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「手取りは生活保護以下か…」年金<月14万円>68歳「コンビニバイト」に腰痛コルセットで挑む「悲惨な現実」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月12日 9時0分

写真

(※写真はイメージです/PIXTA)

40年間働いてきて老後は年金で悠々自適に暮らせる。しかし、現実は年金支給額が生活保護支給額よりも少ない。貯金を切り崩さなければ生活できず、たとえサラリーマンとして長くはたらいても「老後も安泰」とはいかないようです。みていきましょう。

 年金月14万円で貯蓄なし…65歳高齢者、平均でも「生活保護以下」という辛い現実「どう、生きていけばいいのか」

登場人物

ゆめこさん……大正時代からタイムスリップしてきた26歳女性。なぜか、現代社会にめちゃくちゃ詳しい。全文太字部分

ワイ(以下、ワ)……ゆめこさんの白い飼い犬。お菓子好き。ミーハー。

コシノ シゲキ(以下、主)……今回の主人公。大卒で元医療機器メーカー営業職に就いていた68歳の独身だが……。

主:俺の名前はコシノ シゲキ。今年で68歳になる。(2023年当時)幼いころから野球が好きで、中高大と野球部に入部した。だが俺は万年補欠。プレーでチームに貢献できなないと悟った俺は、部室の雰囲気を盛り上げて、練習前後に部員たちのモチベーションを上げることに注力した。

当時は心のすみにじくじたる思いもあったさ。だが就活の自己PRで「万年補欠だったので、選手として以外に自分がどうチームに貢献できるかを常に考えていました」という定番の切り口でなぜか面接が進み、第一志望だった業界シェア率の高い、医療機器部品の製造メーカーに入社することができた。あの頃の俺も浮かばれるだろう。

やったー! 満塁ホームランだね!

主:俺は営業部に配属された。泥くさい面もあり若い頃は思うように結果がふるわず葛藤することもあったが、定年まで勤めあげ、今思うと俺には合ってる仕事だったのだと思う。仕事に夢中で結婚はしなかった。65歳を迎えた今、俺は自分の人生に満足していると胸をはっていえる。

これからも納得のいく人生を歩んでいくだろう……そのはずだった。

どうしたの?

40年以上も会社員を続けてきて、高い社会保険だって毎月払い続けてきた。だから老後は十分な年金を貰って、何も心配なく暮らしていける。

……なんて思ってたんだがなぁ。

え? ずっとお仕事を頑張ってきたんだし、年金は十分な額を貰えるんじゃないの?

そうとは言い切れません。

年金はサラリーマンの場合だと国民年金と厚生年金が合算して支給されます。

ですが、この厚生年金は現役時代の給与で給付額が変わります。

政府の調査によると国民年金との合算された支給額の平均は月14万円です。

ですが、実際にはここから税金を引かれますので、手元に入るお金は12~12.5万円ほどになります。

ええっ!それって生活できるの?

主:そりゃ厳しいよ。かなり切り詰めてもね。

俺は今、はっきり言って年金だげじゃ暮らしていけない。

この先病気になったり、介護が必要になったりしたときのことを考えたら、毎月の生活費として貯金を切り崩すのはどうも心配で心配で……そこで俺は今コンビニのパートで生活費を補っているんだ。

コンビニでパート!?  

主:ああ。立ち仕事だから腰は痛いし、次から次に新しいサービスが導入されて毎日必死だよ。だが生活していくには仕方ないんだ。

シゲキさんのように新卒から定年まで正社員として勤めあげても、年金だけで暮らしていけないなんて……。

高齢者の50人に1人が生活保護を受けているといわれている現在、必ずしも年金の収入だけで暮らしていけるとは限りません。

主:それに俺の場合、少し前からヘルニアを発症してるんだ。若いころに営業で無茶してたからかな。

仕事中はコルセットを付けてるんだけど、いつ、グキッってなるかと思うとおっかなびっくりでね。

もしも部屋にいる時に腰を痛めて動けなくなったら、そのまま孤独死コースだよ。

年齢を重ねると、関節に支障をきたしやすくなります。部屋の段差でつまづいたりと、ちょっとしたことで思わぬトラブルが発生しやすくなります。

家族がいる場合、同居したり近くに住むことでサポートしてくれたりすることもありますが、シゲキさんのような単身世帯は頼れる家族がいない場合が多いでしょう。現在は高齢者の安否を確認する見守りサービスを提供する地方自治体や民間企業がありますので、積極的に活用していきたいですね。

主:そうか…。俺はもう両親が他界しているし、兄弟もいないから、見守りサービスを利用しないといざという時に大変だ。

資産に余裕があれば老人ホームも選択肢に入るが、俺にはそんな余裕もない。

この先、働けなくなったときのことを考えると怖いな……。

うう、なんとかならないの?ゆめこさん!

もしシゲキさんが今後、自分の力で暮らしていくのが難しくなった場合、生活保護の受給申請をする方法もあります。

それに、生活保護受給者でも入居できる老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)もあり、介護を受けながら生活するという方法もありますよ。老人ホームやサ高住の値段はピンキリなので、探してみれば予算内の施設が見つかるかもしれません。

主:そ、そうなのか……?

てっきり、生活保護を受けてたら老人ホームには入れないと思っていたよ。

自分で生活していくのが難しい人を助けるためにあるのが社会福祉です。

もちろん、生活保護を受ければ安心だと言い切ることはできませんが、万が一の時のセーフティ手段を知っていれば最悪の事態を防ぐこともできますね。

主:なるほどなあ……。

俺は今まで、自力で頑張るしかないと思い込み過ぎていたみたいだ。

もっと、調べてみるよ。

数ヵ月後

主:俺は、市の図書館を使って福祉制度について調べてみた。

もしも歩けなくなった時には介護認定を受けられることを知ったし、自治体が提供してるサービスのパンフレットも置かれてて、今までよりずいぶん視野が広がったよ。

そこで俺は、市の健康促進で行われてるストレッチ教室に通うことにしたんだ。

最初のうちは少しの体操で息があがってたけど、体を動かしてるうちにずいぶん疲れが取れやすくなって、夜も熟睡できるようになってきた!

教室で新しい友だちが増えて、今じゃ通うのが楽しみだよ! 現役時代には出会えなかったさまざまな背景をもつ人たちのいろんな考えに触れることができて、いつも刺激を受けている。思い悩むこともずっと減ったよ!

今の時代ネットを開けばあらゆる立場の人の意見を目にすることができますが、直接目を合わせてコミュニケーションをとることで得られるものもまたありますね。

主:前向きになった俺は、医療機器部品の製造メーカーに勤めてた経験を踏まえて、医療に関する情報をSNSで発信し始めた。なんと広告がついて、微々たるもんだが副収入が得られるようになったんだ!

いくつになっても自分にできることはあるんだってわかったよ!

へ~、シゲキさんのSNS、法人向けじゃなくて個人向けに情報を発信していて面白いね!「設備投資をしていない病院をウェブサイトで見抜く方法」なんて、勉強になるな~

昨今はウェブ上の口コミの操作が社会問題となっています。高評価の口コミをお金を出して購入する事業者がいる一方、事実無根の悪評が投稿される悪質な事件も起きています。口コミ以外の指標をもてるのは大変有益です。

うんうん

いくつになっても学ぶことを諦めないシゲキさんなら、これからも新しいお友だちと楽しい日々を過ごしていけそうですね!

年金より生活保護のほうが支給額が多いって、そんなバカな!働く気も失せてくる辛い現実。

老後の生活の基盤となる公的年金ですが、国民年金は満額で月6万6,000円。厚生年金は国民年金との合算で、平均月14万円となっています。ただこれは税引き前。実際は85~90%といわれていますから、12~12万5,000円が手元に残るイメージです。

一方で、生活保護の保護費用は住む地域・世帯人数・年齢によって支給額は異なりますが、東京23区で70代高齢者の場合、持ち家であれば平均月7万円強、賃貸であれば平均月12万7,000円が支給されています。

年金よりも生活保護のほうが多いの?

そうなんです。年金よりも生活保護のほうが多いケースがあります。さらに生活保護は医療費や教育費など無料になるものが多いですから、実質の差はもっと大きいですね。

コツコツ働いて保険料を納めたのに、少額の年金しかもらえないんじゃ、保険料を払わずに退職と同時に生活保護をもらうほうがいいんじゃない? という声も残念ながら耳にします。

ワ:生活保護の人は訳あって生活保護を受けているのにね。

そうですね。生活保護を受けるのはそんなに簡単ではありません。生活保護制度の利用にあたっては、資産や能力など「あらゆるものを活用」したうえでも、なお収入が基準額に満たないことが要件です。

具体的には、

・余分な預貯金や、車・家・保険などの資産は原則売却するなどして、生活費に充てること

・働くことが可能ならば、能力に応じて働くこと

・年金や他の社会保障制度などが利用できる場合、まずそちらから利用すること

・親族などにできるだけ援助を受けること

保護の決定には徹底的な調査が行われ、親族にも仕送りなどの援助の可否の問い合わせがいきます。

受給が決定しても、所有物、住む場所、お金の使い方に制限がかかり、ローンもクレジットカードも使えません。定期的にケースワーカーとの面談も必要で、生活保護を受けたからといって、直ちに楽になるわけではありません。

それでも、所得や資産があるのに不正に生活保護を受け、贅沢している人もなかにはいるようです。

むむっ、そういう人もいるのか!

ゆ:一方で本当に生活に困っているのに、生活保護を受けることは恥ずかしいと感じたり、親族に扶養照会がいくことが嫌だったりという理由で、申請しない人もいます。

ほんとうに必要な人には利用してほしいなあ。

生活保護の考え方は国民の最低限の生活を保証することです。年金収入、就労収入があっても最低生活水準に満たなければ不足額を受給できます。

今後は超高齢化でますます生活保護が必要になる人が増えるでしょう。多くの人に支給できるほどの予算があるのかどうか心配です。

可能な限り自力で老後を頑張りましょう。しかし生活保護が最終手段にあることを知っておくといいですね。

シゲキさんはやりがいをもって続けられる副収入が得られる手段を見つけられてよかったね。

自分にとっては当たり前にもっている知識でも、一般的に知られておらず、大きな需要があることがあります。これまでの人生で得たものを生かしてお金を稼ぐ方法を模索してみるのもいいでしょう。

新しい発見がありそうだね!

小さなことでも楽しいと思えることがあれば、生きがいになります。引退前に楽しみごとを作っておくことも大切ですよ。

は~い!

<ゆめこさんの部屋>

いててて

どうしたの?

YouTubeでズンバの動画観ながら踊ったら、腰を痛めちゃった。

ズンバ?なんでまた、ズンバやろうと思ったの?

肩こりや腰痛に効果があるって聞いて~!

あら!あんた肩こりや腰痛があったの?病院で診てもらわなきゃ!

ううん。ワイまだ2歳だしお身体悪いところないよ!シニア犬になっても健康でいられるように、予防で踊ってたの。ワイ、腰痛予防のダンスで腰痛になったの。

あらら、見事に逆効果だったわね。

人生って難しいね!

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