「中国のアップル」シャオミが、世界最速で「1兆円」の企業価値をあげたワケ【有名実業家が解説】<br />
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月27日 8時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
「中国のアップル」と称されるシャオミは、世界最速で1兆円の企業価値をあげ急成長を遂げた、新進気鋭の総合家電メーカーです。シャオミはいかにして短期間で世界的企業として成功したのか? 実業家の嶋村 吉洋氏が解説します。
「中国のアップル」世界最速で1兆円の企業価値をあげたワケ
「シャオミ」は日本では知る人ぞ知る企業ですが、世界的にはスマホのシェアであらゆる日本企業を抜き、アップルやサムソン、ファーウェイなどと覇権を争っています。
そのシャオミは、そもそも投資家でもあった雷軍が、2010年に創業した企業です。シャオミはオシャレで低価格なスマホを販売しているメーカーとして知られていますが、実は最初に彼が作ったのはSNSによるコミュニティだと言われています。
雷軍が創業に当たって行なったのは、100万人のユーザーを集めるということ。スマホの使い方はもちろん、ネットの活用法や、SNSの使用法に関する巨大なフォーラムを中国国内に立ち上げ、創業者たちは皆、コミュニティの意見を聞くリーダーとなっていきます。
そして、この意見を反映して、スマホとアプリを開発する「シャオミ」を創業したのです。ですから、シャオミのコミュニティメンバーは、「自分たちが会社に提案して商品開発をしているんだ」という意識が強く、ある種マニアックなコミュニティということで、「ビーフン」と呼ばれています。
これはシャオミの中国名、「北京小米科技」の「小米」を「米粉」にもじったものだそうです。コミュニティの意見を誰かが実現し、そのアイデアを、皆がユーザーになることで支える。結果、億万長者どころか、兆単位のお金を稼ぐビジネスが世界に生まれたわけです。
町の小さなパン屋が潰れないワケ
コミュニティの中から成功者になっていく人は、やはりこのシャオミという会社と同じように、コミュニティを作って地盤固めを行なったうえで、皆の意見を聞きながらビジネスを広げていきます。
私の仲間に、Aくんという男性がいます。私と出会ったのは27歳のとき。そのとき彼は理系の大学院で学んでいる学生だったと思います。やがてIT系の企業に入社し、システムエンジニアの仕事をしながら、起業を考えるようになりました。
Aくんは、理系の仕事を選んだのですが、そもそも興味を持っていたのは食の世界だったのです。休日になれば食べ歩きをし、自分でも料理を作るのが大好きでした。でも、理系の勉強だけをしてきた自分が、飲食店を開業したってうまくいくわけがないと思っていた。それが私たちのコミュニティに入ってから、飲食店を開業することは100%可能だと確信したのです。
飲食店開業をゴールにAくんが実際に行ったこと
それからのAくんは、本書で述べたことを徹底しました。まず人とのつながりを大事にし、人間関係を広げていきます。そして食の情報を発信し、食事会のようなイベントを開催したり、開業へ向けた勉強会を開催したりして、地道に自分のコミュニティを作っていきました。
彼のコミュニティには、自分と同じように「飲食店をやりたい」と思っている人が多い。「それなら」ということで、仲間と2人で「飲食店型のレンタルスペース」を開業することから独立したビジネスを開始します。
食のコミュニティを運営していますから、このスペースを利用したい人はすぐに集まります。昼間はパスタ屋さんで、夜は貸し切り用のレンタルスペース。5年間で同じような施設をもう1つ。さらに東京の港区でイタリアンレストラン経営も始めました。
そうした店舗を運営しながら、満を持して8年目で、自分でも料理を作るラーメン店にチャレンジしました。つまりAくんは、別々の4店舗を運営しながら、自分でも料理を作る料理人という、珍しいタイプの実業家になったのです。その経験を活かし、他の店にアドバイスするコンサルタントの仕事も引き受け、情報発信によってコミュニティを拡張させています。
不思議に感じる方もいるでしょうが、Aくんのように、実業家としてさまざまな仕事を運営しながら、自分の好きな仕事をしている人は大勢います。
多角経営がうまくいく理由
たとえば他の仲間には、メインでは不動産会社を運営し、さらに飲食店をやり、また趣味的にファッションの小売店を運営している人もいます。大きなコミュニティがあるから立ち上げには困らないし、新規のお客さんを新たなコミュニティメンバーにするのもお手のものなので、経営がうまくいく。節操なくいろんなことをしているようで、実はちゃんとお金が回る仕組みを作っているわけです。
実は、こうした“億万長者”というのは日本に古くからいます。たとえば、商店街に古くからある小さなパン屋があって、おばあちゃんが1人で店を切り盛りしている。「大丈夫かな?」なんて初見客は思います。ところが、そのおばあちゃんは、そのエリアにある多くの学校の給食にパンを提供している。そのすべての学校から収入が入ってくるばかりでなく、パン屋もちゃんと固定客で黒字になっているから、放っておけばお金持ちになっているわけです。
嶋村 吉洋
実業家。投資家。映画プロデューサー
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