「きみ、大阪に転勤ね」「なら会社辞めます」「えっ⁉」42歳〈月収40万円〉サラリーマン、転勤を断固拒否!一転、快諾した理由とは?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月10日 7時15分
もし「転勤してください」と内示が出たら、どうしますか? 「よし、新天地でも頑張るぞ!」と前向きな人、「サラリーマンだから仕方がない」と諦める人、なかには「転勤しなければならないなら、会社を辞めます」と辞表を出す人も珍しくないでしょう。ただ実際は「その条件であれば……」と転勤話を受け入れるとしています。どのような条件なのでしょうか。みていきましょう。
日本企業の4割、大企業であれば8割が「転勤あり」
人事院が行った『令和4年民間企業の勤務条件制度等調査』によると、転居を伴う転勤が「ある」企業は43.2%企業規模別にみると、企業規模が大きくなるにつれて転居を伴う転勤が「ある」企業の割合は高くなり、「従業員500人以上」の企業では77.7%、「従業員100~499人」の企業で48.9%、「従業員50~99人」の企業で24.1%。日本のサラリーマンの4割、大企業に限ると8割近くが、転勤の可能性があるなか働いています。
ある日、上司に別室に呼び出され、ひと言。
――実は、君に大阪支社への転勤の話が出ているんだよ
さて、みなさんは、なんて答えますか?
エン・ジャパン株式会社が行った『転勤に関する調査(2024年版)』によると、「もしあなたに転勤の辞令が出た場合、退職を考えるキッカケになりますか?」の問いに対して、69%*が「なる」と回答。「なる」の回答について年代別にみていくと、「20代」が78%、30代が「75%」、40代が「64%」と、若い世代のほうが、転勤への抵抗感が強いことが分かります。
*「なる」44%、「ややなる」25%の合計
また「転勤の辞令によって、実際に退職をしたことがある」と回答したのは31%。「転勤の話が出ているんだが……」「転勤しなきゃいけないなら、この会社辞めます」と、実際に行動に移した人は、3割にのぼります。
さらに「もしあなたに転勤の辞令が出た場合、どう対処しますか?」の問いに対して、「承諾する」は8%、「条件付きで承諾する」が42%、「条件に関係なく拒否する」は21%。
転勤は絶対NG……その理由は? 最も多い意見が「配偶者の転居が難しいから」で40%。続いて「持ち家があるから」が34%。「子育てがしづらいから」29%、「親の世話・介護がしづらいから」28%、「荷造り・引越しが面倒だから」24%、「新しい土地に鳴れるのが大変」21%、「新たな人間関係を築くのが大変」13%、「結婚しづらいから」5%と続きます。
サラリーマンが「転勤してもいいですよ」という条件とは?
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大企業(従業員1,000人以上)に勤務するサラリーマン(平均年齢42.3歳)の平均給与は月収で40.8万円、年収で710.2万円。そんな彼らが……
――きみ、7月に大阪支社に転勤ね
――転勤しなければいけないなら、この会社、辞めます
――えっ⁉
転勤話に対して、このような結末になっていることも多い現状。しかし「まあ、話だけ聞けよ」と上司に促され、転勤の詳細を聞いたあと「分かりました、その条件なら転勤を受け入れます」と回答。一度は拒否した転勤話にも関わらず、どのような条件であれば首を縦に振るものなのでしょうか。
前出のエン・ジャパンの調査に戻り、「条件付きで転勤を承諾する」と回答した4割の人が、どのような条件であれば転勤話にOKするのか、聞いたところ、最も多い意見が「家賃補助や手当てが出る」が72%。続いて「リモートワークが可能」が51%。「昇進・昇給が伴う」45%、「やりたい仕事ができる」44%、「転勤先を選択できる」43%、「転勤期間が決まっている」42%と続きます。
さらに人事院の調査によると、社宅がある企業は41.6%。そのうち自社保有の社宅があるのは36%、借り上げの社宅があるのは80.7%。ではその家賃は? 自社保有社宅の場合は平均1万4,651円、借上げ社宅の場合は1万8,184円。企業側が7~8割ほど負担し、その分、従業員には安く住まいを提供しています。
さらに転居を伴う転勤があり、世帯用社宅がある企業に限ると、自社保有社宅の場合、55平米未満の住まいで平均家賃は1万9,626円。ファミリータイプの80平米以上で2万0,047円。借上げ社宅の場合、55平米未満の住まいで平均家賃は2万5,000円。ファミリータイプの80平米以上で3万4,595円。
さらに借上げ社宅で「エアコンあり」が79.3%、「温水洗浄便座あり」は56.7%、「浴室乾燥機あり」は23.3%、「室内物干し設備あり」23.0%、「インターネット完備」42.6%。十分な設備を備えた社宅も珍しくはありません。
家計に占める住居費の割合は結構なもの。そこをグッと抑えることができれば、将来に向けての資産形成も有利になります。転勤を承諾か、それとも転勤を拒否か……両天秤にかけて「ぜひ転勤します!」と答えても不思議ではないほど、魅力的な条件をチラつかせている企業も多いようです。
[参考資料]
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