「大底」で買おうとする人は結局「大底」で買えない、という“真理”…株で利益を出す人が実践している買い方の〈コツ〉【投資のプロが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月5日 10時15分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
お金を減らす人は、常に大きなお金を動かす勝負をしようとする「買い買い病」になっていると、ファイナンシャルアドバイザーである長谷川伸一氏はいいます。長谷川氏の著書『お金の動きに強くなる投資の入口』(総合法令出版)より、お金を増やす人が株を売買するタイミングについて、詳しく見ていきましょう。
タイミングが来るまでは少額で
お金を減らす人は、常に全力で勝負しようとします。ときには信用取引で持っているお金以上の取引をしようと考えます。常に何を買おうか、と「買い買い病」になっている状態です。
なかなかいい銘柄が見つからないときがあります。チャートを眺めたり、企業情報を調べたりしても割安な銘柄が見えてこないのです。
そんなとき、お金を減らす人は、それでも何を買おうかと考えてしまいます。これは危険なシグナルです。
お金を増やす人は、自信があるときに絞って勝負します。月に1,000万円も2,000万円も稼ぐトレーダーでさえ、よくわからないときがあります。割安で値上がりしそうな銘柄が見つからないのです。ちょっといいかなと思っても、イマイチ自信が持てなかったりします。
そういうとき、お金を増やす人は、少額で売買します。まったくやらないと相場の勘が鈍っていきますので、負けてもいいくらいの金額を投下するのです。そして、しばらく様子を見ます。おとなしくしていると、「これはイケる!」というタイミングが必ずやってきます。
お金を増やす人というのは、毎回勝負しているわけではありません。ここぞというチャンスをとらえて勝負するのです。
お金を増やす人の株の買い方
株の理想的な買い方は、最安値(大底)で買い、最高値(天井)で売ることです。しかし、最安値、最高値がいくらだったのかは、後になってわかります。
プロの相場師であったとしても、リアルタイムで大底や天井を見抜くことはできません。「ここが大底かな?」と思って買ってみたものの、さらに株価が下がってしまった。「ここが天井かな?」と思って売ってみたものの、さらに株価が上がってしまった、ということはよくあるのです。
大底かと思って買った株がさらに下がったとき「ああ、もう少し待てばよかった」と後悔します。そこで、お金を減らす人は、「もっと待ってみよう」と思い、売買のタイミングを外してしまいます。
そもそも、大底とは投資家の多くの人が総投げの状態です。もうダメだと思っている人が9割以上いるということです。そんなときに、その株を買うというのはかなり勇気のいることです。なかなかできるものではありません。
記憶に新しいコロナショック。2020年2月頭には24,000円に迫っていた日経平均株価は世界的なパンデミックで世界の動きが止まってしまいました。
そして世間は不安感から株価がパニック一色となり、1カ月後には17,000円を割り込んでしまいました。結果的にここで買い向かえばよかったということになりますが、大半の人にはその判断はできません。多くの人は急に株価が下がってくると、もっと下がると思い大底で買おうとするからです。
おそらく、「もっと下がる」と多くの人が思ったはずです。ですから、大底で買おうとする人は結局大底で買えないのです。
お金を増やす人は、いいところまで下がってきたら「もう、いいよ。買っておくよ」と思って買います。
たとえばこのとき、日経平均のPBRは1倍を割れていました。日本株全体が解散価値より下回ったということです。
解散価値を割り込むことは異常だと考え、買いへと向かった投資家はいると思います。今まで23,000円だった株価が20,000円を大きく下回ったとき、19,000円前半くらいで買った投資家はいるはずです。そういった解散価値は暴落時に活きます。さらに下落し18,000円を割り込んだら、追加して買うくらいの気持ちで買うことです。
精神的にある程度自分が容認できる値段で買うことが大切です。結果的に反転すれば、結局17,000円、19,000円も変わりません。また23,000円に戻れば、結局買って良かったと思います。余談ですが、2024年2月執筆中についに1989年12月の高値38,915円を抜き大きなニュースになりました。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があるぐらいです。
長谷川 伸一 ファイナンシャルアドバイザー
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