ヨーロッパにおける中国製電気自動車の躍進と問題点
Global News Asia / 2024年5月18日 12時0分
2024年5月、ヨーロッパの電気自動車(EV)市場は、近年、中国製EVの台頭により大きな変化を迎えている。2020年以降、新型コロナウイルスの影響で新車登録台数が減少する中、EVの販売は右肩上がりに増加しており、2023年には100万台を超える登録があった。この増加の背景には、EU加盟国によるEV購入支援策の拡充や、2035年以降の内燃機関車(ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの従来車)の生産禁止目標など、環境に優しい車両への移行を促進する政策がある。
しかし、この市場の成長は、中国製EVの価格競争力によるもの。中国メーカーは、欧州の消費者にとって購入時の大きなネックである価格を抑えることに成功していた。例えば、中国の自動車メーカーは、生産コストを欧州メーカーよりも1台当たり1万ユーロ(約170万円)低く抑えている。これにより、中国製EVは欧州市場でのシェアを拡大し、2022年には3.7%に達した。さらに、2025年までには15%まで伸びると予測されている。
しかしながら、中国製EVの躍進には問題点も存在する。EUは、中国政府による補助金が中国製EVの価格を人為的に低く抑え、市場を歪めているとして調査を開始。また、フランスとイタリアは中国製EVを購入補助の対象外とする措置を検討しており、EU全体で中国製EVの排除が進んでいる。また、低気温化では、電気自動車は走行不能に陥ることが多いという実態や安全面での不安だ。
中国製EVの普及は、ヨーロッパの自動車産業にとって脅威となりつつある。EUの自動車メーカーは、競争力を維持するために、技術革新や価格競争力の向上に努める必要がある。一方で、中国製EVの排除が進むと、EVの心臓部である車載電池の世界シェア6割を握る中国勢に打撃を与える可能性もある。
今後、ヨーロッパのEV市場は、環境政策と産業保護のバランスをどのように取るかが重要な課題とる。
【編集 : af】
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