総合大学や人民経済大学などの学生をはじめ700余りの団体が、白頭山地区革命戦跡地に対する踏査を行った。その数12万人。
日本には、八甲田山死の行軍という歴史がある。映画にもなった。厳寒の中で人は狂い死にするとき全裸になったりもする。あの行軍を生き抜いたのだから、より強い人間になれたとは限らない。
けれど、北朝鮮では、合法的に凍死という人減らしを目論むかのように、白頭山冬の行軍が推奨されている。
【編集 : fa】
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