「実家は母の領域なので、私が手を出すことは心情的にできないんです」…認知症の母のため、東京と神戸を月2回行き来する女性の苦悩【体験談】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 10時0分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
自分やパートナーの親が亡くなったあとのことを考えることに抵抗を感じる人は少なくないでしょう。しかし、『親を見送る喪のしごと』の著者で作家・エッセイストの横森理香氏は、できれば親が元気なうちに「家じまい」を進めたほうがいいといいます。早めの“終活”がもたらすさまざまなメリットについて、詳しくみていきましょう。
できれば元気なうちにお片づけ
親が高齢になったら、実家の片づけを手伝うことをおすすめする。私の周りの大人女子たちも、実家の片づけに通っている。嫁として、夫の実家の片づけに通っている女子もいる。
「お義父さんが亡くなって、いまはお義母さん1人なんですけど、夫の部屋もかつてのまま残っているので、まずはそこから片づけています」
高齢者の様子を見ながら、いずれ来る日のことを考えつつ、片づけておくほうがいい。ホームに入ってから、亡くなってからでは負担が大きい。
手伝えば思い出を紡ぎながら、親と一緒に取捨選択できる。「夫のアルバムを一緒に見てたら、一日終わっちゃったんです」という日もあるだろう。が、そうやっておつきあいネタを見つけるのも、高齢者を元気づけるのによい。
【豆知識】
親との片づけ……生前整理では、親と喧嘩になるという話もしばしば耳にします。「親が納得して片づけられる」と「捨てる判断は親にゆだねる」を軸に進めてはどうでしょうか。また、親には片づけられない理由があることも。親の考えや思いに寄り添って進めましょう。
心情的に片づけられない場合
東京住まいで、神戸の実家に月2回通っている大人女子もいる。父親が他界し、母親が1人で住んでいるから、たびたび電話をしたり、月2回は行かねばならない。
「認知症が進んでいるので、病院の付き添いもあるんです。私がドクターの話を聞いておかねばならないので」
実家に滞在する際には、母親がふだんできない、日常の片づけもしている。しかし「家じまい」という意味では、片づけていないという。
「実家は母の領域なので、私が手を出すことは心情的にできないんです。今後施設に入ったとしても、お正月やなんかに帰ってくる家だし、『片づけは死んでから、業者に頼んで』と母にも言われているので」
彼女のご友人で、夫の実家を片づけて貸し出している人がいるという。
「家は空けると傷むからといって、お義母さんが施設に入居した途端に全部片づけちゃったんです。でもこれは、実母じゃないからできたんじゃないかな。私は、夫の実家も、夫の気持ちを考えると片づけられない」
母親も、一度は片づけ始めたものの、思い出のあるものは捨てられず、そのままになっているという。
「人によると思いますが、亡くなったあとのことを考えて親の家を片づけられる人は、あまりいないんじゃないかな。そもそも介護で手いっぱいですし」
彼女は仕事しながらのお世話だから、大忙しだ。母親は自活してくれているので、介護はしないで済んではいるが、「家じまい」という意味では物理的にも無理だろう。
しかし、時間的に余裕がある専業主婦ならば、ちょこちょこお片づけをするのは可能なのではないだろうか。
大人女子の出かける“言い訳”に
コロナ禍で自粛生活慣れしたため、高齢でもないのに出かけない大人女子が増えた。また、夫がリモートワークとなり、コロナ禍が明けても週の半分ぐらいしか出社しないこともある。となると、主婦は出づらい。
さらに、夫が退職して一日中家にいるようになった場合、それまで気分転換に日中方々に出かけていた主婦たちも、すっかり家に軟禁状態になってしまう。そんな大人女子たちの出かける言い訳になるのが、親の家の片づけだ。
残されて一人暮らしの親ならばなおさら、様子見がてら片づけに行ってくる、というのは、いい言い訳になるし、長時間、家から離れられる。私の友人は高齢出産で産んだ子どもが小さいとき、よく実家に通っていた。高齢になった親の様子見がてら、孫の相手もしてもらえるので、いい気分転換になったのだ。
「遺品」になる前に
私のように、親に告知してなかったために準備することもできず、亡くなってから慌てて形見分けをした場合、「あー、取っときゃよかった」という失敗もある。
だから、元気でいてくれる親と一緒にお片づけをするのは、親に形見をもらういい機会になる。会いに来てくれて、一緒に思い出を語りながらアクセサリーや着物を出して見たら、それがどういうものかもわかるし、「これはあんたにあげるよ。これは〇〇に」という展開にもなるだろう。
着物なんかは開いて畳みなおすだけでも、風が通る。虫干しできないまでも、保存していく上では大切な作業だ。
私は自分自身のアクセサリーも、すでに少しずつ娘にあげている。年とともに金属アレルギーがひどくなり、ネックレスは着けられないから、娘が20歳になってから少しずつ、譲り渡しているのだ。
横森 理香 一般社団法人日本大人女子協会 代表 作家/エッセイスト
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