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【タイ】「男子、一生に一度は出家すべし」田舎の得度式に参加〈後編〉

Global News Asia / 2024年4月14日 7時0分

 集団が練り歩く間、時折お菓子や些少のお金を包んだ小袋がばら撒かれる。その度に我先にと手を伸ばしたり、拾い集める参列者。拾うと得をわけてもらえたことになるそうで、子どもも大人もかなり必死に集めていた。踊り手と楽団の進行は、遅々として進まない。酔った参列者たちが、台車の前で邪魔をするように踊っているのだ。それを宥めすかすように、ゆっくりと本堂を周る。そのため、本来なら普通に歩いても5分とかからないであろう距離を、30分もかけて周ることになった。そして、三周してなお残っていた小袋が当人からばら撒かれて、騒がしかった楽団と踊り手(参列者)も帰り仕度を始めた。

 一気に静かになった本堂。その中には、出家する当人と家族、親族が、高僧と20人ほどの僧侶を前に座る。当人と家族にとっては、実はここからが本番だ。補助役と思われる僧侶に従い、構想の前に当人がかしずき、得度の儀式が始まった。厳かな読経が終わると白い正装から朱色の袈裟に着替える。そして、多くの戒律を守る宣いの宣誓が指導役の僧侶に応える形で口上される。ひと通りの儀式を終えて本堂を出る時には、彼は一人の僧侶となっていた。その姿を親族たちが手を合わせて迎える。両親も安堵感と共に誇らしげな表情で見つめている。

 こうして、この日の儀式が静かに終わった。田舎の小さな家族による小さな得度式ではあったが、その準備には多くの人と彼らにとっては、少なからざる出費を伴っていたのも確かだった。そんな裏事情などをも紹介していきたい。

<続く>
【取材 : そむちゃい吉田】


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