職場の人に「やたら好かれる人」がやっている「たった一つ」のこと
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 8時15分
![職場の人に「やたら好かれる人」がやっている「たった一つ」のこと](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_60255_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
10代で起業し、これまで1,500名以上の実業家たちと仕事をしてきた嶋村吉洋氏は、自分を応援してくれるコミュニティを起業前から形成することが、ビジネスを成功に導くのに重要だといいます。それでは、一体どうすれば自分を応援してくれるコミュニティを作ることができるのでしょうか。著書『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)から詳しく解説します。
徹底した「子犬作戦」が人を動かす
ただ自己アピールをするだけでコミュニティが拡張していく、ということはありません。人から好かれ、推されるようになるための、ひたむきな努力が必要になります。
この点で、古き自己啓発の名著、デール・カーネギーの『人を動かす』(創元社)には、核心的なことが書いてあります。それは次のようなものです。
「友を得る方法を学ぶには、わざわざ本書を読むまでもなく、世の中でいちばん優れたその道の達人のやり方を学べば良いわけだ。その達人とは……われわれは毎日路傍でその達人に出合っている」
ようするにその達人とは……子犬なのです。「何の働きもせずに生きていける動物は、犬だけだ」「犬はただ愛情を人に捧げるだけで生きていける」あくまでこれはカーネギーさんの認識ですが、実際、子犬はお金を持っているわけではないし、情報も持っていなければ、性的な魅力を持っているわけでもありません。それでもキャンキャン寄って来て、しっぽを振ると、飼い主に愛されます。
飼い主はこのとき、子犬から何も提供されていないようで、実は「自分は必要とされている」という重要な感覚を受け取っているのです。これは何も相手に提供するものを持っていない人が、有力者に好かれるための重要な要素になるでしょう。
このことは、社外コミュニティのような場所でだけ通用する原則ではありません。読者の多くの方々が属しているであろう、会社組織にも十分に当てはまる話です。
実際、入社して1年とか2年という社員であれば、正直、実力的にそれほどの大差が出るわけではありません。では、どんな社員が持ち上げられるかと言えば、上司にベッタリくっついて、「これはどうやれば良いのですか?」なんて、何度も質問したり相談して、「ありがとうございます!〇〇さんは凄いです!」などと言っている社員ではないですか?
「うまく取り入りやがって」などと憤慨している方もいるかもしれません。しかし、そういった、「上司の自己肯定感を高める」という行為は、お金がかかりませんし、簡単ですし、そのリソースには上限がありません。こんな簡単なことをやらないだけで人生がうまくいかない人が、世の中にはたくさんいます。
誰もができるが、ほとんどの人がやっていないこの簡単なことを、私は「子犬作戦」と呼んでいます。
トップ営業マンからベストセラー作家になった友人のケース
実際に、どんなふうにコミュニティから成功者が生まれていくのか、身近な例としてCくんを紹介しましょう。
Cくんと私は非常に仲が良く、月に1回くらいのペースで一緒に旅行に行きます。Cくんは、何冊も本を書いているベストセラー作家であり、講演家であり、コンサルタントであり、さらに飲食店も経営している、40代になったばかりの多才な人です。
Cくんは無駄にイケメン過ぎて、たまにイラつくことがありますが(笑)。最初に私がCくんと出会ったとき、彼はまだ大手パソコン企業に勤めている会社員でした。非常に評価の高い大手企業に勤めていて、しかもCくんは若手ナンバー1の営業成績。このまま会社員を続けていれば生活に困ることはなかったのでしょうが、営業の仕事がら、独立している社長さんに会う機会が多かった関係で、Cくんは自由な働き方に魅力を感じていきます。
でも、自分に何ができるかわからない。そこで、Cくんは社外の勉強会に参加しようと思ったのです。さまざまなコミュニティに参加したのち、友人の紹介で私たちが主催するセミナーにも参加しました。そもそも営業でもナンバー1の成績を作っていたCくんですから、約束事は必ず守ってくれるし、会っていて非常に気持ちが良い。心から信用できます。
そして意気投合したあとは、私はCくんを仲間のお店にしょっちゅう連れて行ったのです。私のコミュニティに仲間入りし、居酒屋さん・レストラン・ラーメン屋さんなどをやっているメンバーとコミュニケーションをとる中で、Cくんは、「自分も独立ができるのではないか」と考えるようになります。
Cくんは、飲食店のコンサルタントをしている私たちの仲間のもとで勉強をし、独立するために必要なものは何かをピックアップしていきました。そしてコミュニティ作りについても、自分が勉強した内容をネットや勉強会で惜しみなく発信していったのです。その成果は、現在まで多数書いている本の著作にも反映されています。
私との出会いから3年が経ったころ、Cくんはついにお店のオーナーとなり、同時に会社を辞めて独立しました。28歳くらいのときだったそうです。不動産事業の分野で私もお手伝いをしたのですが、それからのCくんの成功は本当に素晴らしいと思います。
コミュニティの誰かがビジネスを始めるのは、誰にとっても得
コミュニティというのは単純で、中から成功者が出れば出るほど、自分にとって得になるのです。
それは、友だちが「お店を出した」という場合を考えればおわかりになると思います。あなたが人を接待することが多い仕事をしていなくても、「知人のお店がある」というだけで、誰かを気軽に、かつ、少し特別な立場で招待することができるのです。
お店を出せば新しい人脈が広がり、資金力は増し、ノウハウも蓄積される。それがコミュニティ内で共有されるのです。コミュニティはコミュニケーションメンバー1人のために。
すると、「当たり前のことを当たり前にやる」ことの重要性もよくわかるのではないでしょうか。当たり前のことを当たり前にやるあなたであれば、それだけですべての仲間があなたを応援してくれるのです。「成功する」とか、「億万長者になる」ということは、そんな当たり前や誠実さの延長にある結果に過ぎません。億万長者だから愛されるのではなく、愛されるから億万長者になるのです。
嶋村 吉洋
実業家。投資家。映画プロデューサー
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