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住宅ローン〈定年時の残高〉が「老後破産」の分かれ道…知っておきたい35歳以上で「家を買う」リスク【公認会計士が忠告】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年2月5日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

人生の一大イベントともいうべき「マイホーム購入」。その際、多くの人にとって、切っても切り離せないのが「住宅ローンの返済」ですが、住宅ローン・不動産分野で活躍するブロガーであり、公認会計士の千日太郎氏は「定年退職時の住宅ローン残高がいくらなのかが、老後破産をしないために非常に重要」と言います。千日氏の著書『住宅破産』(エムディエヌコーポレーション)より、詳しくみていきましょう。

住宅ローンの借入期間は「最長」で設定すべし

毎月の返済額を継続できるレベルにしておくために、借入期間をできるだけ長くとることもお勧めしています。住宅ローンの借入期間の上限は、35年と完済年齢上限である80歳までの年数のどちらか短い方としている金融機関が多いからです。

つまり、住宅ローン実行時に満45歳以下の人であれば、住宅ローンの期間は35年が最長期間です。満45歳から1歳年齢が上がるごとに最長期間は1年ずつ短くなっていきます。

そこで問題となってくるのが、「無理なく完済できる住宅ローン」の金額を出すために必要な「定年時のローン残高を1,000万円以下に抑える」という条件をクリアできない人が出てくることです。

20代で住宅ローンをスタートする人は住宅ローンの期間を最長の35年に設定した場合、定年の60歳時にはほぼ完済してしまいますので問題となりません。しかし、30代の後半くらいからは、35年の住宅ローンを組むと1,000万円をどうしてもオーバーしてしまう人が増えてきます。

年齢が若い場合は年収が高くないため、それほど多額の住宅ローンを借りることができませんし、繰り上げ返済せずとも定年までにほぼ完済となります。しかし、年齢が高くなると年収が高いため、借りられる金額が多くなると同時に定年までの期間が短くなっています。同じ35年間とすると定年時に多くの残高が残る計算となるのです(図表)。

定年時の残高は「収入が激減するタイミングでどれだけの債務が残るか?」という指標です。あまりに定年時の残高が多い場合は、途中のアクシデントで繰り上げ返済資金が底をついた場合に、リカバリーが困難となります。これも低いに越したことは無いのです。

この例で「35歳以上の人が60歳のローン残高を1,000万円以下とするためにどうするか?」というと「返済期間を短くする」ことになります。しかし、返済期間を短くすると毎月の返済額は高くなります。毎月返済額のハードルは高くなってしまうのです。こうした、「あちらを立てればこちらが立たず」の状態をトレードオフといいます。

「繰り上げ返済」には2つの方法がある

このように「定年時の残高」と「毎月の返済額」がトレードオフとなる場合、「毎月の返済額」を小さくすることを優先すべきことをお勧めしています。

なぜなら、借入期間は後から繰り上げ返済することによって、任意のタイミングで任意の期間に短縮することができるのです。なお、繰り上げ返済には期間短縮型と返済額軽減型の2つのタイプがあります。

(1)期間短縮型:繰り上げ返済によって返済期間を短縮するタイプで、毎月の元利均等返済額はそのままです

(2)返済額軽減型:繰り上げ返済によって毎月の元利均等返済額を減らすタイプで、返済期間はそのままです

期間短縮型で繰り上げ返済することで返済期間を短縮することができます。つまり、自ら主体的に繰り上げ返済することで、後からでも「定年時の残高」はコントロール可能なのです。

しかし、後から「毎月の返済額」を少なくすることは簡単にはいきません。収入が減少し毎月の返済が厳しくなった場合に、住宅ローンの期間を延長して毎月の返済額を小さくするには、個別に金融機関に「返済条件の緩和」をしてもらわなければならないのです。

この場合は、期間を延長することで確実に返済継続ができるという返済計画を提出し、金融機関の厳しい審査を受けることになります。また、このことは個別信用情報(いわゆるブラックリスト)にも登録されることになり、一定期間は他の借入やクレジットカードの審査が通りにくくなるなどの弊害があります。

住宅ローンの「定年時の残高」がいくらになるのか? ということは老後破産しないために、非常に重要なポイントです。しかし、収入が減少する潜在的なリスクが高くなっているコロナ渦にあっては、「毎月の返済額」を安全圏とするため、返済期間を長くとることをより優先すべきです。

借り換えて返済期間を延長することもできる

最初に住宅ローンを組む時点で返済期間を最長にしておくことが理想ですが、収入が減ってしまう前であれば住宅ローンを借りる金融機関を変更する、いわゆる借り換えによって後から返済期間を延長することも可能です。借り換えとは、新たに別の金融機関で住宅ローンの契約を結ぶことで現在の住宅ローン残高と同額の融資を受け、その資金で現在の住宅ローンを完済することです。

借り換えによって、現在の住宅ローンは完済しゼロとなりますので、新たな金融機関で契約を結びなおすことができるのです。借り換えに伴って、住宅ローンの期間を延長し、ボーナス払いをやめることで、「毎月の返済額」のリスクを減らすことが可能となります。

また、現在融資されている金利が適用されます。金利が低くなっている場合は従前よりも低金利となって利息の負担を減らすことができます。借り換えにはある程度の費用がかかりますが「毎月の返済額」のリスクが減り、適用金利が下がって利息の負担が減るのであれば、ある程度の費用を払っても借り換えるべきです。また、借り換え費用も込みで新たな住宅ローンとして借りることができる金融機関もあります。

千日 太郎

オフィス千日 代表社員  

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