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年金月13万円・夫を亡くした高齢妻「もっと素敵なところがいいわ」と<入居100日>で「老人ホーム退去」も、遅すぎる決断に後悔

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年2月1日 7時15分

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いまだに持ち家志向の強い日本人。しかし年を重ね、身体の自由が段々と制限されてくると、介護や医療サービスが充実する「老人ホームへの入居」を希望する割合が増えていきます。ただ老人ホームは入居したら安心というわけではなく、退去を選択するケースも珍しくありません。しかも退去に際し、「えっ、聞いてないよ!」と後悔することも……みていきましょう。

介護が必要になったら…3割が「老人ホームへの入居」を希望

東京都福祉局が行った『令和元年度在宅高齢者の生活実態調査』で、65歳以上の高齢者の住まいを尋ねたところ、64.4%が「持家(一戸建て)」、16.5%が「持家(分譲マンションなど)」、8.4%が「民間賃貸住宅」。「老人ホーム」は0.8%でした。

一方で「介護が必要になったときの希望の住まい」について尋ねたところ、「現在の住宅に住み続けたい」が46.8%でトップでしたが、「有料老人ホームに入居したい」5.2%、「高齢者向け住宅に入居したい」が7.3%、「介護保険で入所できる施設に入居したい」が17.6%と、いわゆる「老人ホーム」への入居を希望する人は合わせて3割にも上ります。

現状、どれほどの介護を必要としているのかなどでも希望は変わるでしょうし、介護経験の有無も影響するでしょう。ただ「身体の自由が制限されるようになったら、自宅に住み続けるのは難しい」と考えている人が多いことが表れているといえるでしょう。

老人ホーム入居に際し、ネックになるのは費用。高齢者施設の場合「入居一時金」というシステムがあります。これは家賃の前払いのようなもので、その金額は0円~数千万円、富裕層がターゲットとなる高級老人ホームになると、億超えという施設も。入居一時金、家賃の前払いという特性上、退去すれば返還されるお金です。

さらに月額利用料。食費や管理費、介護保険サービスの自己負担分などが含まれます。厚生労働省の資料によると、介護付き有料老人ホームの平均月額利用料は22万7,039円。最も多い価格帯は「30万円以上」で32.8%。続いて「25万~30万円未満」で18.3%、「20万~25万円」が12.3%と続きます。

一方で、老人ホームの入居に際し、どこから費用を捻出するかといえば、まず考えられるのが年金。厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金受給者の平均受給額は月14万4,982円。65歳以上の受給権者の平均年金月額は、男性が16万7,388円、女性が10万9,165円です。また遺族厚生年金の平均受給額は月7万9,557円です。

老人ホーム費用…平均寿命から考えると後悔しそう

夫を亡くし、ひとり残された高齢妻。夫婦の年齢差や平均寿命から考えると、妻は79~80歳ほどというパターンが多いでしょうか。夫が元会社員で、妻は専業主婦であれば、遺族年金と自身の国民年金で月14万円ほどの年金を手にします。

入居一時金がある場合はある程度まとまった金額でしょうから、貯蓄を取り崩して支払うというのがよくあるパターン。月額利用料は月々の年金額で収まれば御の字。差額があるなら、貯蓄から補填して対応となるでしょう。

たとえば入居一時金1,000万円、月額利用料が23万円という老人ホームへの入居を検討する、80歳女性。夫を先に亡くし、年金は月々13万円受給しています。

「女性の平均年齢は86歳ほど。この年齢まで入居できるお金があればいいかしら」

月額利用料のほかに考えておきたいのは、サービス外の費用。平均3万円程度かかるとされていますので、月26万円の支出と考えると年金との差額は月13万円。入居一時金と合わせ、6年間の入居で2,000万円程度は必要であることがみえてきます。

ただ生存率で考えると86歳時点で半数以上の女性は生きている可能性が高いといえます。生存率は90歳で4割を下回り、94歳で2割を下回ります。何歳まで生きるか神のみぞ知るところですが、よくある「平均寿命から考えると……」というシミュレーションでは、少々頼りないものといえそうです。

老人ホームの退去は珍しいことではないが…

綿密に、かつ余裕のあるシミュレーションのもと、老人ホームに入居。これで一安心といけばいいのですが、絶対とはいえません。家を借りたことのある人であれば、きっと経験しているはず。

――ちょっと自分には合わないなあ

――もっと素敵なところに住みたいわ

内見をきちんとしたとしても暮らしてみると違和感を覚えたり、欲が出てきたり……それは老人ホームにおいても同じで、実際に老人ホームの退去は珍しいことではありません。

――入居一時金も戻ってくるし、また自分に合ったホームを探そう

そう考えて退去を決めたとき、入居一時金の返還金には注意が必要です。入居一時金の返還額は「初期償却率と償却期間」で決まります。初期償却率は入居一時金のうち返ってこない金額の割合。賃貸物件でいえば、返ってくることのない礼金みたいなもの。入居一時金は一定期間の家賃の前払い金であり、この一定期間が償却期間です。たとえば前出の入居一時金1,000万円の施設。初期償却率20%、償却期間7年だとしましょう。この施設を3年で退去することになったら、返還金は450万円程度になります。

また『契約後90日以内』のクーリングオフ期間が過ぎれば、初期償却が適用され、その分は戻ってきません。入居後100日で退去となった場合は、まずは1,000万円から、初期償却率20%をかけた800万円、さらに場合によっては10日分は日割り計算され返還されるわけです。

――えっ、たった3ヵ月ちょっといただけなのに、200万円も取られちゃうの⁉

早く退去を決めたはずなのに……大きな後悔をするわけです。このように老人ホームを検討するなら「初期償却率と償却期間」の仕組みをしっかりと理解したうえで決断を。そうすれば万が一退去となった場合でも、余分なお金を払わずに済むでしょう。

[参考資料]

東京都福祉局『在宅高齢者の生活実態調査』

厚生労働省『特定施設入居者生活介護』

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』

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