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政権末期なのか!? 韓国の戒厳令は、数時間で収束

Global News Asia / 2024年12月4日 15時30分

 2024年12月3日深夜、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、非常戒厳令を宣言した。この決定は、野党が来年度の予算案に合意しないことや、国政が麻痺状態にあると説明。戒厳令の発令は、1987年の民主化宣言以来初めてのことだった。

 戒厳令の発令により、韓国軍が国会議事堂に突入し、一時的に混乱状態に陥いる。しかし、12月4日未明、韓国国会は非常戒厳令の解除を求める決議案を可決し、同日朝に尹大統領が解除を発表した。

 この一連の出来事は、韓国の政治状況に大きな影響を与えた。尹大統領の支持率は低迷しており、与党「国民の力」は4月の総選挙で大敗し、野党が国会の多数を握っている。このため、尹大統領は政策実行に必要な法案を議会通過させることができず、逆に野党が可決する法案に次々と拒否権を行使せざるを得ない状況に陥っている。

 戒厳令の発令と数時間後の解除は、韓国国内外で大きな反響を呼んだ。韓国の国内では、戒厳令に反対する立場を表明する声が多く、国会でも全会一致で解除が決議された。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、戒厳令は違憲であり、国民を愚弄し、民主主義を踏みにじるものだと批判。

 国際社会からも注目が集まった。アメリカのブリンケン国務長官は、尹大統領の戒厳令撤回を歓迎し、政治的な意見の相違が平和的に法の支配に従って解決されることを期待すると述べている。また、韓国の政治的不安定と国内対立は、北朝鮮にとって好都合であるとの指摘もある。

 今後の見通しとしては、韓国の政治状況は依然として不安定なまま。尹大統領の支持率は低迷し続けており、与党「国民の力」は来年の総選挙での巻き返しを図る必要があるが勢力拡大のシナリオはまだ描けていない。一方で、野党は尹大統領の辞任を求める声を強めており、政治的な対立はさらに激化する。

 また、韓国国内の経済状況も影響を受けている。戒厳令の発令と解除に伴い、韓国ウォンの価値は一時的に下落し、株式市場も不安定な動きを見せた。政府は経済の安定を図るため、緊急の金融政策を実施する必要がある。

 総じて、韓国の政治状況は今後も予断を許さない状況が続くと考えられる。尹大統領と野党の対立が続く中で、国民の信頼を取り戻し、安定した政治運営を実現するためには、双方が歩み寄り、建設的な対話を進めることが求められるが力が正義の韓国では当面混乱が収束するとは考えにくい。
【編集 : af】

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