“個別株投資はインデックスファンドの長期保有に勝てない”という定説があるが、「そうとは限らない」理由【株式投資のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月19日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
個人投資家が、個別株式投資で「インデックスファンド」に勝ち続けることは難しいといわれています。手数料の安いインデックスファンドを買って永久に保有し続けるのが最善だという意見もあります。しかし、これに対して「必ずしもそうとは言い切れない」と、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。それは一体なぜなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
インデックスファンドに勝ち続けられる個人投資家はいない?
日経平均株価やS&P500などの株価指数に連動した投資信託をインデックスファンドといいますが、それとは対照的に、ファンド運用者が独自の判断によって個別株などを売買する投資信託を、「アクティブファンド」といいます。
そして、インデックスファンドに勝ち続けられるアクティブファンドがほとんどないことから、手数料の安いインデックスファンドを買って永久に保有し続けるのが最善だ、という意見があるようです。
しかし、インデックスファンドに勝ち続けられる「個人投資家」ならば、少数かもしれませんがめずらしくはないのではないでしょうか。個人投資家の中には、インデックスファンドを超える運用成績を収めていることで知られる人もいます。
また、メディアに出ず世間には知られていなくても、インデックスファンドを超える成績を収めている人もいるでしょう。アクティブファンドがインデックスファンドに勝ち続けられないだけで、個人投資家となるとまた事情が異なるのではないでしょうか。
個人投資家がインデックスファンドよりも有利な点
また、インデックスファンドの永久保有では得られない利益もあり、個人投資家はそれを得ることで、インデックスファンドよりも優位に立つことができます。
その1つは、相場全体が高い時に売って現金を作っておくことです。そうすれば、相場全体が下落したときに安い株を多く買うことができます。しかし、インデックスファンドの永久保有では、それはできないでしょう。
2つめは、株価下落局面で「空売り」によって利益を出すことです。空売りとは信用取引の一種で、株を借りて売り、売った価格より安い価格で株を買い直して期限までに返し、差額を利益にする手法です。インデックスファンドの永久保有では株価下落時に損失を被るだけですが、個人投資家は空売りによってその局面でも利益を得ることが可能なのです。
3つめは、集中投資によって大きな利益を得ることです。インデックス全体を上回る成長を遂げる少数の企業に集中的な投資をすれば、インデックスを上回るのは当然でしょう。インデックス投資は極端な分散投資といえますが、うまくいけば集中投資の方が利益は出るのです。
個別株投資にチャレンジしてもよいのでは
インデックスファンドに勝ち続けられる「個人投資家」ならば、少数かもしれないがめずらしくないのではないでしょうか。そもそも個人投資家には、アクティブファンドよりも有利な点があります。
また、インデックスファンドの永久保有では得られない利益もあり、個人投資家はそれを得ることで、インデックスファンドよりも優位に立つことができます。
あくまで「うまくいけば」の話ですし、インデックスファンドの永久保有も悪い方法ではないのでしょうが、個人投資家の皆様は、個別株投資にチャレンジしてもよいのではないでしょうか。
川合 一啓 株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
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