意図せぬ「パワハラ」「セクハラ」の勃発防止にも有効!…〈Z世代部下〉と信頼関係を構築するために“最も大切なこと”
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月3日 13時0分
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職場の人間関係において、上司と部下の間で価値観や言動に「世代間ギャップ」が生じるのは致し方のないこと。親子ほど年の離れた「Z世代」の部下との距離感をつかむには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。『Z世代の取扱説明書 Z世代社長が語るリアルな本音』(サンクチュアリ出版)より、自身もZ世代である、株式会社OMOCHI代表取締役である白附みくる氏が解説します。
Z世代部下と信頼関係を結ぶための「近道」とは?
「信頼関係が大切」と言われますが、違う世代の人同士で信頼関係を結ぶのは、簡単なことではありませんよね。
信頼関係の結び方はさまざまなので、ひと言で言うのは難しいのですが、基本は相手をどれだけ見ているのかがカギではないでしょうか。たとえば同じZ世代でも、プライベートの話ができる上司を素敵だと思う人もいれば、「仕事で信頼できればいい、むしろプライベートの話には入ってもらいたくない」と思う人もいます。
人によって価値観が違うので、パーソナルスペースにどこまで入れるのか、しっかりと見極めなければいけません。
その見極めができず、相手が踏み込んでほしくないところまで入ってしまうため、パワハラやセクハラと言われてしまうのです。ですから、相手をしっかりと見なければいけません。
怒鳴り散らすようなパワハラをしている人は、随分少なくなってきたのではないでしょうか。現在パワハラやセクハラと呼ばれる言動には、ちょっとした言葉のニュアンスによるものが増えてきています。
わたしの友人がいつも「あれは絶対にセクハラだ」と相談してくるのは、上司から「制服のサイズ、ワンサイズ大きくしたほうがいいんじゃないの?」と笑いながら言われていることです。
この場合の問題は、本人がコンプレックスに感じていることに踏み込んでしまっていることです。相手のコンプレックスを見極められず、地雷を踏んでしまうと、パワハラ・セクハラになってしまいます。
この友人は、もともといじられることを嫌がるタイプではありません。普段から、みんなに「あほやなぁ」「わがままやなぁ」と言われても、まったく嫌がらないどころか、「わたし、わがままだから」と開き直って、言い返してくるほどです。
ところが、見た目については友人関係のわたしでも触れません。なぜなら、彼女が見た目に対してコンプレックスを抱いていることをわかっているからです。
その友人は、いつも「〇〇がかわいい」「かわいいのが大好き」と言っていて、「見た目が太った」「最近、肌が荒れている」といったほんの少しの見た目の変化をとても気にします。ですから、見た目に対するコンプレックスを持っていることがわかります。
何が言いたいかというと、人には触れてはいけない禁止ワードがあるということです。それを普段の会話から理解し、触れないことが、信頼関係を結ぶうえで大切なポイントになるのです。
信頼関係を結びたいときの近道は、部下の好きなものを見つけることです。
部下の「好きなもの」を見つけるのに最適な方法
あなたは、部下の好きなものを3つ言えますか?
きっと、言えない人のほうが多いのではないでしょうか。好きなものを見つけるには、次のことがおすすめです。
・机に置いてあるものを見る・日頃の持ち物に注目する
・普段の会話内容を気にする
・SNSを交換している場合は、LINEなどのアイコンに注目する
ここで見たことを話題にして、話を広げてみてください。
相手の好きなものが、いまよりもわかるようになるはずです。そして、相手がカチンとくること、嫌がること、そして触れてほしくない部分を理解することも、同時に心がけてみてください。
Z世代と信頼関係を築くには、まず相手の好きなものを知る努力をすることが大切です。好きなものが3つ言えることと、コンプレックスに触れないことがとても重要であることを、ぜひ知っておいてくださいね。
また、気をつけてほしいのが、距離感です。人によってはプライベートの話をしたくない人もいれば、聞いてほしい人もいるからです。
たとえば、直球で「言われたら嫌なことは何?」と聞くことは基本的にマイナスです。いきなりそんなことを聞かれたら、「怖い…」と思われてしまいます…。
もし聞きたい場合は、次のように軽く尋ねるのがおすすめです。
「ほかの人が、『こんなことを言うのはパワハラだ、セクハラだ』って話していたんだけど、こんなことを言われたら『うっとうしい…』と思うことってある?」
ただし、一度で仲良くなろうとするのではなく、たくさんコミュニケーションをとり、時間をかけて関係を構築するよう意識してくださいね。
「仕事に興味がない」Z世代部下への効果的な接し方
仕事ですから、好きなことばかりをしているわけにはいきませんよね。
「この人は、どう見てもこの仕事に興味がなさそうだな……」と思っても、取り組んでもらわなければいけないことも多いでしょう。
Z世代の部下に興味のなさそうな仕事をしてもらうとき、わたしの場合は、「その人が好きなこと」に紐づけて話すようにしています。
つまり、スポーツが好きな人なら、スポーツを事例にして説明するのです。たとえば、お客様への提案内容を考えてもらうときには、こんな話をします。
「そもそも企画を提案することって、スポーツのトレーニングメニューを考えることと似ていない? この人にとっての最善のプランは何かを考えることは、オーダーメイドのトレーニングメニューをつくることと同じだから、これができるようになるとお客様に喜んでもらえるよね。いい提案ができるようになれば、どんどん仕事がおもしろくなるよ」
料理好きな人に対しては、こんな話をすることもあります。
「企画の提案と、料理のメニューを考えることって似ていると思うんだよね。冷蔵庫の食材を組み合わせて何をつくろうかと考えることは同じなの。それができるなら、企画を考えることもできるはずだよね。
考えられるようになったらもっと幅が広がりそうだし、企画内容をお客様が喜んでくれるんだよ。料理を誰かのためにつくろうと思ったら、気持ちが変わるよね。誰かを思いやれる人になったら、絶対に素敵な奥さんになると思うんだよね。がんばって、結婚相手をゲットしようよ!」
興味のないことに少しでも気持ちを向けてもらうには、まずは相手に合わせることが大切です。その人が好きなことに紐づけて話をすれば、相手も「やってみようかな」という気持ちになるのではないでしょうか。
相手が興味を持っていないことに関心を持たせようと思っているなら、まずはこちらから、相手に興味を持ってみませんか?
相手が何を好きなのかを知ることは、信頼関係を築くための大切な一歩です。上司として、まずは部下に興味を向けてください。
白附 みくる
株式会社OMOCHI代表取締役
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