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せっかく作った遺言書が無効になる場合も…相続専門税理士が勧める「もっとも安心で確実」な遺言の作成方法

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月17日 11時15分

せっかく作った遺言書が無効になる場合も…相続専門税理士が勧める「もっとも安心で確実」な遺言の作成方法

遺言書にはいくつか種類があることをご存知でしょうか。「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類が主に使用されるものです。税理士法人レガシィの天野大輔氏の著書『相続でモメる人、モメない人』(日刊現代)より、遺言書の違いとモメない遺言の書き方について詳しく解説します。

遺言書の種類を選択する

遺言を書きたいと考えたとき、子どもに相談してからにしたほうがよいか迷う人は多いのですが、子どもに相談する必要はありません。夫婦ふたりで決めるのがいいでしょう。また、遺言を書いたことを子どもに伝える必要もありません。遺言を書いたことを子どもに伝えてしまったために、「見せてほしい」といわれ、見せざるを得なくなった結果、書き換えを迫られることもあります。

子どもに相談する必要はありませんが、遺言が効力を発揮するには、形式を満たす必要があります。事前に専門家に相談したほうがいいでしょう。

ここで遺言の種類について整理しておきましょう。一般的に利用される遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つがあります。

●自筆証書遺言

もっとも多く利用されるのが自筆証書遺言です。手書きですから、紙とペンと印鑑があればどこでも簡単に作成できるメリットがあります。また、証人が不要なのでひとりで作成できますし、遺言したことやその内容を秘密にしておくことが可能です。

以前は財産目録を含め、すべて自筆する必要があったので高齢になると難しい面もありましたが、いまは、財産目録はパソコンなどで作成が可能になっています。

加えて法務局による保管制度も創設されています。自筆証書遺言は、紛失したり、相続人の利害関係者によって破棄、隠匿、改ざん等が行われる可能性がありましたが、保管制度を利用すれば、法務局で管理・保管されるので安心です。

保管制度を利用すると、遺言が必要な形式を満たしているかどうかをチェックしてもらうこともできます。自分で保管する場合には、形式を満たさず無効になる恐れがありますので、専門家に相談した上で作成したほうがいいでしょう。相続発生後に自筆証書遺言を開封するには原則家庭裁判所の「検認」が必要ですが、保管制度を利用した場合は検認が不要となります。

もっとも安心で確実な「遺言」の作成方法は?

●公正証書遺言

公正証書遺言は「公証役場」へ出向き「公証人」に作成してもらいます。公証人は法務大臣に任命された公務員で、作成された遺言は「公文書」として扱われます。公正証書遺言は、3種類の遺言の中でもっとも安心で確実な遺言といえます。また、公証人が遺言の内容を聞き取り、作成してくれるので自分で書く手間がかかりません。

遺言書の要件は公証人が確認してくれるので、自筆証書遺言のように不備により無効となることもありません。ただし、公証役場の手数料がかかります。また、遺言作成時に成人2名以上の証人の立ち会いが必要です。

遺言書を開封する際の家庭裁判所の「検認」は必要ありません。

●秘密証書遺言

遺言の内容を秘密にして作成できる遺言書です。自筆証書遺言の手軽さと公正証書遺言の安全・確実性を併せもっています。自筆する必要はなく、専門家に代筆してもらったり、パソコンで作成したものでも構いません。遺言書を作成したら、署名・捺印して公証役場に持参します。

証人2人が立ち会い、遺言書の存在のみを証明してもらいます。遺言の要件を満たさず無効となる場合がありますし、作成費用がかかるので、利用されるのは少ないです。しかし公証人含め内容を誰にも秘密にできる利点があるので一考に値します。遺言書を開封する際には自筆証書遺言と同様に家庭裁判所の「検認」が必要です。

とくに一次相続でモメた家族は、二次相続で遺言書を書くことをお勧めします。一次相続では母親がいるので、子どもは母親に配慮して気持ちを抑えていますが、二次相続では遠慮がなくなるので、さらにモメやすくなります。

天野 大輔 税理士

税理士法人レガシィ  

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