【東京からマレーシアへ移住生活】タワマンの家賃2LDK11万円、広すぎる部屋をグレードダウン…現地日系不動産会社代表が教える、日本人のうらやましい生活実態
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月23日 11時15分
![【東京からマレーシアへ移住生活】タワマンの家賃2LDK11万円、広すぎる部屋をグレードダウン…現地日系不動産会社代表が教える、日本人のうらやましい生活実態](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_59745_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
節税目的の海外移住と聞けば、一部の富裕層による特別な行動だと思われるかもしれませんが、そうではありません。普通の収益を得ているフリーランスの方なら、そのメリットを大いに享受できるのです。国際弁護士の小峰孝史氏が、現地の不動産会社の取材を通じて、マレーシア移住の実情を解説します。
マレーシアの住み心地について、現地のプロにインタビュー
筆者は弁護士として、主に日本企業や日本の富裕層向けに、日本の税法等の法令を踏まえつつ香港の税制上のメリットを生かすよう、アドバイスを提供する業務を行っており、その一環として、節税を目的としたタイやマレーシアへの移住をサポートしています。
以前、フリーランスで働く人がマレーシアへの移住で「税金ゼロ」を実現する方法を紹介したところ(『フリーランスの最新節税スキーム…「マレーシア移住」で実現する、驚愕の〈税金ゼロ生活〉【国際弁護士が指南】』参照)、「そのような節税スキームが該当するのは、年間で1億円以上稼げるごく一部の人だけではないか?」とのコメントがありました。
マレーシアへの移住はハードルが高いと思われてしまったようですが、実際にはそのようなことはありません。マレーシアは日本人にとって暮らしやすい環境が整備されているほか、家賃価格も手ごろです。
今回は、現地に暮らす日本人に不動産物件を紹介している日系不動産会社の担当者から、現地の日本人の生活実態から現地の不動産事情についてお話を伺いました。回答してくれたのは、マレーシアの日系不動産会社、エリッツインターナショナルのマネージングディレクター、好井有一郎氏です。
子どものいる家族は、高級住宅街の「モントキアラ」がお勧め
小峰:クアラルンプールで日本人が多く住んでいるエリアはどこでしょうか?
好井:まず1つ目は、郊外の高級住宅地であるモントキアラ、そして2つ目は、クアラルンプールの都心部です。日本人はこのどちらかに住んでいる方がほとんどです。
小峰:モントキアラは、どのような場所にあるのでしょうか?
好井:モントキアラは、都心から約15km離れた高級住宅地です。東京駅から自由が丘や田園調布ほどの距離、と考えていただければいいでしょう。日本人も多く使うスーパーマーケットや日本料理店があり、日本人には便利なエリアです。インターナショナルスクールや、日本人向けの塾や習い事も揃っています。
小峰:それは家族連れにも暮らしやすそうですね。
好井:日本語だけでも生活できますので、お子さんと一緒にクアラルンプールへ来る方にとって、モントキアラがベストな選択肢になるでしょう。
小峰:高級住宅地でなんでも揃っているなら、完璧ですね!
好井:残念ながら、お酒を飲みに行ったり、ショッピングを楽しんだりするには、少し物足りないかもしれません。
小峰:都心に出て楽しめばいいのでしょうが、地下鉄やモノレールが通っていないから、都心に出るのは少し不便ですね。
好井:道が空いていれば、都心まで車で20分程度ですが、混むと1時間くらいかかってしまいます。運賃が安い地下鉄やモノレールがあると、低所得層が流入するため、あえて作らないともいわれています。
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単身者やカップルに適しているのは、クアラルンプールの都心部
小峰:もうひとつの日本人居住エリアである都心部のほうはどうでしょうか?
好井:お子さんと一緒に暮らすならモントキアラがお勧めですが、単身やカップルの方は都心のほうが楽しめます。
小峰:おすすめのエリアはありますか?
好井:クアラルンプールでいちばんの繁華街、ブキッビンタン駅周辺に行きやすいエリアがお勧めです。高級レストランがある一方、近くには大規模な屋台街もあり、日本食の店も多いので、食事やお酒を楽しむにもぴったりです。また、ルイ・ヴィトンやエルメスといった高級ブランド店から、伊勢丹やDON DON DONKI(ドン・キホーテ)まで揃っており、ショッピングを楽しめます。DON DON DONKIでは、生鮮食品や日本から輸入した食材も比較的安く販売されており、使い勝手がいいと思います。
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設備の整ったタワマンも「家賃11万円~」とお手頃
小峰:モントキアラも都心も、それぞれのよさがありますね。気になるのは家賃なのですが、どのくらいでしょうか?
好井:モントキアラはファミリー向けの物件が多く、2ベッドルーム以上の部屋がほとんどです。1ベッドルームの部屋はあまりありません。建物の新しさやロケーションによって家賃は変わりますが、2ベッドルームの部屋で、3,500リンギット(約11万円)からあります。
小峰:モントキアラ在住の日本人は、駐在員の方が多そうですが、どれくらいの家賃の部屋に住んでいるのでしょうか?
好井:家賃補助で8,000リンギットくらい出ている会社が多いためか、8,000リンギット(約25万円)くらいの部屋に住んでいる人が多いと思います。この価格帯なら、かなり築浅で広い物件があります。タワマンもあります。
小峰:タワマンというと、いろいろな設備を期待してしまうのですが?
好井:スポーツジムとプールは、どのコンドミニアムにもありますし、セキュリティの方も常駐していますので、快適で安全な生活を楽しめます。
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小峰:都心のほうはどうでしょうか?
好井:都心は単身やカップルの方が多いので、1ベッドルームの部屋も豊富です。建物の新しさやロケーションで家賃は変わりますが、1ベッドルームの部屋で、2,500リンギット(約8万円)からあります。都心でも、スポーツジムとプールはどのコンドミニアムにもあります。
小峰:では、家賃を高くすれば、よりアッパーな暮らしを楽しめるのでしょうか? 上を見ればキリがなさそうですが…。
好井:そうですね。家賃1万リンギット(約32万円)くらいの部屋に住んでいる方が、契約更新のときに「部屋が広すぎて使いきれない」という理由で、家賃8,000リンギット(約25万円)くらいの部屋に移ることもあります。家賃8,000リンギットくらいの部屋を選ぶのが、いちばん満足度が高いと思います。
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物価の安さ、複数の民族が共生する寛容な社会に魅力
小峰:セミリタイヤの方などは、海外赴任の方とは違い、あえてクアラルンプールを選んで移住するわけですが、シンガポールやバンコクと比べ、クアラルンプールが選ばれる理由はどこにあるのでしょうか?
好井:マレーシアやシンガポールとは物価水準が違いすぎますので、これらの国と比較する方はいらっしゃらないと思います。しかし、バンコクと比べてクアラルンプールを選んだという方は結構いらっしゃいます。
小峰:なるほど。
好井:個人的には、食事はマレーシアよりタイの方がおいしいと思います。しかし、マレーシアには、マレー系・中華系・インド系が共存しながら社会がまとまっている、多様性から来る寛容さがあります。マレーシアに好感を持って暮らし始め、暮らし始めてからますますマレーシアが好きになるという方が、たくさんいらっしゃいますよ。
無理して東京に暮らすより、国外でゆったりできるのなら…
現地の日本人の生活ぶりをよく知る好井さんに、マレーシアでの生活について伺いました。
日本語が通じる場所が多く、教育環境も整い、家賃や生活費も手ごろに押さえられるとなれば、家族連れが暮らすにも安心です。
都内の一等地に家を構えて暮らすよりも、生活費が安く、かつ伸び伸びと過ごせる環境が揃っているのであれば、シンガポールへの移住も、有力な選択肢となるかもしれません。
小峰 孝史 小峰 Investments マネージング・ディレクター・弁護士
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