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30歳女性、同じことを繰り返す日々に「何のために生きているのか」…オーストラリアでのワーホリで手に入れた「毎日が新鮮な生活」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 7時30分

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代わり映えのしない毎日から抜け出し、海外でワーホリにチャレンジしたい…そんな希望を持つ若者が増えています。実際にワーホリに行った人は、どんなきっかけで決断し、どのような生活をしているのでしょうか。本記事では、『安いニッポンからワーホリ!最低時給2000円の国で夢を見つけた若者たち』(東洋経済新報社)より、オーストラリアへワーホリに行って1カ月の女性(取材当時)に著者の上阪氏が行ったインタビューを、一部抜粋してご紹介します。

ワーホリを決断したことで人生が一気に変わった

東京からワーホリに来て1か月ちょっと経った、という女性の声をご紹介したい。村上真優さん(30歳)。広告代理店で営業事務の仕事をしていたという彼女は、半年ほど前にワーホリに行く決断をしたことで、人生が一気に転換を始めた。

「もともと海外に行きたい、という気持ちは持っていたんですが、仕事もあるし、大きな決断になるので踏み切れませんでした」

そんな折、大きなきっかけが2つあった。一つは家族で沖縄旅行に行ったこと。ほんの近くの海で、美しい熱帯魚と一緒に泳げたことに衝撃を受けた。

「毎日、東京で満員電車に耐えながら職場に通ったり、新型コロナになってからはリモートワークでしたが、毎日同じ時間に起き、同じ仕事をし、同じ時間に終える日々の繰り返し。自分はなんのために生きているんだろうと思って。沖縄に行ったとき、本当はもっと他の知らない世界があるんじゃないか、違う人生があるんじゃないかと思ったんです」

折しも会社でリモートワークが急に廃止になった。確たる理由はなかった。出社しなければいけない理由もなかった。

「これで切れてしまったんです。もうこんな仕事しなくていいんじゃないか、と。それよりも、したいことをしてみよう、と」

思い立ったのが、ワーホリだった。留学エージェントを探し、実は年齢制限がギリギリだったことを知った。不安だったのは、英語。独学で学ぼうとユーチューブを見たり、インスタグラムで英語の情報を発信してくれている人をフォローしたりした。

そして違う文化を持つ外国人の話をもっと聞いてみたい、と思い切って登録してみたのが、マッチングアプリ。出会ったノルウェー人の男性と、あっという間に恋に落ちる。

「生まれはノルウェーなんですが、子どもの頃にアメリカに引っ越してアメリカで育っているので、英語はネイティブ。私は幼児レベルの英語だったんですが、彼と会話をしなければいけなかったことで、どんどん英会話の力が上がっていったんです」

ワーホリに行く決断をしたことで、なんとネイティブの外国人の彼氏ができてしまったのだ。しかも、英語も学ぶことができ、シドニーの語学学校に入ったときには、学校が設定していた5段階レベルのうちの上から2番目のクラスでスタートすることになった。

「ワーホリに行くつもりでしたから、恋人を日本でつくってもしょうがないと思っていたんですが、彼も年齢的にワーホリに間に合ったんです。それで一緒に来ることになって。というか、私が来て、と言ったのもあるんですけども(笑)」

今はシドニーで一緒に暮らしながら、ワーホリ生活を送っている。一緒に暮らす相手が日本人ではないので、暮らしそのものが英語の勉強だそうだ。

毎日が新鮮。もっともっと楽しみたい

村上さんも、オーストラリアにやってきて、やはり大変だと感じるのは、英語だ。

「語学学校も、自分のレベルでは追いつくのが大変です。英語の学校ですが、授業はすべて英語ですから、結局わからないまま、という事態が授業中に頻発していまして。授業が終わったあと、家に帰って調べ直したりして復習しないと理解ができない」

授業中はスマホ禁止なので、翻訳アプリも使えない。わからなかった単語をピックアップしておいて、休み時間に大急ぎで調べたりすることもあるという。

「食らいついています(笑)。でも、クラスメートはそんなことはなくて。ブラジル、コロンビア、ベネズエラなど南米の人が多いですね」

クラスメートとはすぐに仲良くなった。交流はとても楽しい。

「文化がまったく違うのが、お互いに面白くて。昨日もクラスメートのブラジル人男性に、学校が終わったあと、飲みに誘ってもらったんです。彼の友達やその彼女、親戚など、いろんな人がいて、私の彼も一緒に行って」

ネイティブではない人たちがほとんどであれば、英語の会話も問題はなくなった。

「友達と会話したり、パーティに行ったときに会話したりという最低限くらいはできるんですが、やはりネイティブ同士の会話に一緒に入っていると、もう悔しいというか、半泣き状態になっています(笑)」

まだ仕事はしていないが、これから仕事をすることになれば、英語が流暢でなければいけない場面がたくさんあると考えている。だからこそ、英語をさらに磨きたい。

「早く働きたいですね。というのも、物価がとにかく高いので。貯金があっという間に消えていってしまいます。この先の課題は、仕事探しです」

それにしても、ほんの少し前まで、東京で代わり映えしない日々を繰り返していたのだ。それが、わずか半年ほどで一変してしまった。

「毎日が新鮮ですね。シドニーに着いてから、何もかもが新鮮です。スーパーに行って品物を見るだけでも。海外のお菓子とか、売っているものの大きさとか、違いを見るのも楽しい。街のつくりの日本との違いも面白いです」

シドニーに着いたときには、ここはどこの国かわからないほどだと思ったという。

「人種差別があるんじゃないかとか、勝手に想像していたんですが、とんでもない数の人種の人たちがいるので、誰も何も気にしていないですね。みんながマイノリティ、という印象です。これもびっくりでした」

日本人の友達がたくさんできたことも意外だった。同じ思いを持ってやってきた者同士。やはりあっという間に打ち解けるのか。

「SNSで見つけたんですが、先週、日本人のパーティがあったんです。200人くらいは来ていたかな。そこでまた日本人の友達がたくさんできて。その子たちと今週末、うちでホームパーティをするんです」

実は海外は、18歳のときに10日間ほどアメリカに行っただけだったという。大胆な決断だったが、だからこそ今がある。

「語学学校が終わったら、オーストラリアでいろんな都市を巡ってみたいです。違うところに行って、違う景色を見てみたい」

期間は1年と決めている。その後のことは、まったく考えていない。

「英語が習得できても、それが役に立つかどうか、あまり期待もしていません。行き当たりばったりでいいのかな、と。それより、もっともっと毎日を楽しみたい、と思っています」

これでいいじゃないか、と後押ししてくれる空気が、オーストラリアにはあった。

上阪 徹

ブックライター  

※本記事は『安いニッポンからワーホリ!最低自給2000円の国で夢を見つけた若者たち』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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