「株の爆買い」に最適な“絶好のタイミング”とは【プロの投資家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月14日 8時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
1970年代に世界経済を襲った2度のオイル・ショック。当時、スイス・キャピタル・インターナショナルのアナリスト兼ファンドアドバイザーとして活躍した伝説の投資家・澤上篤人氏と、バブル崩壊時、中小型株を買い付け、投資家としての才を発揮した渡部清二氏。現役で活躍する両者が、自身が考える「有効な株の買い方」について対談形式で紹介します。
バブル期真っ只中に野村証券入社、翌年バブルがまさかの崩壊
渡部 恐らくは、私が長期投資について深く考えるようになったのは、私の野村證券への入社年度が非常に関係していると思うんです。私は1990年の入社で、内定が1989年なんですよ。
澤上 バブル(※)のピークだね。
(※)バブル期は一般的に、1986年11月~1991年2月~5月頃までと言われている
渡部 ピークなんですよ。一番景気が良くて、一番給料がいいというところで証券界に入ってしまった。ところが入ったあとすぐにバブルが弾け、結局そこから20年間で日経平均は8割下がっていったんですよ。
その間に何を見たかというと、山一證券が潰れ、日本長期信用銀行が潰れた姿。いわゆる“安全”といわれていたものがなくなり、代わりにファーストリテイリングが出てきてソフトバンクが出てきてニトリが出てきて、これらの株価がみんな100倍以上、上がった。私はこれを実際に体験しています。
ですから、私の少し上の先輩は、どちらかというと大型の優良株ばかりを勧め、中小型株みたいなのは駄目だという言い方をする。でも、私はまったく逆で、この体験から、新興企業で、先々いい会社は大きく伸びるという考えが、もう実務として身についている。それが我々の世代の特徴です。
【長期投資の鉄則】株価の大暴落期こそ、儲けるチャンス
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/2/7/800m/img_279e30b5633ad187ee4811bfcc1d6d8d66317.jpg)
澤上 俺が投資運用の業界に入ったのは1970年の頭だから、ニクソン・ショックも体験した。今回のインフレは、40年、50年ぶりにようやくきたかという感じ。
渡部 その体験は、ぜひ聞いてみたいですね。
澤上 面白いねえ。いつ、どこに入ったかで考え方は変わってくる。たまたま渡部さんは、野村證券に入って、自分はキャピタルグループのヨーロッパ本部(スイス・キャピタル・インターナショナル)、長期投資の権化みたいなところに入った。だから俺は業界に入った時から、長期投資なんよ。
それでもニクソン・ショックの時には、「ぶええっ! 大変なことになったな」と言ったら、先輩たちは平気な顔をして、いろいろな株を買っていたのね。
その時には、俺も、「なんでこんな時に株を買えるのか?」と思っていたけれども、結局、キャピタルはすごく儲かったという結果が出ている。
だから、もう第一次、第二次石油ショックなんかは俺も平気なもので、「買えばいいだろう。儲かるだろう」と買った。もちろん、それ以前に、しっかりとリサーチをしておいて、こういう時があったらこれとこれを買うぞと、だいたい決めとくわけね。その買い銘柄リストを常にブラッシュアップしとけばいいのよ。本当に長期で持てる、いけるという確信があるものを選んでおいて、大きなショック安があったら買いに出るわけ。
ニクソン・ショックで、マスコミ的に見たら大変な事態になっているのに、みんなが「なんで、この人たちは、こんなに暴落している時に株を買っているのか理解できない」と思っている真っ最中に、先輩たちは平静そのもので買っていた。俺は、そういうのを見て、そっからスタートしているから、長期投資が身に染みついている。
暴落時に買うべき銘柄
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/a/2/800m/img_a2e7de243f0160b48242e9672a1003c456406.jpg)
渡部 ちなみにそういう時は、どういう銘柄を買うのですか? なんかコツがあるんですか? 生活必需品だとか、いわゆるグローバルで有名なのとか……。
澤上 そこが大事なんよ。その時も当然のように、またそのあともずっと検証してきたんよ。暴落の時ってね、本当に価値観が狂っている。だっていろいろ暴落の理由があり、当然の結果として下がっているわけよ。「これまで言われてきた将来=夢物語」が吹っ飛んじゃっている。それで、みんなが右往左往しているわけだ。
そんな時にいくらマーケットを見ていても、何もわからない。でも、世の中を見まわすと、人々の生活は続いているし、その人たちの生活は何も変わっていない。インフレが来ようが何しようが、生きているんだから。
となると、普通の人たちの生活を支える企業活動、つまり、当たり前のビジネス、商売、このあたりは安心して買えるわけよ。
だって、そうじゃない? そんな時に業績見てもわかんない。すべてがマイナス成長になっているわけだから。だけど、「普通の人が必要とするビジネスは、マイナス成長になっても潰れっこないよな。買っときゃいいだろう。安いんだから」。もう、そんなもんよ。数字はみんな悪いんだから。ふふ。意外に当たり前の会社がいいのよ。
なおかつ、最近のぽっと出の会社は怖い。これまで大暴落という経験をしたことがないからね。とりわけ、今回のインフレは、若い会社で、ゼロ金利でのし上がってきた会社がいっぱいあるじゃない? これらは金利が上がってきただけでも無理。吹っ飛ぶだろうね。だからある程度、歴史がある会社のほうが安心できる。当たり前の会社が強い。
澤上 篤人
公益財団法人 お金をまわそう基金
代表理事
渡部 清二
複眼経済塾
代表取締役塾長
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