「電話!? どう出るんですか?」「はぁ!?」…月収23万円の〈若手社員〉電話の取り方分からず、〈40代・中堅社員〉困惑
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月7日 7時15分
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昨今、コミュニケーションの手段は大きく変わり、「そういえば、電話をする機会がめっきり減ったなぁ」と感じることも多いのではないでしょうか。その弊害というべきことが職場では起き、ジェネレーションギャップとして軋轢を生んでいることも。みていきましょう。
職場で鳴っている「電話」、出てますか?
――おーい、電話が鳴ったら出てくれよ
――電話⁉ どうやって出るんですか?
――はぁ⁉
若手社員の想定外の返答に、耳を疑う先輩社員。
――昔は、3コール以内に若手が電話に出ないと、すげー怒られたもんだけどな
特に自身の若手時代と比較しがちな40代中堅社員には、電話に出ない若手社員に対する不満は大きいようです。
若い世代ではSNSのチャットなどでコミュニケーションが主流で、電話で話す機会が極端に減少。社会人になったものの「電話の出方が分からない」というのは笑い話ではありません。低い経験値は、電話に対する拒否感にもつながっているよう。株式会社ソフツーが行った『電話業務に関する実態調査』によると、「電話に対して苦手意識を感じていますか」の問いに対して、「感じる(「とても感じる」「やや感じる」の合計)」は57.8%。さらに「20代」では74.8%、「30代」では64.0%と、電話に対して苦手意識をもつ若手社員は多いことがわかります。
しかし「いまどき電話なんて……」と思っているのは、若手社員だけではないようです。「オフィスで固定電話が鳴ると不快に感じるか」の問いに対して、44.8%が「不快」と回答。さらに「不快」と回答した人にその理由を尋ねたところ、最多は「手を止めて対応する必要があり、集中力が途切れ業務効率が悪い」で50.8%。年代別では「40代」が最も多く69.8%。中堅社員、電話を取り次ぐことも多いからでしょうか。20代においては、「業務効率が悪い」が43.0%に続き、「自分の知識で正しく回答できるか不安」が41.4%、「上司にうまく取り次ぎできるか不安」が27.3%と、ここでも経験不足による電話への抵抗感が滲む結果に。
さらに「所属する部署で1日に1人あたりが取る電話の回数はどれくらいですか」の問いには、全体では平均7.4回。年代別にみていくと、「20代」が5.8回、「30代」が5.8回、「40代」が6.6回、「50代」が12.7回。「50代」が突出して多いものの、他の年代はそれほど大きな差はありません。これも時代の流れなのでしょうか。
出世欲がない、プライベートを優先しがち…「若手社員への愚痴」、本音は…
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、「大学の新規学卒者の平均給与」は2023年23.7万円。この数年の変化をみていくと「2020年」は22.4万円、「2021年」は22.5万円、「2022年」は22.8万円と、昨今の物価高を背景に大きく上昇しました。
そんな若手社員の給与水準に、「俺が新卒だったころは、月収18万円くらいが平均だったなあ」と感慨深く語るのは、40代くらいの中堅社員でしょうか。20年あまりの間に、新卒社員の給与は4万~5万円ほど上昇。2024年はさらに増えそうです。
電話にしても、給与水準にしても、さまざまなシーンでジェネレーションギャップを感じるサラリーマンの世界。さらに昨今の若手社員の意識についてみていきましょう。
BIGLOBEが行った『若年層の働き方に関する意識調査』によると、「出世欲」についての質問については「出世したい*」が「18歳~24歳」が54.9%、「25~29歳」が36.4%。それに対し、40代は28.0%。「いまどきの若者は出世欲がない」といわれるものの、実は中堅社員よりも上昇志向が強いことが分かります。むしろ中堅社員の出世欲の低さは、先を察していることの表れでしょうか。
*「あてはまる」「ややあてはまる」の合計
同じように「最近の若者は仕事よりもプライベートを優先しがち」という愚痴もよく耳にしますが……「仕事のやりがいよりも普段の生活を重視したい」に対して「あてはまる」と回答したのは、「18~24歳」で78.3%、「25~29歳」で78.8%。それに対して40代の中堅社員は76.0%。ほとんど差はありません。本音としては全世代「プライベート>仕事」なのでしょう。
こうしてみていくと、「意識」の部分では、電話にしても働き方にしても、それほど世代による差はないように思えます。それが若者への愚痴になるのは、実際に本音の部分が行動に現れるかどうかの差に過ぎないのかもしれません。
[参考資料]
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