親が万が一の時の「生命保険金」…中学生になった子どもへ、上手く伝える方法【FPママが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月26日 16時15分
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※画像はイメージです/PIXTA
子どもが中学生になれば、ある程度精神も自立してきます。親に万が一のことが起きた時のお金のことについて、話し合いをしておくことは、親にとっても子どもにとっても大切です。本記事では、FPオフィスライフ&キャリアデザイン代表の山内真由美氏の著書『FPママの親と子で学ぶお金のABC:13歳からのマネーのレッスン本!』から、「万が一の時」について親子で話すべきポイントを解説します。
「親が万が一のとき」の保障…親子で話すべきことは?
父「定期死亡保険(生命保険)の更新時期だ」
母「公的遺族年金や会社からの死亡退職金、そしていまある貯蓄では足りない分は、民間の保険で用意しないとね」
子「何なに? なんの話?」
母「パパに万が一のことがあったときに、いくらお金が必要かっていう話」
子「大事な話だね。いくら必要か計算するにはどうしたらいいの?」
母「出ていくお金は、遺族の生活費と子どもの教育費とお葬式代」
子「うちはいくらなの?」
母「遺族の生活費は、パパの分を抜くと月30万円×12=年360万円は必要。あと教育費は高校と大学の分、800万円×2人で1600万円。お葬式代で200万円かな。住宅ローンが終わっているから少しラクだね。入ってくるお金は、遺族が働いて得る収入、公的遺族年金、勤め先からの死亡退職金」
子「収入はどうやって計算するの?」
母「公的遺族年金は、18歳未満の子どもがいれば、遺族基礎年金がもらえて、子ども2人だから年間約125万円。パパは会社員だから遺族厚生年金ももらえる。うちの場合は合算すると年170万円くらい。18歳以降、遺族基礎年金がなくなると、年100万円くらい」
子「大学時代の生活が厳しいね」
母「遺族の生活費は年360万円くらいだそうだけど、ママの収入が年に200万から260万円ぐらい確保できたら、公的年金と合算すると、生活費はなんとかなるね」
子「あとは教育費とお葬式代だね」
母「死亡退職金は勤続30年を超えているから、最低でも600万円はあるかな? 教育費は学資保険で400万円あるから、合計1000万円。だからあと800万円は必要だね」
子「800万円あるの?」
母「うん、あるよ。でも、ママの老後のお金や家の修繕費の分、そして少し余裕の分として民間の保険を検討するよ。掛け捨て型の定期保険で、大学卒業までの期間だけ、死亡保険金を用意しようと思う」
子「掛け捨て型の保険って?」
母「保険の期間を決めて、そのあいだだけ死亡保障を確保する保険だよ。期間中に保険金を払うことが起こらなければ、何も受けとれないけど。ちなみに、一生涯の死亡保障をするのが終身保険。死亡時には死亡保険金、その前に解約すると解約返戻金としてお金が受けとれる。必ずお金が受けとれるから、貯蓄型保険とも呼ばれるよ」
子「貯蓄型保険のほうが、お金を確実に受けとれるからいいんじゃないの?」
母「その分、保険料が高いの。どちらがいいかは考え方しだい。うちは少ない掛金で、必要な時期だけ保障が欲しいから、掛け捨て型(定期)保険を選んでる。ちなみにママも掛け捨て保険で、死亡時の保険金が400万円のものに入っているからね」
子どもに学んでほしい点は…
パパやママに「もしものことがあったら」なんて考えたくないけど、お金の話は大事なことだから、親子で共有しておこうね。とくに教育費は大きなお金が必要になるよ。国公立の学校と私立の学校ではかかる金額が大きく違う。
もしものことがあっても、親は頑張って教育費を確保してくれると思うけど、子どももできるだけ勉強して、国公立に進学できる学力をつけておこう。
おうちの方へ、アドバイス…
死亡保険金額を決めるときには、何にいくら必要か見積もりをしてみましょう。そのすべてを保険で用意しなくても大丈夫。
たとえば、遺族基礎年金は子のある配偶者が受けとる場合、約79.5万円+子の加算(1人目・2人目が1人あたり約22.9万円、3人目以降は約7.6万円。2023年現在)です。仮に子ども2人だと、年間約125万円、月10万円ほど受けとることができます。
これに会社員の場合、遺族厚生年金が上乗せになります。遺族厚生年金は、死亡した人の老齢厚生年金の4分の3の額です。「ねんきん定期便」を確認したり、公的年金シミュレーターを使って、老齢厚生年金の見積もりをして、いくらになるか計算してみましょう。
さらに死亡退職金や預貯金等がある場合は、保険金額(保障額)を少なくできます。そして、子どもの成長とともに必要な額は減ります。
また、自宅を購入した場合も、団体信用保険で住宅ローンの返済ができるなら、その分は不要となります。何となく不安だからといって、必要以上に用意するのはもったいないですよ。死亡保険は定期的に見直して、そのときの状況にあった金額にしましょう。
山内 真由美
FPオフィス ライフ&キャリアデザイン
代表
ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント
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