要注意…相続の相談をする際、「専門家に嫌われる」避けるべき〈4つの対応〉【司法書士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月23日 9時0分
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画像:PIXTA
「相続は事前に話し合わないと、9割が揉める」……裁判沙汰にならないまでも、遺産を巡って不仲になる、遺産分割以外にも介護、お墓に関するトラブルなどが発生することを考えると、9割という数字は決して大袈裟なものではありません。司法書士兼行政書士である太田昌宏氏の著書『円満相続のための 家族会議の始め方』(メディアパル)より、一部抜粋して紹介する本連載。太田氏が、司法書士ならではの視点から、トラブルを未然に防ぎ、円満な相続を実現するための家族会議の方法を、できるだけ分かりやすい表現を用いて解説します。
専門家に依頼したときの相場は?
相談するみなさんがもっとも気になり、専門家がもっとも回答しにくいのが、費用(報酬)です。
相続手続きは定型的な処理で終わるとは限りませんので、一律いくらと回答するのは、正直なところ困難です。どういう状況で、何を依頼するのか、財産の内容などの要素がからむため、きちんと聞き取りをしないと、金額は提示できません。当然、依頼する専門家(事務所)によっても異なり、地域差もあります。
相場観が知りたい場合は、専門家(事務所)のホームページをチェックしましょう。たいていは報酬の一例が出ているので、ざっと比較はできます。
電話での問い合わせは、あまりおすすめしません。いくら明朗会計をうたっていても、電話だけでいくらと答えてくれる専門家は多くないでしょう。
相談費用の目安は、相談時間が30~60分で5,000円~1万円くらいが多いと思います。初回相談は無料という専門家(事務所)もあります。
まずは訪問してみて、財産や依頼する内容を専門家にわかってもらい、そこでおおよその金額を聞くのがベターです。時間があるなら、複数の事務所を訪ねて比較してみるのもよいでしょう(参考:【図1】司法書士への依頼と内訳の一例)。
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専門家も人間なので相性は重要
せっかく専門家に依頼したのに「安かろう、悪かろう」では、困ります。では、どんなタイプの専門家に頼むのがよいか、その基準を紹介します。かかりつけ医を選ぶのと似ているかもしれません。
私なりのチェックポイントをいくつか挙げてみます。
・相談に行った際の第一印象、話をしたときに感じた人柄は?
相続発生前からの相談の場合は、いろいろな手続きを頼むことになります。長いお付き合いになるので、誠実で丁寧な印象が得られるかどうかが、何より重要です。
・話をきちんと聞いてくれるか? 話しやすい雰囲気か
相談する側が状況をうまく説明できない、問題点がどこに隠れているかわからないのは当然です。最後まで話を聞いてくれるか、断定的な言い方をしないかなどの態度も重要です。
・わからないことに対して、納得できる回答をしてくれるか?
これはわかりやすい差が出ます。知識や経験の豊富な専門家であれば、かみくだいた説明はもちろん、答えがいくつも出てきたり、別の視点からの回答が出てきたりするでしょう。「こんなケースはこうなります」といった具体的な話があれば、納得できます。
より細かなポイントを図2にまとめました。
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こんな対応は専門家に嫌われる
みなさんが専門家を選ぶのと同時に、専門家もあなたの様子をじっくり観察しています。相談の際にやってはいけないことを説明しておきます。
・本題になかなか入らない
相談時間は有効に使いましょう。家族関係など、昔話のなかに重要な事実が含まれることもありますが、今さらどうにもならないことを延々と語るのはNGです。
・一方的な主張をして、専門家の意見を聞き入れない
ルール、つまり法律を無視して自分の考えに共鳴・同意してくれる専門家を探している人がたまにいます。気持ちをふまえて、現実的な解決策を探りましょう。
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・専門家からの質問に回答しない、重要な事実を告げない
家族関係や借金など、答えにくいことも当然あります。で、あれば「答えにくいですが、こうなんです」と伝えましょう。守秘義務がありますから、外に漏らすことはありません。
また、自分に都合の悪いことを話さない場合、のちのちトラブルが起こります。
・いきなり報酬を値切る
人生相談ではなくプロとして仕事をうけおうので、労力に対する対価を最初から値切られると困ります。気になる場合は、「予算はいくらです」と先に伝えるほうが話は早いです。
太田 昌宏
司法書士・行政書士
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