【パッと見でわかる】株価が「これから上がる/これから下がる」サイン【元・大手証券マンのプロ投資家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月20日 12時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
日本株で勝つには、どうすればよいのか。本稿では、元証券マンのプロ投資家・渡部清二氏の著書『プロ投資家の先を読む思考法』(2023年12月刊行、SBクリエイティブ)より一部を抜粋し、市場の先読みをする投資判断の方法を紹介します。今回は「ローソク足」について見ていきましょう。
最低限これだけは知っておいてほしい、株価チャートの読み方
ここからは、チャートを読むのに最低限これだけは知っておいてほしいということ、そして数あるサインのうち比較的わかりやすいものに絞って解説していくこととします。
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株価チャートは基本的に、
①ローソク足
②出来高
③テクニカル分析指標
の3つで構成されています。本稿では、①ローソク足について見ていきましょう。
ローソク足を構成する4本の「値」
ローソク足は「始値(はじめね)」「高値(たかね)」「安値(やすね)」「終値(おわりね)」の4本で構成されています。終値が始値よりも上昇しているものは陽線、下落したものは陰線となります。
一応ご説明しておくと、
・始値 その日の取引で最初に成立した株価
・高値 一定期間でいちばん高い株価
・安値 一定期間でいちばん安い株価
・終値 その日の取引で最後に成立した株価
のことをいいます。
一瞥(いちべつ)しただけで一定期間の株価の動きがわかるすぐれもののローソク足ですが、その発明者は本間宗久(そうきゅう)と呼ばれる江戸時代の天才相場師だったといわれています。今では世界中で使われているローソク足が日本人の発明だったとは、同じ日本人として誇らしい限りです。
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ローソク足を見るとトレンドがわかる
図表3は、一定期間のローソク足の動きを示したものです。右肩上がりになっていれば「上昇トレンド」、右肩下がりであれば「下落トレンド」、上昇とも下落ともつかなければ「もち合いトレンド」となります。
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株の売買のタイミングで迷っているとき、このようなトレンドの動きを見れば相場がどの方向を向いているのかを知ることができます。
大底での買い転換を示す「陽の抱き線」
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買い転換したことを示すローソク足のパターンがあります。
図表4の右側のように、前日の陰線を完全に包み込むような形の陽線が出る2本のローソク足の組み合わせで、これを「陽の抱き線」といいます。安値圏で陽の抱き線が出た場合、株価が底値を打ったサインとなります。
これとは逆に「陰の抱き線」というのもあります。高値圏でこれが出た場合は、株価が天井を打ったサインとなります。
“窓”が連続して3回出現する「三空」
株価チャートでは、図表5のように前日のローソク足と当日のローソク足との間に隙間ができる場合があります。これを、株式投資の用語で「窓」と呼びます。
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右上が開いているものは、前日の終値に比べて当日の始値が大幅に上回っている場合、右下に開いているものは、前日の終値に比べて当日の始値が大幅に下回っている場合に出現します。
この「窓」が連続して3回出現する状態が、「三空(さんくう)」です。
陽線が連続して4回描かれている図表6の左側の場合、それぞれの陽線の間が開き、窓が3つ出現しています。このようなとき、強い上昇相場になっていると判断できますが、相場が過熱している状況で、4本目の陽線が高値となりやすい特徴があります。
このことから、日本古来の罫線(チャート)の中でももっとも古典的とされる「酒田五法」の中には「三空踏み上げ売りに向かえ」という格言があります。
逆に、図表6の右側のように陰線が続いて窓が3つ出現している場合には、「三空に売りなし」と言って大底をつけるとされます。
渡部 清二
複眼経済塾 代表取締役・塾長
1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券株式会社入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。26年以上継続しており、2023年秋号の『会社四季報』をもって、計104冊を完全読破。
近著に『会社四季報の達人が全力で選んだ 10倍・100倍になる! 超優良株ベスト30』(SBクリエイティブ)、『株主総会を楽しみ、日本株ブームに乗る方法』(ビジネス社、複眼経済塾としての書籍でもある)などがある。
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