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YouTuberなら「家賃月300万円のタワマン」も経費!? 税務調査でバレて…「多額の追徴課税」の悲劇【税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月28日 11時45分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

度々話題となる有名人の「税金」の申告漏れ。なかには人気YouTuberのもとへ国税の調査が入り、数千万円に上る延滞税の支払いを求められたことが報じられることも。最近は個人でYouTubeチャンネルを始め、収益を得ている人も少なくありません。副業や投資で本業ほかに所得がある人が、税金を正しく申告しなかった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか? 本記事では、YouTuberの税務調査の実態について木戸真智子税理士が解説します。

副業に伴う「確定申告」

最近は会社員の方も副業をすることが珍しいことではなくなりました。会社でも副業OKとしているところも増えてきており、その影響で、これまで年末調整で完了していた方が、副業を始めたことによって、確定申告が必要になったという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、会社員の方も副業により身近になった確定申告について確認していきましょう。 まず、これからお話する確定申告とは毎年前年の所得について翌年3月15日に申告する所得税の確定申告のお話になります。

この申告についてですが、税金には申告納税制度と賦課課税制度というものがあり、この確定申告は申告納税制度になります。

納税者本人が自ら自身の所得について計算して申告をするという制度になります。この反対の賦課課税制度は、国や地方公共団体が本人に代わって税金を計算して本人に通知する制度です。個人住民税や固定資産税が身近な例になります。そのため、所得税の確定申告は自ら申告しているので、その内容について、本人がしっかり把握している必要があります。

確定申告を隅々までみている税務署…なにまでが経費計上できるのか?

そして、申告納税制度である確定申告においては、税務調査があります。税務調査ではこの申告された内容が適正かを税務署が調査することになります。つまり、ご自身が提出した確定申告について、税務調査で質問をされたときにしっかり答えられるように、理解しておく必要があります。

確定申告において、多くの方が疑問に思うことは、「どんなものが経費になるのか?」ということではないでしょうか。

そこで、今回はYouTuberを例にとって、解説していきます。

皆様もご存じのとおり、YouTuberは動画を公開して収益を得る事業です。当然、個人でしている場合には、確定申告が必要です。会社員の方で副業としての利益が20万円以下などの場合には、申告不要なケースもあります。

ではYouTuberはどこまで経費として認められるでしょうか?

自宅で撮影した場合の家賃も経費?

経費とは当然、事業に関連して支出するものですので、プライベートの支出は認められません。YouTubeの撮影のときに使用する機材、場所代、撮影するときに使用する備品、出演料などはその対象になるでしょうし、打ち合わせの飲食代も対象になります。

たとえば、自宅で撮影した場合の家賃はいかがでしょうか。スタジオとしてそこに住んでいなくて、撮影のためだけに使われる場合の賃料であれば、全額経費になりますが、そこに居住している場合には、当然、全額経費にはなりません。事業に関係する割合や仕事場として区分されている場合には、その床面積により経費で按分するという方法もあります。

当然ですが、家賃を按分するとなったら水道光熱費も同じように按分となります。このような方法を「家事按分」といいます。

税務調査で最も指摘されやすい「家事按分」

個人の税務調査において、指摘される確率が高いのは、この家事按分や交際費です。理由は明確で、これらが一番、目立ちやすく、曖昧になりやすい部分だからです。

税務調査の際に、調査官から、この按分が妥当かどうかという質問が来たときに合理的に按分していることをしっかり説明できるかどうかがポイントです。

床面積だと、この説明はとてもわかりやすくなるかと思います。3LDKのうちにひとつの部屋が仕事場だとすると、全体の床面積と仕事場にしている部屋の床面積で按分すればよいですね。

もし、この按分方法が合理的ではないと指摘された場合には、結構な追徴税額になってしまう可能性もあります。

YouTuberの場合、税務調査がきて、説明する前に、調査官が動画などで確認することもできます。動画で公開されていますから、明らかに、按分方法が合理的ではないと判断されると、過去3年間、もしくはそれ以上遡ることもあります。

特に人気のYouTuberは、セキュリティ面も考えて、高級なマンションに居住していることもあります。そうなると、この按分が否認されるととても大きな金額になってしまいます。

月額の家賃が300万円のタワーマンションに住み、全額を経費にしていた場合、指摘を受けて1/3が妥当とされた場には月額で200万円、年間にして2,400万円の増差となります。

これを3年間修正したとすると、7,200万円です。これに対して所得税の最高税率が課税されていた場合、本税で3,240万円、これに過少申告加算税の場合には10%プラス、重加算税となった場合には、35%~40%の追徴課税になってしまいます。この場合、当然、水道光熱費も同じく修正となってくるでしょう。  

「重加算税」の対象とみなされるかどうかのわかれ道

重加算税は、税務調査で課されるペナルティの中でも最も重いものになります。ですので、本当に重加算税の対象なのかどうかは、しっかり調査官と話し合いましょう。

重加算税は「仮装隠ぺい行為」があったかどうかがポイントになります。もし、仮装隠ぺいではなく、知識不足で、うっかり間違ってしまった、勘違いしていたという場合、調査官にその旨を伝えてみましょう。

またもちろんですが、脱税という話になってくると、所得税法違反の対象になってきます。罰金や懲役という話にもなってきますので、正しい知識を身に着けて、適正な申告をしましょう。

木戸 真智子

税理士事務所エールパートナー

税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー

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