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報道内容は本当だけど…訴えます!「名誉毀損」のキホン【弁護士の解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年1月26日 14時0分

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(※画像はイメージです/PIXTA)

昨年末からニュースを賑わせている、ダウンタウン・松本人志さんの性加害疑惑。報道に対し、松本さんは文藝春秋に対し、名誉毀損に基づく損害賠償および訂正記事による名誉回復を求めています。ところで「名誉毀損」は、報道が本当でも嘘でも訴えることできます。世田谷用賀法律事務所、水谷江利弁護士による解説です。

刑法における「名誉毀損罪」とは、どういう時に成立するのか

昨年末の週刊誌の性的行為強要報道により、ダウンタウンの松本人志さんが「活動休止」を発表しました。

性的行為強要の実態が、事実かどうかはまだわかりません。しかし、本当ではなかったら、「今回の性的行為強要報道は名誉棄損になるのか?」 を専門家として考えていきましょう

刑法の名誉棄損罪は、「公然」と「事実を摘示」して「人の社会的評価を低下」させた場合に成立します。つまり、みんなの前で(=「公然」と)、何かを暴露したら、それが事実であってもなくても(=「事実の摘示」)名誉棄損の罪になりうるのです。

政治家などの「公人」の場合は、それが事実であれば、「公共の利害」に関する事項であって「公益を図る目的」にあったものとなり、事実であるかぎり名誉棄損は成立しないことになりえます(刑法230条の2)。しかし、芸能人のスキャンダルは、何もその人に投票して政治が動くのとは違うので、「公共の利害」でも「公益」でもないです。そうすると、芸能人の場合には、スキャンダル報道はそれ自体、たとえ本当でもそうでなくても、本来は「名誉棄損」になってしまうのです。

(名誉毀損)

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

(公共の利害に関する場合の特例)

第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。

3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

報道内容が事実であっても「名誉毀損」と訴えることができる

今回の松本さんのケースについても、スキャンダル報道があれば、たとえその内容が事実であっても、「名誉棄損だ!」と松本さんは報道機関を刑事的にも民事的にも訴え出ることができることになります。

とはいえ、内容が真実の場合には、これを民事刑事で訴える芸能人はほとんどありません。そのことでかえって事実がさらに明るみに出ること、賠償額自体が多額にならないためかと思われます。

なお、不倫などの相談の際、「事実なのだから、不倫の事実を相手の会社に伝えたい!」という相談を受けることがありますが、同様にこれも(たとえ本当でも)名誉棄損になってしまう行動となりますから、気をつけましょう。

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