舘ひろしも医学部受験2浪目に経験。浪人生の6割におとずれる「勉強離れ期」。一番多かった理由は?【浪人経験者へアンケート】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月24日 8時15分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_60429_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
俳優の舘ひろしさんは、トーク番組『だれかtoなかい』(フジテレビ系)にゲストとして出演した際「父と弟が医師」であり医師家系出身であること、自身も医学部を受験した経験について語りました。さらに「1浪して、2浪目から東京で勉強しようと思って、そこから遊んじゃった」、「医者はあきらめて、僕は絵が好きだったから、一応、建築科の学生にはなったんです」と俳優として活躍する前の知られざるエピソードを明かしてくれました(2024年4月28日放送)。大スターも経験した浪人中の「勉強離れ期」は、なぜ起こってしまうのか? 無事に合格をつかむための対処法と併せて医学部受験、浪人生の受験事情について見ていきましょう。
少子化の影響により浪人生は減少傾向
日本では昨今、少子化の影響により「大学全入時代」ともいわれ、実際に政府管轄機関が公開しているデータによると「大学入学共通テスト」への志願者数の全体数及び、浪人生(※)の志願者数は減少傾向にあります。
(「大学入学共通テスト」へ志願者総数)
令和4年浪人者の志願者総数 530,367 人
令和5年浪人者の志願者総数 512,581 人
令和6年浪人者の志願者総数 491,913 人
(「大学入学共通テスト」への浪人者の志願者数)
令和4年浪人者の志願者数 76,785 人 令和5年浪人者の志願者数 71,642 人 令和6年浪人者の志願者数 68,220 人
※ここで指す「浪人者」は「高等学校等卒業者」の区分のみに限定しています
〔出所:令和6年度大学入学共通テストの志願者数について、令和5年度大学入学共通テストの志願者数について|大学入試センター(文部科学省)〕
志願者の総数に対する、浪人生の割合は下記のとおりです。
(「大学入学共通テスト」へ志願者総数に対する、浪人生の割合)
令和4年志願者総数に対する浪人生の割合 14.5 %
令和5年志願者総数に対する浪人生の割合 14.0 %
令和6年志願者総数に対する浪人生の割合 13.9 %
浪人生の志願者数のみならず、総志願数に対する浪人生の割合も減少傾向にあることが分かります。
医学部入試は定員増も、受験倍率は難化
少子化により志願者数減を受けて、大学受験のハードルは下がっているようにも思えますが、医学部に関しては人気が高騰しており難化傾向にあります。
一方で医師不足は深刻化しています。それを受け、医学部の入学定員数は、昭和57年及び平成9年の閣議決定により7,625人まで抑制されていましたが、平成21年度に入学定員を8,486人に増員されたのをきっかけに、押し並べて右肩上がりに上昇しています。
医学部入試の倍率は高騰しているにもかかわらず、医師不足が指摘されるという、一見すると相反する状況が生じているのは果たして何故でしょうか? 理由の1つに、地域医療における医師の不足が挙げられます。首都圏を中心に、都市部に医師が集中した結果、地方の医師不足及び都市部との格差が深刻化しました。
こうした背景のなか、地域の医師確保等の観点から平成22年度以降における医学部の入学定員数は最大9,420人まで増やされ、最新データの令和5年は9,384人まで増員されています。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/800m/img_b98581ff61086a0f7282c628887298df71722.jpg)
(参照:医学部入学定員と地域枠の年次推移|文部科学省、令和6年度 医学部入学定員増について|文部科学省)
広がる医療の地域格差。医師が都市部に集中する理由は?
それでは何故、地域医療ではなく都市部で医療に貢献したいと考える医師が多いのでしょうか? 全国の大学医学部医学科に通う医学生115名を対象に、公益財団法人川野小児医学奨学財団が実施したアンケートにて「医師になったら、地元で働きたいですか」という質問に対し「いいえ」と答えた学生の理由を見てみましょう。
自身が理想とする医師を目指すためには地元では経験できないキャリアを選択する必要があるから(2年生 静岡県)、山間の過疎地域であり専門的なスキルを高める、維持するのが困難と思われるから(2年生 千葉県)、知り合いの診察は抵抗がある(6年生 鹿児島県)。海外に出たい(3年生 東京都)
(参照:医学生の意識調査|公益財団法人川野小児医学奨学財団)
といったものでした。高度なスキルを獲得し専門的なキャリアを積むうえで、患者数や症例数が限られる地方は不利になると考える人が多いようです。
浪人生の6割におとずれる「勉強離れ期」一番多かった理由は?
膨大な勉強量が求められる医学部に合格した志の高い学生が、全国から症例の集まる都市部で専門スキルを磨きたいと考えるのは当然かもしれません。
勉強に対する高い志が求められるのは、医学部志望以外の受験生も同じです。特に浪人生は勉強の質と量を維持することが求められます。ところが、浪人経験のある373人(19歳〜26歳)を対象にじゅけラボ予備校が実施したアンケート調査によると、浪人生の60.9%が「勉強から離れがちになった経験がある」と回答しています。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/f/b/800m/img_fbf5821957b87c2e12d38dc0e7f3aad633884.jpg)
一番多かった理由は「モチベーションが維持できなかった」で37%。次に多かった理由は「精神的または身体的な健康の問題」で12.8%。その次が「学習計画通りに進まなかった」で9.3%です。
(参照:浪人期間の勉強に関するアンケート|じゅけラボ予備校)
上位3つの理由同士が影響し合っているように見て取れる結果となりました。自分がどうすればモチベーション維持できるかを把握したうえで勉強に取り組むことが「勉強離れ期」を防ぐのに重要であるといえるでしょう。
THE GOLD ONLINE 編集部
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