月収38万円・38歳のサラリーマン、初めてみた〈ねんきん定期便〉に目が点「年金、少なっ!」…失望が一転、歓喜の〈年金受取額〉
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月13日 9時45分
![月収38万円・38歳のサラリーマン、初めてみた〈ねんきん定期便〉に目が点「年金、少なっ!」…失望が一転、歓喜の〈年金受取額〉](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_60251_0-small.jpg)
毎年、誕生月に届く「ねんきん定期便」。封書で届くときもありますが、基本的に圧着ハガキで届きます。ペリっとはがして中を見ればいいだけなのに、なぜか、面倒とそのままポイッと捨ててしまう人も。しかし、資産形成を進めるうえで、ぜひ1年に1回は確認しておきたいもの。そこで、ねんきん定期便の見方や注意ポイントをみていきましょう。
毎年「ねんきん定期便」をチェックしていますか?
高齢者の生活を支える公的年金。しかし少子高齢化の進展とともに財政が厳しくなり、将来は減額が既定路線。「どうやら、老後は年金だけで生活をすることはできないらしい……」と、それぞれに自助努力が求められるようになりました。
一方で、年金は減額の方向にあるものの、(恐らく)ゼロになるわけではなく、引き続き、高齢者の生活を支える存在であることに変わりはありません。だからこそ、大まかにでも「将来、もらえるだろう年金額」は把握しておきたいもの。そこで役に立つのが「ねんきん定期便」です。
――ねんきん定期便⁉
ピンと来ていない人もいるかもしれませんが、これは日本年金機構から1年に1回、誕生月に送られてくるもの。これをみれば漠然とでも将来がイメージでき、将来のためのマネープランにも活かすことができます。
――あぁ、なんか1年に1回、届いているかも
そのような意識の人もいるでしょう。ねんきん定期便は35歳、45歳、59歳と、節目年齢とされる年以外は、圧着ハガキで届きます。「お知らせは内側にあります。矢印の方向にゆっくりはがしてご覧ください」と案内される、あのハガキです。
ただはがせばいいだけなのですが、そのひと手間が面倒くさくて、手元に届いてもそのまんま。いつの間にかどこかにいってしまっている……という人も珍しくないのではないでしょうか。特に「年金をもらうなんて、20年も、30年も先の話」という年代の人であれば、関心が薄くても当然のことかもしれません。また「そもそも、何が書かれているのか、よく分からない」という人も。
ねんきん定期便。そのサンプルはこちら(図表)。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/8/e/800m/img_8e1b76562b29f5ebea6819328db8fbbb132479.png)
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/800m/img_6da5a661f7b40d7354fd6dcb9e7caac7156214.png)
50歳未満であれば、「①保険料納付額」「②月別状況(直近13ヵ月)」「③年金加入期間」「④これまでの加入実績」の4項目ついてお知らせしてくれます。
そして多くの人が思うのが、「えっ、年金ってこれだけ?」というもの。「なんか、保険料を払うの、バカバカしく思えてきた」と、急にやさぐれる人も。そこで知っておきたいのが、50歳未満の「ねんきん定期便」に書かれているのは、あくまでも加入実績に基づいた「年金の見込額」だということです。
老後を見据えた資産形成に役立つ「ねんきん定期便」の注意ポイント
たとえば、38歳の大卒サラリーマンの場合。「ねんきん定期便」に記されているのは、20歳からの加入している国民年金と、大学卒業してから加入している厚生年金、15年分ほどの実績に基づく年金額。
仮に大学卒業して以来、平均的な給与を手にしてきたとしましょう。現在の給与は月収で37.8万円、賞与も含めた年収は645.5万円。毎月、およそ10万円近く天引きされ、そのうち厚生年金保険料は3.4万円ほどになっていると考えられます。
そんなサラリーマン、38歳時点の加入実績に基づく年金額、つまりこの時点で「今後一切、年金保険料の納付がなかった」場合の年金額は、厚生年金が年43.4万円ほど。1ヵ月3.6万円ほどです。そして国民年金は2.5万円ほど。双方合わせても6万円強ですから、確かに、老後に受け取る年金額がこの金額だとしたら、自暴自棄になるのも分かります。
では、引き続き、大卒サラリーマンの平均的な給与を手にして、60歳で定年を迎えたとしたら、65歳からもらえる年金はどれくらいになるのでしょうか。あくまでも概算ですが、厚生年金が136.3万円。1ヵ月11.3万円ほどになります。併給の国民年金が満額支給だとしたら、月18.1万円。先ほど受けた衝撃が嘘のような金額になります。
さらに昨今は、60歳定年以降も現役を続行。給与を得るのが一般的です。その分、厚生年金への加入期間が伸びれば、その分、年金受取額は増えることになります。給与水準の高い大卒であれば、ザ・平均なサラリーマンでも年金だけで暮らすことも夢ではなくなります。
――やった、月18万円! これなら安心だな
と、思わずガッツポーズ。しかし「ねんきん定期便」で、もうひとつ知っておきたいのが老齢年金は雑所得で課税対象だということ。社会保険料なども含めると、実際の年金の手取り額は、額面の85~90%になるとされ、実際は15.3万~16.3万円ほどになります。「ねんきん定期便」に記されている年金額はあくまでも額面で手取り額ではありません。そのことを知らず、“年金見込み額の額面”でシミュレーションしていると……1ヵ月1万円ほどの差異が、1年で12万円、10年で120万円、20年で……長生きすればするほど、その差に苦しめられることになるのです。
「ねんきん定期便」に記されている年金額は額面。老後を見据えたライフプランのためには、しっかりと覚えておきたいポイントです。
[参考資料]
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