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【景気の予告信号灯】金沢兼六園の入園者数は「過去最多」、五稜郭タワーは「4月としては最高」に【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月9日 8時0分

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(※画像はイメージです/PIXTA)

今回紹介する「景気の予告信号灯としての身近なデータ」は、金沢兼六園の入園者数、函館・五稜郭タワーの入場者数、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』です。さっそく見ていきましょう。※本連載は宅森昭吉氏(景気探検家・エコノミスト)の『note』を転載・再編集したものです。

金沢兼六園、24年4月の入園者数は「初の60万人台」

~3ヵ月連続「前年比マイナス」からの大逆転。増加要因は…

4月の金沢兼六園の入園者数は月次データとして初の60万人台の63万3,450人、前年同月比は100.0%(99.98%)と倍になりました。筆者が金沢城兼六園管理事務所に毎月電話で確認している月次データで、2000年以降では17年4月の59万8,921人を上回り、過去最多となりました。

金沢兼六園の入園者数は1年の中でも桜の季節の3月・4月は多い傾向があります。昨年は桜の開花日が3月23日と平年の4月3日と比べてとても早く、23年3月の入園者は48万2,810人と3月として最高でした。今年24年3月は、能登半島地震の影響が月初にはまだ残る中、桜の開花が4月1日だったためお花見目当ての入場者が少なかったことも影響し、入園者は16万4,152人、前年同月比▲66.0%と3ヵ月連続の減少になりました。

3月と4月の合計では、24年は79万7,602人で23年の79万9,560人、前年比▲0.2%とほぼ同水準でした。23年・24年は16年83万6,640人、17年82万5,996人に次ぐ高水準です。

金沢兼六園の好調ぶりは、3月の景気ウォッチャー調査と整合的

~3月調査での「桜」「北陸新幹線」「外国人orインバウンド」の先行き判断DIと合致

4月の金沢兼六園の入園者数の好調さは、3月の「景気ウォッチャー調査」と整合的だと思われます。今年は桜の開花が、寒の戻りで概ね平年より遅れました。3月「桜」関連DIの現状判断は58.3でしたが、先行き判断DIは67.9で景気判断の分岐点50を大きく上回っていました。

期待されていた北陸地方を支援する動きの効果も出たようです。3月では「応援割」関連・先行き判断DIは68.8、また3月16日に金沢―敦賀間が開業した「北陸新幹線」関連・先行き判断DIは70.0でともに大幅な50超でした。北陸地方の旅行が注目される中、金沢も改めて注目されたと思われます。

「外国人orインバウンド」先行き判断DIは、23年10月49.9から、11月は、58.1と上昇、12月60.4、24年1月61.4、2月64.1、3月67.6と4ヵ月連続60台で上昇推移してきました。

これらの先行き判断DIの動きと、好調な4月の金沢兼六園の入園者数は整合的だと思われます。

JTBによる「ゴールデンウィークの旅行動向見通し」

~2024年ゴールデンウィークの国内旅行・旅行者数は「前年並み」の見込みだが…

ゴールデンウィーク(4月25日~5月5日)の旅行動向見通しを毎年JTBがまとめています。この調査は1969年より継続的に実施されているもので、1泊以上の日本人の旅行について、各種経済動向や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから、JTBが推計したものです。今年の調査実施期間は24年3月7日~13日でした。

国内旅行・旅行者数が2,280万人、前年比+0.9%。海外旅行・旅行者数が52万人、前年比+67.7%と見込まれていました。国内旅行・旅行者数は、株価高騰の好条件がある一方で、物価高騰の影響もあり前年並みと見込まれていました。また、海外旅行・旅行者数は、前年より大幅な上昇率ですが、新型コロナウイルス流行前の19年の56%にとどまっています。なお、旅行意欲は高めですが、旅行費用の高騰を受け、行先は近場が多いとされていました。

五稜郭タワーの入場者数は堅調推移。4月としては最高の数値に

~24年4月は10万3,165万人。『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』も後押し

前年並みの国内旅行・旅行者数が見込まれていたゴールデンウィーク前半を含む4月の観光地の観客数が徐々にわかってきています。前年同月比でマイナスになったところもある一方、金沢兼六園のように高い増加率になったところもあります。

函館の五稜郭タワーの入場者数は、3月として過去最高となった3月5万9,116人、前年同月比+4.6%に続き、4月も10万3,165万人、前年同月比+13.1%と堅調に推移しています。

なお、函館の五稜郭タワーの入場者数が好調なのは、インバウンドに比べて、人気映画の影響もありそうです。アニメ『名探偵コナン』劇場版最新作・シリーズ27作目は、函館を舞台に服部平次と怪盗キッドが激突するストーリーの『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』(4月12日公開)で、興行収入が好調です。

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』は、公開1日で観客動員数63万人、興行収入9.6億円を突破。シリーズ歴代NO.1ヒット作の前作『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(23年4月14日公開/興行収入138.8億円)に比べて+12%の増加でした。公開25日間で観客動員数845.3万人、興行収入120億9900万円を記録しています。

※本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。

宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。

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