あなたの家に住み着いている“泥棒”の正体とは…?今すぐ退治して「快適な暮らし」を手に入れる方法【片付けのプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月26日 9時0分
「私たちの暮らしの中には、快適さを妨げているいろんな泥棒がいる」…こう言われたら、思わず驚いてしまうのではないでしょうか。実は、それらの泥棒は気づかないうちに、お金や住みやすさ、楽しさ、良好な家族関係まで奪っていくというのです。本記事では、『「お金が貯まる家」にはものが少ない』(扶桑社)の著者で片付けのプロである下村志保美氏が、「時間・場所・手間泥棒」の退治法について解説します。
あなたの家に「泥棒」はいませんか?
突然ですが、あなたの家に「泥棒」はいませんか? ここで言う泥棒とは、人間のことではありません。現代人の暮らしの中には、快適さを妨げている、いろんな泥棒がいます。
それらは気づかないうちに、その家が得られるはずだったお金を盗んでいく存在です。しかもお金だけではなく、住みやすさや楽しさ、良好な家族関係までも奪っていくのです。
①時間泥棒
②場所泥棒
③手間泥棒
この3つが、「なぜか貯まらない、片づかない家」の主な原因だと私は考えています。裏を返せば、この3つさえ攻略すれば、心にもお財布にも優しい人生を送れるのです!
探し物をするその時間が、既に“浪費”となっている
まずは「時間泥棒」について。これは、ものだらけの部屋の中で探し物をする、ムダな時間の正体です。「あの服、どこにあったっけ?」、「子どもの塾のプリント、どこに置いた?」、「歯ブラシのストックをしまっていた場所がわからない……」など、余計なものであふれた家は、使いたいものをすぐに取り出すことができません。
必要なものを探す時間そのものが人生のロスタイム=時間泥棒になるというわけです。着たい服も、子どもの学用品も、日用品ストックも、何がどこに、どれだけあるのかを把握しておけば、時間をムダにすることなく、すぐに次の行動へと移れますよね。
一番お金がかかるのは「場所代」だと心得よ!
次の「場所泥棒」は、必要のないものを置いておくスペースのことです。この場合、無自覚にやりがちなのが「クローゼットや押し入れの間のすき間にものを押し込んでいる」パターン。冷蔵庫などでも多いですね。
私の経験上、片付けをしたい方というのは几帳面で真面目な性格の人が多く、空いているスペース(デッドスペースと呼ばれる)があると、「何かに使いたい」、「もったいない」と思いがちなタイプが多いです。
きれいに整頓された場所にすき間を見つけると、収納系の便利グッズを買い足して、さらにものを増やしていく……。思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。一見すると「ちゃんと片付けた」ように感じられ、片付けた満足感も得られます。
だけどそこに詰め込んだものは、そもそもは持たなくてもいいものだったかもしれないし、それがあるがために他のものが取り出しにくくなったり、通気が悪くなりカビの原因になったりというデメリットも生まれます。
現代の暮らしのなかで、一番お金がかかるのは場所代です。田舎でよほど大きな家に住んでいて部屋が余って困っているんです、というケースは例外として、多くの家庭は家のスペースに限りがあります。
ここで、必要ではないけれども、なんとなく部屋を埋めつくしているもののコストがどれぐらいになるのか考えてみましょう。例えばあなたが70平米・4,000万円で購入した3LDKのマンションに住んでいるとします。そのうち6畳分の一部屋を「使っていないもの、整理しきれていないもの」の置き場所に使っているとしたら……?
4,000万円(スペースの総価格)÷70㎡(総スペース)=約57万円(広さに対する価格)
57万円×9・72㎡(6畳分のスペース)=約555万円
つまり555万円分を、要らないものに費やしていることになります。今、日本では全国的に住宅の価格が上がり続けていますから、都心部に住んでいる方は、スペースあたりの金額はもっと高くなっているはず。せっかく購入した貴重な空間や資産が、要らないもので目減りしている現実が、おわかりいただけたでしょうか。
必要なものを見極め、スペースを空けることが、「場所泥棒」を追い出すコツだと心得てください。
その「手間」、クセになっていませんか?
意外と気づきにくいのが3つ目の「手間泥棒」です。これは持ちすぎたものの管理や整理が、ご自身の行動や習慣に馴染みすぎていて、知らぬ間に時間やお金を奪われているパターンです。
私がお客様宅に伺うとまず気づくのは、フタつき収納ケースや開けにくい引き出し、前に置いてあるものをどかさないと開かない扉など、お客様にとっては慣れきっていて気づかないひと手間ふた手間があることです。
クローゼットもそうです。クリーニングのビニールがかかった衣類がたくさんあり、衣替えの季節は毎年出費がかさむとのこと。シーズン中1、2回しか着ていなくても、しまう前にはお手入れが必要です。
本当にお気に入りの服を3~4着だけ持っている人と、「いつも同じ服を着ていると思われると恥ずかしいから」、「古くなったけどまだ着られるから」などの理由で所有し続けている人とでは、クリーニングの代金も持っていく手間も、大きく変わってきます。
家で手洗いすればお金はかからないと思うかもしれませんが、その時間の労働力が発生しているので、けっしてタダではありません。
手間泥棒とお別れするためには、“気づき”が大切です。例えば我が家では猫を飼っていますが、以前はキャットフードを購入した時の袋のまま使っていました。これを100円ショップで売っていたカップつきのお米ストッカーに変えたところ、出し入れも、エサの計量もうんとラクになりました。
手間は、時間や場所のようにすぐにわかるロスではなく、習慣化されているので、なかなか自分で気づくことは難しいものですが、毎日の暮らしのなかに実は見つけるヒントがあります。それは何かやろうとして「めんどうだな」と感じた時。その小さな「めんどくさい」という気づきが、手間泥棒をやっつけるチャンスです。
生活を共にしている家族以外からのアドバイスをもらうことも効果的です。「このお鍋、重くて使いづらいのでは?」などと言ってもらえるといいですね。手間に気づく大きなヒントになります。
下村 志保美 「PRECIOUSDAYS」主宰
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