【コラム】大学出てるから皆ホワイトカラーと思うなよ！ 韓国

　韓国の名門大学を出た女性。INGやKPMGで会計士としてバリバリ働いていた。それでも、韓国もまた男社会の1つ、出産を機に専業主婦になった。子供が小さいうちは、働くことを我慢するだろうが、子供がある程度育ち、託児所などが当たれば、企業に復帰したり、自分で起業するのが、ある意味普通の流れかもしれない。
　
　しかし、彼女は、そんなおうちの中で働くホワイトカラーを選ばなかった。これは彼女のそもそも持つ才能も味方していると考えられる。塗装工になった。子供の世話程度の動きだと、身体に悪いと考えたようだ。

　マスコミで取り上げられることが多いからかもしれないが、彼女への注文はひっきりなしだ。毎月、日本円にして110万円ほど稼いでいる。自前で仕事を取ってくることもあるし、委託されるときは経費別請求で受ける。こういう「きれいに塗れた、仕事できたからいいわ」ではなく、自分の労働に見合った金額はいくらかを考えてから仕事を受けるのは、元会計士ならでは。ナアナアで仕事をしないから、稼げるのだ。日給月給の月もある(とっぱらい)。それでも79万円程度の収入にはなるという。

　しかし、これがニュースになるのは、塗装工が、大学を出て会計士のスキルを持つ人間が絶対にならない仕事、下に見られる仕事なのだろう。職業差別。
筆者は、理容師から新聞記者に中途採用されたが(直接雇用)、ハローワークで「あり得ない転職だ」と言われた。ここに、そのあり得ないのをしたのが1人いるじゃんと思った。
逆に筆者と入れ違いに退社した記者は飲食店を始めた。「取材していると殴りたくなるやつが必ず出てくる。これで会わずに済む」と言葉を残した。いやいや、違うって、理容だって月1殴りたくなるやつは来る。だけど、月1だ。飲食店は毎日ランチに殴りたいやつが来てしまう、どう対処するのか。

　今の日本で、大学を出なければなれない仕事は、医者くらいか(薬剤師は、漢方分野だと薬学部をでなくても大丈夫な場合がある)。

　いつか、彼女の塗装技術を見てみたいものだ。
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