いつまでこの会社にいるつもり?42歳・大卒サラリーマン〈同期の退職組〉に転職を勧められるも「自分は手遅れ」と自虐【勤続20年目の給与額】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月2日 7時15分
年功序列の日本型の給与体系が崩れ、いまや転職を繰り返しながらキャリアアップ&給与アップを狙う時代。ずっと「長く勤めること」はなしなのでしょうか。勤続年数ごとの給与の変化をみていきます。
スタートラインは同じだったが…すでに退社した同期の成功が眩しすぎる
4月から社会人として第一歩を踏み出した新入社員。新しいことの連続に心も身体も疲れているころ、辛い時期を乗り越えるためにも「同期」の存在は特別です。もしかしたら、すでに配属が分かれ、顔を合わすこともほとんどない、という人もいるかもしれませんが、「同期のあいつも頑張っているのだから」と唱えれば、不思議と力が出てくるものです。
そんな特別な関係にある「同期」。長いサラリーマン人生において、いつまでも特別な存在であり続けるようです。久々に同期のメンバーで飲んだことを報告する、42歳のサラリーマンだという男性もそう。集まった同期入社の5人のうち、いまなお、入社時の会社に勤務するのは男性だけで、ほかの4名はすでに転職してしまったとか。お互い別々の道に進んだとはいえ、同期という不思議な縁、年に1~2回は集まり、近況報告&昔話に花を咲かせています。
ところが、今回、話の中心となったのは男性の行く末。大学を卒業し、入社した会社はすでに勤続20年目。それに対し、新卒5年目、今回集まった同期メンバーで初めての転職するものが現れ、30代の前半までには残り3人も転職で会社を去りました。
転職していった4人はその後も転職を繰り返したものもいるものの、全員が順調にキャリアを重ねています。
――お前はいつまでここにいるつもり?
――天井が見えているだろ
――このままで満足なのか?
――早く脱出したほうがいいんじゃない?
同期メンバーから、矢継ぎ早に転職を勧められ、「そう言われても……」「こちらはこちらの事情もあって……」と返すのが精一杯だったといいます。
飲み会もお開きとなり、お会計となったとき。「ひとり6,000円」と割り勘になるはずだったのが、会計係から「OOくんから1万円余分にいただきましたぁ」と掛け声。結局、残りの4人は1人3,500円ほどで済んだといいます。多く払ってくれた同期からは「大丈夫、大丈夫、今回のボーナス、多かったから」と余裕の笑み。男性は「ありがとう。さすがだね……」とお礼を言いつつも同期との差を痛いほど感じ、「自分はもう、手遅れなんだな」と、自虐のひと言をポツリと呟いたといいます。
転職で給与アップを実現は4割弱…なら長く勤めるほうがメリットが大きい⁉
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの平均給与は、月収で40.8万円。これを勤続年数ごとにみていくと、勤続年数が長くなるほど、平均給与は右肩上がり。年功序列の日本らしい結果になっています。
【勤続年数別・大卒サラリーマンの平均月収】
勤続0年:31.9万円
勤続1~2年:32.5万円
勤続3~4年:33.0万円
勤続5~9年:35.7万円
勤続10~14年:40.1万円
勤続15~19年:44.2万円
勤続20~24年:48.1万円
勤続25~29年:51.1万円
勤続30年以上:54.4万円
40~44歳と40代前半に限り、勤続年数ごとの平均給与をみていくと、平均は42.4万円。勤続1年未満では40.8万円。転職したタイミングなどもあるのでしょう。きれいな右肩上がりとはいいにくい結果です。仮に男性が勤続20年の平均月収「48.1万円」を手にしているとすると、そこから勤続1年未満の平均「40.8万円」へと給与減になる可能性は、決して低くないでしょう。
【勤続年数別・40代前半の大卒サラリーマンの平均月収】
勤続0年:40.8万円
勤続1~2年:42.7万円
勤続3~4年:41.4万円
勤続5~9年:39.0万円
勤続10~14年:40.7万円
勤続15~19年:42.6万円
勤続20~24年:47.2万円
また厚生労働省『令和5年上半期雇用動向調査』で、転職入職者の賃金変動状況をみていくと、転職により給与アップを果たしのは38.6%。さらに1割以上の給与アップとなったのは27.2%でした。一方、減額となったのは33.2%。さらに1割以上の減少となったのは25.8%。誰もが「転職で給与アップ」を目指したいところではあるものの、現実的に給与アップを実現しているのは4割弱にとどまります。
男性が働く会社。初任給こそは業界水準を上回っているものの、その後、給与はそこまで伸びず、40代を迎えるころには業界平均以下、ということは、30代のうちから分かっていました。転職を考えたことは一度や二度はありますが、自身の家族の生活や住宅ローンの返済を考えると……たとえ給与が業界平均以下だとしても「転職による給与減」のリスクを犯してまで給与アップを目指すことが正解なのか。答えを出せないまま、勤続20年目を迎えてしまったといいます。
このまま定年まで勤め上げ、しっかりと退職金をもらう。そんなサラリーマン人生も無難に生きてきた自分にふさわしいと、最近は思い始めているところだといいます。
[参考資料]
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