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月収100万円だった父、6,000万円貯めて65歳で現役引退!ドヤ顔で「年金生活」突入も…5年後にすごすご「再就職」のワケ【FPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月30日 11時45分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

結婚の多様化が進む近年、晩婚・晩産は珍しくないものになっています。しかし、人生の三大支出の山が定年前後に一気に押し寄せ、家計が火の車になる家庭も少なくありません。本記事では、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が、大沼さん(仮名/70歳)の事例とともに晩婚家庭の老後資金計画の注意点について解説します。

ローン完済でゆとりの老後を送るはずが…

大沼諭さん(仮名/70歳)は元医師です。勤務医として長年病院に勤務し、月収は100万円を超えていました。そんな大沼さんは、最後は名残惜しくもありましたが、「もう激務ともお別れだ」と今後の自由な生活に胸を弾ませ、65歳で退職。20歳年下の沙月さん(50歳)と度々海外旅行に行くなど、誰もが羨むゆとりの老後を謳歌していました。沙月さんの幸せそうな様子を見る大沼さんの表情は大変得意げでした。

大沼さんは退職時、2,000万円程度の退職金と、現役のころに貯めてきた預金資産が3,000万円、生命保険の解約返戻金で1,000万円程度と、合計で6,000万円の資産を保有していました。

しかし、大沼さんが妻である沙月さんと結婚したのは大沼さんが57歳になるころ。そしてその後に授かった子どもはまだ中学生です。さらに、同じタイミングで7,000万円のマンションを購入しています。退職時にはまだローンの残高が約4,500万円ありましたが、その全額を退職時に繰上げ返済していたのでした。

「毎月の返済もきれいになくなり、老後の資金も1,500万円あり、ゆとりの老後を……」このように考えていたのでした。

しかし、退職時には親子3人で海外旅行に出かけて大盤振る舞いし、また、現役のころの支出の癖が退職後も続き、毎月50万円程度を支出している状況です。

一方、収入は大沼さんの公的年金が月額で19万円程度です。毎月目に見えて減っていく預金残高に不安になり、倹約を心掛けるように妻の沙月さんにも話をしていましたが、お金が減ってしまう根本的な問題点を気が付かないまま、ついには生命保険の解約返戻金もすべて使い果たしてしまったのでした。

仕方なくマンションを手放すことを考えた大沼さんでしたが、妻の沙月さんはマンションを離れることに反対しています。

泣く泣く今生の別れを誓ったはずの病院へ戻り、非常勤の医師として勤務することに。月額30万円程度の収入を得ることで毎月家計はなんとかやりくりできてはいますが、一向にお金も貯まらず、もし自分が働けなくなれば年金だけでは家計をやり繰りすることができません。

長男も大学進学を目前にし、家計も余裕がないため是が非でも国公立大に進学して欲しいと考え有名進学塾に通わせています。

「いつまで働かなければならないのだろうか……」これから掛かるであろう進学資金のことも含めお金の不安を抱えていたのでした。

資産を蓄えてリタイアしても、老後破産と隣り合わせなワケ

現役時代の収入は高く、リタイア時に十分な資産を残していたはずの大沼さんでしたが、一生のスパンでお金を見える化できておらず、現役のころの収入の水準でマンションを買い、日々の生活費を使っていたことに問題があります。

57歳で結婚し長男を授かった大沼さんは、子供が成人し独立する前に自分が退職することは考えられたことです。

しかし、若い妻と結婚することができ舞い上がってしまったのか、リタイア後の生活を考えずにマンションを購入し、毎月の生活費もあまり気にせずに使ってしまっていたことが問題でした。

また、資産が底を尽いたころにようやく非常勤で働くことを考えた大沼さんでしたが、65歳でリタイアした際にその決断ができていれば資産を失うことはなかったでしょう。

将来設計から家計をシミュレーションし、一生黒字でいることができるように働き方や資産の取り崩し方など、資金計画を考え、またこういったシミュレーションを踏まえて無理のない金額でマンションを購入するなど、実行していればこのような事態を避けることができたかもしれません。

夫婦で今後のライフスタイルやお金のこととしっかり向き合い、どう生きていきたいのか、戦略を考えることが必要だったといえます。

晩婚家庭の老後破産リスク

出産が遅かったケースは特に注意が必要ですが、現役時代の収入が高くても計画的にお金を使わないと今回の大沼さんのようなことになってしまいます。

厚生労働省の2019年に行われた人口動態統計によると、初婚の年齢の上昇に伴い再婚の年齢も上昇し、男性においては平均で43.7歳というデータがあります。

仮に44歳で再婚し、1年後の45歳で子供ができればちょうど定年退職のころに最も進学資金が掛かる時期に差し掛かるということになります。

ですので、今後の収入と支出の予測を立て、しっかりご自身が望む人生設計を実現できる人生設計を考えることが必要です。

高齢になり再婚した場合等は特にそういった計画を立てることが大事ですので、いまの収入が高く余裕があったとしてもお金の計画をしっかり立てていきましょう。

小川 洋平

FP相談ネット

FP

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