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取引先との電話「A部長はお休みをいただいております」→この日本語、実は間違っていた…!適切な言い回しとは?【大学教授が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月4日 7時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

目上の人や取引先などに対して「これが正しい」と使っている言い回しの数々、実は間違っているかもしれません。今回は特にビジネスシーンでよく登場することばに注目して、あらためて適切な日本語について考えます。ドキッとしたあなたは、ここで一緒に確認してみましょう。

接客で、知らずしらず恥をかかないために

・お求めやすい商品です…×

・お求めになりやすい商品です…〇

日本語も英語も同じですが、日常で使う言葉はどんどん簡単になっていきます。とくに現代のように早口の人が増えてくると、発音しやすくしようとして、言いにくい言葉を削ぎ落とそうとするのです。

じつは、「お求めやすい商品です」「お求めやすい価格です」というのも、この現象から生まれた表現のひとつで、文法的には誤りです。

「求める」という言葉は、ここでは「購入する」の意味で使われており、それに「お」をつけて丁寧な言葉にされています。「お求め」は名詞ですから、これを動詞にするなら「お求めになる」となります。

そして、「お求めになる」ことが、金額的に「容易(たやす)い」「簡単です」という意味なので、本来なら「お求めになりやすい商品です」と言わなければなりません。

ところが、「お求め―になり─やすい」の「になり」の部分は、早口で話すと、ナ行の二つの音が曖昧になり、「にな」の後の「り」が言いにくいので音が欠落してしまうのです。

さて、舌の動きを活発にすることは、アンチエイジングにもいいと言われています。間違った言い方をやめるためにも、ゆっくり話して、正しい日本語で人に言葉を伝え、さらにアンチエイジングにも活かしてもらえればと思うのです。

「してくれますか」は下品な日本語

・部長に伝えてくれますか?…×

・部長に伝えてもらえますか?…〇

「伝えてくれ」「渡してくれ」「電話してくれ」など、何かをしてほしいのは分かりますが、「してくれ」という言い方はとても下品な言い方です。

それに比べて、「伝えてもらえる?」「渡してもらえる?」「電話してもらえる?」という言い方は、優しい感じになります。ただ、これだと少し女性的な言葉となるため、もしかすると男性だと会社内では使いづらいかもしれませんし、相手との関係も非常に親密な印象を受けてしまいます。

こんなときには、「伝えてもらえますか」「伝えていただけますか」「お伝えいただけますか」「渡してもらえますか」「渡していただけますか」「お渡し願えますか」「お電話してもらえますか」「お電話いただけますか」「お電話お願いできますか」という言い方をするのが丁寧ですし、相手にも感じよく受け取ってもらえます。

日本語は、丁寧、謙譲、尊敬を使い分けることによって、相手との親密度、距離感も表現することが可能です。相手との関係によって三種類程度の言い方が自然と言えるようにしておくと便利です。

休みは「いただく」ものではなく「もらう」もの

・A部長はお休みをいただいております…×

・Aは休みを取っております…〇

取引先など、社外からの上司への問い合わせに対して、「◯◯さんは、今日は、お休みをいただいております」と答える人がいます。

韓国語では、目上の人に対してはどのような場合でも、尊敬語を使うという決まりがあるので、「部長は、お休みをいただいております」というのが正しい言い方ですが、日本語の場合は間違いです。

自分と同じ組織に属している者に対しては、敬語を使わないというルールがあります。まず「お休み」の「お」は丁寧語ですから外しましょう。「いただいております」も「もらう」の謙譲語ですので外してください。

自分の会社に届け出て休むのですから「いただく」という言い方は、相手に対して失礼にあたります。電話などで、このような問い合わせが来たときには、「本日は不在にしています」とか「今日は休みを取っております」と言ってください。

山口 謠司 大東文化大学文学部中国文学科教授

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