【コラム】その原発は未使用のままでいい! フィリピン
Global News Asia / 2024年3月2日 6時0分
どうした奇跡というのだろう。フィリピンには、一度も使われていない原子力発電所がある。フィリピン北部のルソン島スービック。
1970~80年代独裁国家だったマルコス大統領(夫人が、世界中の靴を集めるコレクターのご家族)が建設を推進した。とりあえず、建てているときは、化石燃料より地球にやさしい電力施設と言われていた(嘘はいつかはバレるものだが)。その後、当時のマルコス大統領一家は捕まったり国外逃亡したり、いろんなことがあって、原発を始動させる余裕などなかったようだ。引き継いだアキノ大統領などの代々は、おそらく「うさん臭い原子力発電所」にあえて触らなかったのだろう。
建物はあるので、稼働はしていなくても職員はいる。19歳で就職して現在62歳になった作業員は43年ここにいる。だからこそわかるのは、このままでは使えないということ。稼働させるならば一部の部品の交換は、大規模で必要なのだ。
タッチパネルではない旧式のスイッチがすべてを物語っているように時が止まっている。大統領府への直電の電話機は、「ナショナル」(旧松下電機産業)。社名が「パナソニック」になってどれくらい経つだろう~1987年製造までという説がある。
マルコス一派が追放された2か月後チェルノブイリの事故が起きる、これは地球が起こした奇跡なのかもしれない。
ただ。パパマルコス時代のおいしさを知っている国民が今の大統領に選んだのが、息子ボンボンマルコス。フィリピンは今かなりの電力不足だ。
「パパがちゃんと用意してくれていました」と稼働に舵を切らねばいいのだが。原発改修。その予算があれば、違う方法が見つかるかもしれない。
【編集 : fa】
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