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「暴動が起こる」…日本の<年金システム>大崩壊の壮絶シナリオ【専門家が予測】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月22日 8時15分

「暴動が起こる」…日本の<年金システム>大崩壊の壮絶シナリオ【専門家が予測】

(※写真はイメージです/PIXTA)

加速度的に人口が減少している先進国では、年金制度が大破綻する将来がより確かなものへとなってきている。そこで今回は、長期投資家の渡部 清二、澤上 篤人の二人が、その年金制度の破綻による経済危機をいかに乗り越えるべきなのか、「個人の姿勢」に着眼して、解説します。

「年金は国に任せておけばいい」ではなくなる

渡部 ずっと澤上さんのお話を聞いていて、やはり、まず年金があり、次に運用者側のマーケティングがあり、というのが諸悪の根源ですね。

澤上 その諸悪の根源も、もう間もなく世界的な規模で、大暴落があるから、まとめて駄目になる。これはかなり重い問題になるよ。年金もボロボロになるからね。

渡部 そうすると、これまでは個人も「年金は国に任せておけばいい」と考えていたけれども、もう任せられないとなると、意識も変わるという動きが起こるかもしれませんね。

澤上 変わる前に、「年金はどうなるの?」で大騒ぎとなるだろうね。

年金制度の崩壊の可能性

渡部 年金制度、そのものが崩壊するということも起こり得ますかね?

澤上 崩壊に近い状態に陥って、年金運用に関し、ものすごい大反省期を迎える。その後、年金運用が本来の姿──長期投資に──戻るかどうかは現在のところわからない。

さらに、よく考えて欲しいのは、今の年金制度は人口が増えていく段階ではよく機能していたよ。しかし、人口が減りだしたら機能しないわけ。現役層が負担する金額はどんどん大きく重くなる。その現役層の負担に、先進国は苦しんでいる。

しかも、人口は加速度がついて減っていて、状況はどんどん悪くなっていく。といって、年金制度の構造問題はどうしようもできない。運用もガタガタになってしまったしね。

それを新興国は見ているから、新興国はこれからどういう年金をつくったらうまくいくか、大変に参考になるわけ。

渡部 なるほど。最初から公的年金という発想ではなくて、すべて私的年金で、民間が担うというのは優れたアイデアですね。

澤上 国は税優遇さえしてあげればいいだけだから。大事なのは、国民がそれぞれ自分の年金をつくっていければいいだけなんだから。新興国は経済が伸びているんだから、それに年金システムを乗せない理由はないわけよ。

先進国もそうすれば良かったのに、世代間扶養という巨大で重い制度をつくってしまった。それで、えらい苦労をしている。こんな大変な仕組みは必要がなかったんだよ。

渡部 なるほど。

将来の年金のかたちは「個人が考えて個人で投資する」

澤上 逆に言うと、現在の年金制度で苦しんでいる先進国は、金融緩和バブルの崩壊で、その年金システムごとドーンと破綻が来るわけ。かなり大変なことが起こるよ。

渡部 確かに、そうです。年金は、これからどうなるんですかね? もしかしたら、ある段階で、「もう全部いったん、それぞれの割合で国民に返します、これからは自分でやってください」みたいなことも起きかねないですよね?

澤上 でも、そうなると、暴動が起こるよね。

渡部 暴動が起きますよね。しかしながら、現実問題として、もうそれぐらいしかやりようがないんじゃないですか?

澤上 そもそも、日本の国がやっていることは、何一つ、俺は評価していない。唯一、iDeCoやDC(確定拠出年金)の制度は素晴らしいスピードで充実させてくれている。あれは、国は年金が100年安心と言いながら、駄目になるのを知っているから、できれば静かに、iDeCoやDCに移って来てくださいという考えでやっていると思うよ。

国の年金制度もそうだが、年金の運用もひどい状態になっているのも問題だよ。たとえばバブル高している株価をやたら追いかけているのだから、もう運用じゃないわけよ。

この章の最初に話したけれども、40年に一回の大暴落が来て、GPIFが200兆円、共済を入れれば270兆円ぐらいかな、それが大きく沈んだりしたら大変な事態になる。大きくヘコんだら、もう悲惨。彼らの運用している金融緩和バブルにどっぷり()かったポートフォリオなど、見たくもないよ。

渡部 そうすると、流れ的には間違いなく、年金は個人が考えて個人で投資するという決断をせざるを得ないところまで来ていると。

澤上 やる人はね。そこで、やっかいなことになりそうなのが、国や金融庁が進めている「貯蓄から投資へ」の大キャンペーンだ。タイミングが悪すぎる。もう、いつ弾けてもおかしくない金融緩和バブルの最終局面で、投資の世界に多くの個人を誘おうとしているわけよ。

どこかで、大きな痛手を(こうむ)ることを、俺は危惧している。下手したら、はじめて投資に踏み切った人たちは、もう投資はこりごりになるかもしれんし。こんな金融緩和バブルが弾けそうな時に、NISAでインデックスを買えと言うんだから。悪すぎる、タイミングが。金融庁のお役人は、投資運用を何も理解していないからね。

そうは言うものの、「貯蓄から投資へ」は国を挙げて絶対に進めたいテーマ。ただ、やってもらいたいのは本物の長期投資による資産形成のはず。

澤上 篤人

公益財団法人 お金をまわそう基金

代表理事

渡部 清二

複眼経済塾

代表取締役塾長

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