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後悔しています…日本年金機構から届く〈青・黄・赤色の封筒〉を20年以上無視していた貯蓄3,000万円・58歳男性の嘆き【CFPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月14日 11時15分

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日本に住所がある20歳以上60歳未満の人には国民年金保険料を納付する義務があり、これを怠ると、日本年金機構から催告状が届きます。では、催告状が届いても納付しないまま放置していると、どうなるのでしょうか。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役でCFPの井内義典氏が、公的年金の仕組みと将来の年金受給額を増やす方法について、具体的な事例を交えて解説します。

老後に年金をもらえるかわからないし…保険料を払わなくなったAさん

58歳の個人事業主Aさん(男性)は、妻Bさん(55歳)と同じ世帯で暮らしています。Aさんは、大学卒業から30代前半までは会社員として働いていましたが、その後独立して個人事業主となりました。

独立してからは第1号被保険者として国民年金に加入しているものの、「老後に年金をもらえるかわからないし、だったら自分で貯金しておこう」と考えるようになり、国民年金保険料を納付しなくなったそうです。

日本年金機構から国民年金保険料納付について催告状や特別催告状が届いていましたが、Aさんはそれらをすべて放置。しかしある日、年金機構から「最終催告状(差押え予告)」が……このままでは、Aさんが苦労して貯めた3,000万円をはじめ、車や保険など、あらゆる資産が差し押さえられてしまいます。Aさんは差押えという「最悪の末路」を回避するため、知り合いである筆者のもとへ相談に訪れました。

「国民年金保険料の未納者」の末路

個人事業主など国民年金第1号被保険者(20歳以上60歳未満)には国民年金保険料の納付義務があり、その保険料は月額16,980円(2024年度)となります。

Aさんは事業も順調に進んでいたことから、約3,000万円の貯蓄ができていました。しかし、毎月納付しなければならないこの国民年金保険料の未納があると、年金機構から「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」(ハガキ)が届くようになり、それでも未納を放置していると、こんどは特別催告状が届くようになります。これらの通知で、過去2年間に未納状態となっている保険料について納付が促されるのです。特別催告状は封書で届き、その色は青色、黄色、赤色がありますが、Aさんはそれらが届いても引き続き無視を決め込んでいました。

しかし、特別催告状も放置していると、今度は最終催告状が届くことがあり、Aさんにはこの最終催告状が届いてしまったというわけです。最終催告状には、定められた期限までに納付しない場合、財産を差し押さえる旨が記載されています。

最終催告状の期限までに納付しなければ、その後に督促状が届き、その督促状が届いても納付しなかった場合、年金機構は差し押さえるべき財産の調査を行って「差押予告通知書」を送付し、いよいよ差押えが実行されることになります。

差押えは、預貯金や不動産、自家用車、加入している生命保険などがその対象になります。また、督促状に定められた期日までに支払わないと、国民年金保険料について、遅れた日数分の延滞金が発生することになります。

なお、国民年金保険料の連帯納付義務者(世帯主や配偶者)がいる場合、連帯納付義務者に対しても督促状が送付され、財産の差押えの対象にもなります。つまり、妻であるBさんも督促や差押えの対象になるのです。「まさかこんなことになるとは……なにかいい解決策はありませんかね」と嘆くAさん。

最終催告状には、納付の意思がある場合、年金事務所の窓口に相談することも記載されています。筆者からの回答としては「Aさんは至急、年金事務所の国民年金の窓口へと相談に行くこと」です。すぐに保険料を納付すれば、差押えも避けられることでしょう。

Aさんは対象外だが…年金は「保険料の免除」を受けられることも

Aさんは大急ぎで年金事務所に行き、指定された保険料を納付したことで、なんとか差押えを免れることができました。「助かった……」と、とりあえずは安心した様子のAさん。

Aさんは所得も高かったため、保険料をそのまま納付しなければなりませんが、AさんおよびBさんの所得が少なかった場合は「保険料の免除」を受けられることがあります。免除を受ける場合は申請をする必要があり、免除の対象になる場合は過去2年分遡って申請することが可能です。

納付も免除申請もせず放置し、その結果「未納期間」として確定した場合、将来の年金にも影響します。

老齢基礎年金の支給額は、40年間(20歳~59歳まで)納付すると年間81万6,000円(2024年度の68歳以下の場合)です。しかし、未納期間分の年金は0円で計算されます。つまり、未納が多いほど年金額が少なくなってしまうのです。

Aさんには約3,000万円の貯蓄があるものの、当然、収入がなければ貯蓄は減るばかり。しかし、原則65歳から支給される老齢基礎年金は、どれだけ長生きしても生涯受給できます。これが公的年金制度の大きな強みです。

今まであまり考えてこなかった年金制度の話を聞いたAさんは「こんなことならはじめからきちんと納めておけばよかった……若いころの安易な判断をすごく後悔しています」と反省。そして「いまさら虫のいい話かもしれませんが、将来の年金受給額を増やす方法はありますか?」と、筆者に尋ねました。

「付加年金」「60歳以降の任意加入」で将来の年金受給額アップ

Aさんは58歳。国民年金は60歳になるまで加入義務がありますが、これから国民年金保険料(2024年度:月額16,980円)に併せて付加保険料(月額400円)を納付すれば、老齢基礎年金だけでなく付加年金(付加保険料1月納付につき年額200円)も増やすことができます。

また、現行制度上、60歳以降は国民年金に加入義務はありませんが、任意加入することもでき、引き続き国民年金保険料及び付加保険料を納めれば年金額が増えます。過去の未納期間が多かったAさんの場合、60歳から65歳までの5年間の任意加入が可能です。国民年金保険料と付加保険料あわせて60ヵ月分となると100万円以上かかりますが、将来の老齢基礎年金は年額10万2,000円、付加年金は年額12,000円それぞれ増額できるため、検討の余地はあるでしょう。

また、現在Aさんは個人事業主ですが、法人化することで厚生年金に加入する方法もあります。もっとも、法人化のメリットやデメリットは年金以外にもさまざまであるため、その点も含めて慎重な検討が必要です。

年金制度について基本的な知識を得たことで、不安が軽減されたAさん。「これからは保険料をきちんと払いながら、将来の年金受給額を増やすことに努めたい」と話してくれました。  

井内 義典 株式会社よこはまライフプランニング 代表取締役

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