「そろそろお腹空いてきたんじゃない？」「いや、大丈夫！」←この返事が“実はアウト”な理由…

（※写真はイメージです／PIXTA）

会話におけるトラブルの多くは、相手の「伝えたいこと」を正しく受け取れていないせいで起こります。言葉の裏に隠れている相手の気持ちや伝えたいことを読み取る力を身につけましょう。本稿では、齋藤孝氏の著書『12歳までに知っておきたい読解力図鑑』（日本能率協会マネジメントセンター）より一部を抜粋し、会話読解力を鍛える練習問題を紹介します。子どものみならず、大人にも役立つ内容です。

その返事で合っているかな？（図表1）

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＜シチュエーション＞

クマさんとリスさんが山登りをしています。午前11時を過ぎたころ、リスさんがクマさんに話しかけました。クマさんの返事は、リスさんの気持ちに寄り添えているでしょうか（図表1）。

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【解説】

クマさんは山登りに夢中で、リスさんの気持ちを無視してしまっているね。もしかしたら、リスさんが腹ぺこなのかもしれない。こういう場合は自分の意見を言ってもいいけれど、相手の気持ちを確認することも忘れないでおこう。「私は平気だけれど、リスさんはどう？」といった言い方ができるね。

アドバイスしたら怒られた！

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＜シチュエーション＞

クマさんが算数の問題を解いています。リスさんが解き方を教えたところ、クマさんが怒ってしまいました（図表2）。どうしてクマさんは怒ったのでしょう？

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【解説】

リスさんは良かれと思って解き方を教えたけれど、クマさんは自分の力だけで問題に取り組みたかったんだね。あれこれといろいろな方法を試していたのかもしれない。誰かにアドバイスするときには「もしかして困ってる？」や「解き方を教えようか？」などと聞き、相手の反応を確かめてからにしよう。

齋藤 孝

明治大学文学部教授

1960年静岡県生まれ。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『語彙力こそが教養である』『小学3年生から始める! こども語彙力1200』（いずれもKADOKAWA）、『大人の語彙力ノート』（SBクリエイティブ）、『声に出して読みたい日本語』(草思社)、訳書に『現代語訳 論語』（ちくま新書）、『12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』『12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』『12歳までに知っておきたい読解力図鑑』（いずれも日本能率協会マネジメントセンター）など多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。