「遺産は私がもらう!」母の死後、独身長女の不満が爆発…ドロ沼相続と「遺留分」の存在
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月12日 16時45分
(※写真はイメージです/PIXTA)
いつの時代もなくならない相続トラブル。「もっとはやく対策を始めていれば…」という声は尽きません。本記事では、実際に起きたトラブルを紹介し、相続対策の重要性について解説していきます。
長女が「長男の嫁」に放ったとんでもない一言
夫婦のうち一方の死亡に伴った、配偶者と子どもによる相続を「一次相続」、そして一次相続後、配偶者の死亡に伴った子どもによる相続を「二次相続」と呼びます。どちらもしっかり対策を行わないと、泥沼の「争続」に発展しかねません。
恨みつらみはなかなか消えないもの。一次相続で納得いかない結果に終わった……義家族との間にわだかまりが残った……家族は、ずっとそのときの感情を覚えています。積年の怒りを爆発させるのが、「相続」なのです。
母が亡くなったあと、独身長女・長男の嫁・長男の子どもの間に起きた下記のトラブルは、まさに典型例といえましょう。
“母は2人の孫だけはかわいがっていましたが、独身の長女にしてみれば、それもおもしろくなかったのだと思われます。
そして、今回、母が亡くなり二次相続が発生しました。相続人は長女と、長男の代襲相続人※である孫2人です。かねてから長男の妻に不満を抱いていた長女の気持ちが、ついに爆発しました。「嫁のくせに親の面倒も見ないで、孫を取り入らせて遺産だけもらおうなんてずるい。母の面倒を最後に見たのは私なのだから、母の遺産は私がもらうのが当然でしょ。孫たちの代襲相続は放棄してもらうわ」と長男の妻に言い放ったのです。”倉持公一郎氏『ワケあり不動産の相続対策』
※ 代襲相続人・・・相続人となるはずだった兄弟姉妹がすでに亡くなっていたり、何らかの理由によって相続権を失っていたりする場合に、代わって相続人になる人のこと。今回のケースでは長男が死亡していたため、その子どもが相続権を得た。
「嫁のくせに面倒もみないで」「母の面倒を最後に見たのは私なのだから」から察するに、長女ひとりで懸命に親のお世話(介護)をしていたのでしょう。時間や費用ともに大きなウエイトを占める親の介護は相続トラブルの火種になりやすいものです。
結局、本事例は“長男の妻は長女に言われるがまま、未成年である子らに代わって、「代襲相続を放棄します」という書類にハンコを押してしまいました。”となんともツラい幕引きをしています。家族にわだかまりが残らないよう、できる限り配慮した遺言書を用意していれば……義両親の面倒をもっと見ていれば……相続のシーンでは「たられば」が尽きないものです。
とはいえ、長女の発言には穴があったことにお気づきでしょうか。カギとなるのは「遺留分」です。
お金巡り激怒「自分が何言っているかわかってるの⁉」
兄弟姉妹(甥・姪)以外の相続人に、最低限保障された相続財産の割合のことを「遺留分」と呼びます。たとえ遺言を残していたとしても「納得いかないので遺留分を請求します」と相続人の誰かが遺留分侵害額請求をすれば、よもや裁判沙汰です。
本事例では母親の子どもたちが相続人であるため、代襲相続人の孫にも遺留分は発生します。長女の言い分に理解を示せる面はなきにしもあらず……ですが、この権利を長男の妻が知っていたら、また結末は変わっていたかもしれません。
実際に遺留分侵害額請求権を行使した事例が下記になります。長男が遺言書の内容に猛反発、長女のヒロコさん(仮名)に大声を出し……。
“「ちょっと落ち着いてよ! お母さんの字で、ハンコも押してあるじゃない! 共謀してるなんて信じられない。自分が何言っているかわかってるの⁉」
「こんなもの認められない。無効だよ無効!」
こうして長男は遺留分(今回の場合、民法上では実家の1/4が長男の持ち分)をヒロコさんに請求(遺留分減殺請求)したのです。
ヒロコさんはすぐに弁護士に相談し「遺留分を渡したくない」と伝えました。しかし、争っても勝ち目がないと弁護士に諭され、しぶしぶ応じることにしたのです。遺留分は現金で精算しました。”(2020/10/1 江幡吉昭氏 幻冬舎ゴールドオンライン連載『駅3分の空き家めぐり…63歳長男「嘘だろ!?」亡母の遺言に絶句』)
これまたドロ沼。遺産争いとは結局「お金の取り合い」なわけですから、結末がどうであれ、その過程は苦しいものになります。
遅かれ早かれ起こる「相続」。たとえ今家族仲に問題がなかったとしても、お金が関わるとその関係性は容易に揺らぐものです。致し方ないことである以上、いつ何があっても問題ないように、事前の対策が求められます。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「父さん、遺言を書いてくれないか?」「分かった!」…3年後、〈亡父の遺言書〉に長男が絶句したワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月31日 9時15分
-
「なんでお前だけが5,000万円も!」遺言書を開いた長男、弟へ怒り爆発…父が記した「衝撃の内容」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月28日 20時0分
-
資産家の祖父、死去…相続の話をはぐらかす叔父叔母に〈代襲相続人〉の立場の甥っ子、思わずイラッ!「私、どれぐらい相続できますか?」【相続専門税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月20日 11時15分
-
遺言書を書いているのですが、「遺留分」を無視して配分を決めても問題ないでしょうか?実際に相続が発生したとき、遺産がどうなるのか心配です。
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月14日 21時10分
-
〈月収8万円〉実家暮らしの50代・独身長男、80歳母死去で「俺も少しは遺産がほしい」に長女、ブチギレ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月10日 9時15分
ランキング
-
1佐渡島の金山に「情報照会」勧告、地元から困惑の声も…「今回登録になると思っていた」
読売新聞 / 2024年6月6日 21時29分
-
2ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 全国のスーパーなどで約10万個販売…… 輸入業者謝罪「深くお詫び」
ねとらぼ / 2024年6月6日 19時19分
-
3やってはいけない6月のNGコーデ! 梅雨の季節も快適に過ごせる「大人スタイル」のポイント3つ
オールアバウト / 2024年6月6日 20時15分
-
4サウナでやけど&骨折の事故 足指5本切断も 消費者庁が注意喚起
オトナンサー / 2024年6月5日 22時10分
-
5店内でおもらし、開店前に侵入…“迷惑老人”に苦しむ携帯ショップ店員の本音「ここは老人ホームじゃない」
日刊SPA! / 2024年6月6日 15時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください