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憎みながらも使い続ける日帝遺産・韓国

Global News Asia / 2024年10月30日 12時0分

 これは、とある新聞記者の体験です。

 おいしい海鮮鍋と焼酎を楽しみに、韓国の群山に旅行に行った際のこと。タクシーに乗ったら韓国人運転手に「韓国の歴史を学ぼうと来るんじゃなく、日本人はグルメばかりだな!」と説教を受けたそう。お客様にその口のききかたは一体何様なんだという気がしないこともない。

 この群山は、朝鮮半島最大の湖南平野が近く、日帝時代は収穫した朝鮮米の集積基地だった。だから誇りもあるのだろう。だいたい、米どころの人間は「うちの米は一番うまい」と自信を持っている。それは日本だとて韓国だとて同じことかも知れない。

 なかにし礼氏の小説「赤い月」にも登場するが…それだけの米が収穫できる場所で移り住んだ日本人がなにを作るかと言えば酒だ。造り酒屋が7軒あったという。

 韓国人は、日帝時代の、日本が作った建物などを「敵屋家屋」と罵倒する。植民地時代のイヤな記憶を思い出すから…と言っても今は当時を知る人は高齢すぎて、あることないこと親から代々伝わったデマもあるだろうが。

 ソウルなど中心都市では、リフォームしたりしてそうとはわからないように直したりして知らん顔で使っている。だが、群山では文化的価値を見出し公的資金を投入し、修復保存に取り組んでいる。だからこそ、冒頭のタクシー運転手が、お前らの先祖が作った歴史を知りに来いよという怒りにつながるのだろう。往時の銀行は近代美術館になった。反物商の豪邸も観光施設になっている。

 日本では人気のあるその時代の建築家に我も我もと頼み、同じような建物ができる。最近人気の建築家の建物は平成に作って令和の今には腐っているナチュラルな設計だ。

 ここは韓国に見習って、リフォームしながら100年先は知らね~けれど残っている日本の建物とその歴史を、群山の運転手のように語りたいものだ。
【編集 : fa】

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