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〈万人向けの商品〉〈金融機関への相談〉は要注意…投資初心者が「不本意な投資」をしないために頭に入れておきたい“鉄の掟”【CFPが助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月20日 11時15分

〈万人向けの商品〉〈金融機関への相談〉は要注意…投資初心者が「不本意な投資」をしないために頭に入れておきたい“鉄の掟”【CFPが助言】

今年に入って新NISAがスタートし、投資信託や資産運用に関心を持つ人が増えているようです。しかし、証券口座を開設したものの、実際に運用を開始できていない人が約4割もいる現状があり、投資を「難しい」「怖い」と考えている人が一定数いるのも、また事実かもしれません。そこで今回は、初心者が投資を始めるうえで大切な心得を、CFPであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を勤める市川雄一郎氏が解説します。

資産運用をはじめるための具体的なプランニング

「資産運用」や「投資」という言葉に、どのようなことをイメージしますか?

“危険”“騙されそう”という印象を持つ人も少なくないのではないでしょうか。誰しも、やったことのないことや知らないことに対しては拒否反応を示すものです。

しかし、投資の経験はなくても、預貯金をしたことがある人は多いのではないでしょうか。実は、預金をすることは、投資をしていることと同じです。お金を預けていて返ってくる金利が「利息」となります。

預貯金は、「銀行」を介して間接的に投資を行っていることになりますが、間接的な投資だと、利息はすずめの涙ですよね。実際に、自分で直接的に投資を行って、その企業が成長すれば、しっかりとリターンとして返ってきます。これが「直接投資」です。

直接投資と聞いてピンと来なくても大丈夫です。直接投資の経験がないから知らないだけで、経験を積んでいけば、どんどん上手になっていきます。身に着けた知識を活かしていくことが大切です。

「投資」と「ギャンブル」はどう違う?

また、勘違いしている人も多いですが、「投資」と「ギャンブル」が一緒だというのは、大きな間違いです。

ギャンブルは、どちらかが得をしてどちらかが損をするという形態ですが、株はそうではありません。ここが大きな違いになります。

投資用語では、ギャンブルのことを「投機」といいます。チャンスを狙ってお金を投じることを指しますが、FX取引がこれにあたると考えます。大きく利益を上げられている人もいるかもしれませんが、逆に、大きな損失をしている人もたくさん知っています。

チャンスを見極められるだけの力を養っていかなければ、投機はお金を増やしていくことにはつながりません。

ちなみに、企業も「事業投資」というものを行っています。これは、企業を成長させるための投資で、皆さんがこれから行おうとしている資産運用は、自分の資産を成長させるための投資ということになります。

資産運用を始めるうえで大事なこと

資産運用を始めるうえで大事なことは、以下の3点です。

1.目的・目標を定めること

まず1つ目は、目的・目標を定めることです。目的がないことに対して、人は途中で嫌になってしまいますし、メリットを感じられないとやめてしまいます。一つ一つ小さな目標をクリアしていって、最終的には、大きな目標をクリアするというのが目的になるわけです。これが投資をするでは大事な部分になります。

投資をするときには、「いつまでにどのくらいお金を稼ぎたいか」「そのうえためにどんな商品を選ぶべきか」「どんなリターンのある商品を選んだらいいのか」という一つ一つの選択が重要です。

2.体系的な学習

2つ目は体系的な学習です。体系的な学習というのは、基礎からしっかりと学習していくことです。「楽して儲けられる」という投資の広告をよく見るかもしれませんが、ほとんど嘘です。そういったものには引っかからないようにしてください。

基礎力なくして応用力はつきません。小さいときからやってきたように、しっかりと基礎から勉強をして知識を積み重ねていきましょう。

3.学習を踏まえた実践

3つ目は、学習を踏まえた実践です。学んだだけでは上手にはなりません。少しずつ慣れていくことによって上達していきます。

投資そのものが難しいわけではなくても、いきなり投資だけにフォーカスすると難しく感じてしまうかもしれません。基礎的な学習を踏まえて、実際にお金を投じてやってみることで、誰でも上手に投資ができるようになるでしょう。

初心者が必ず理解しておきたいポイント

ここからは、投資初心者が理解しておくべき3つのポイントを紹介します。

①投資と投機の違い 投機とは再現性のない一回きりのチャンスを狙うようなものなので、投資とは大きく異なります。

②途中でやめない 基本的には、「積み立て投資」が投資のベースになるというのが一般的ですが、この積み立てをしているから、と途中でやめてしまう初心者が非常に多いです。しかも、多くの人が儲かっているときにはやめず、もったいない損失をしたときにやめてしまいます。そこからマイナスイメージがついてしまうことも多いので、経済状況の悪化はある程度許容して、目標に向かって少しずつ、長期的に見ていきましょう。

③自分に合った投資手法を確立する 年齢や貯蓄額によって変わってきますし、万人向けの商品というものは実はありません。自分に合う商品が何か、まずは見極める必要があります。金融機関に相談すれば、必ず自分にぴったりの商品を提案してもらえる、というわけではないので、自分でも情報収集をしていくことが大切です。

FXなど、センスの求められる投機はリスクが大きいので、まずは万が一全部なくなってしまってもいいくらいのお金で始めてみるとよいでしょう。

「コアサテライト運用」のすすめ

ここからは、おすすめの手法を紹介していきます。

「コアサテライト運用」という手法は、7割~10割を守りの運用(コア)にして、攻めの運用(サテライト)は、多くても3割に抑えるというものです。これは金融機関の考え方で、向いている人もいるかと思いますが、全員ではないでしょう。

長期的な守りの運用には、株式型のインデックスファンドを活用し、攻めは個別株での運用が理想です。守りと攻めの割合は、人によっていろいろな考え方がありますが、基本的には、ベースを株式型のインデックスファンドにして、初心者であれば、7割くらいを積み立ててもよいと考えています。

インデックスとは「指数」のことで、株式型なら、アメリカのいわゆる「ニューヨーク・ダウ」がこれに該当します。日本であれば、「日経平均株価」いわゆる「日経225」が人気です。他にも、東証株価指数なんかがあります。

インデックスがよい理由として、10年以上の長期投資を想定した場合、年利10%くらいでの運用が決して不可能ではない、ということが挙げられます。長期的に運用することを考えると、「リターン」がきちんとあるものを選択していくべきだと考えます。

さらに詳しく見ていくと、「オールカントリー」と呼ばれる全世界株式型というものがあります。これは世界中の株式に投資をしているというものです。とはいえ、アメリカの株式が上場している数が最も多く、市場も大きいので、アメリカの比率が高くなります。オールカントリーに投資をするにしても、アメリカの株式市場が悪くなったときに備えて、他の投資先も組み合わせておいたほうがよいでしょう。

私は基本的に、アメリカ中心の投資信託を買っておけばいいと考えています。具体的には、「全米株式型」や「S&P500」などが人気です。ニューヨークダウは、GoogleやApple、Amazonをはじめとする巨大企業の30銘柄で構成されており、日本の約3,900社をはるかに上回る時価総額であるのが魅力です。

ナスダック総合指数は、新興企業やハイテク企業の占める比率が非常に高く、IT化がどんどん進んでいる今の世の中において、こういったところで上場している企業は成長性が高いといえます。

「ナスダック100」というのは、ナスダック総合指数のなかで選りすぐりの100社ということになるので、長期投資を考えるのであれば、1つ組み入れておくのもいいかもしれません。

「日経平均株価」「東証株価指数」は日本ということになりますが、暗黒時代があったためにパフォーマンスが下がっています。

インドの「SENSEX(センセックス)」ですが、人口が多く、経済成長も速いインドは、いずれGDP第3位に上り詰めてくることになりそうなので、期待値は高いです。新興国なので、政治不安があり、乱高下しやすいことを考えると、1割~2割程度に抑えておくのがいいでしょう。

全世界株式に投資するというのももちろんありだと思いますが、全世界株式一択だけではなく、いくつか組み合わせるのがよいと考えます。

インデックス投資で積み立てをする際、NISAで運用すると、上限はあるものの、運用益は「非課税」になります。長期になればなるほど有利なので、まずは、NISAでの運用を中心にして投資をすることをおすすめします。

とはいえ、NISAのことがまったくわかっていないということであれば、NISAを活用してはいけません。知らないものに投資をしてはいけないし、知らない物を活用してはいけません。まずは、NISAのことをしっかり理解するようにしましょう。

新しくなったNISA、実際何が変わったのか?

NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠があります。去年までは、「積み立てNISA」と「一般NISA」という言い方をしていました。名前だけではなく、金額も変わり、つみたて投資枠の場合は年間で120万円、成長投資枠が240万円まで投資することができます。

さらに、従来は、どちらか片方のみの運用しかできなかったところが、現在は併用可能となり、合わせて360万円までの投資が可能に。期間も無期限化され、非課税保有限度額に達するまでは、期間関係なく投資ができるようになりました。

成長投資枠の上限である1,200万円を超えなければ、1,800万円までの投資が可能です。この1,800万円は積み立て投資枠に全額使うこともできます。

そして、新しいNISAには「復活枠」というものがあり、上限240万円のなかで運用し、売却した投資があった場合、翌年には、その元本の金額分足して投資をすることができます。

ただし、年間240万円という上限設定のため、短期売買ではなく、長期売買向きであることに注意しましょう。

つみたて投資枠は、金融庁が選んだ投資信託、もしくは上場投資信託のなかから選択することができます。一方で、成長投資枠の場合は個別株つみたて投資枠以外の投資信託つみたて投資枠のファンドそれ以外のファンドも購入することができます。

つみたて投資枠で選択することのできるファンドは、比較的手数料が安く、購入手数料も一切かかりません。その点が大きなメリットになっているため、初心者はつみたて投資枠を活用しながら、慣れてきたら成長投資枠も活用していくのがおすすめです。

対象年齢は18歳以上で、成人するとNISA口座を活用することができます。

また、新しいNISAの上限である1,800万円のなかには、昨年までの元本は数えられないため、すべての人にとって、1,800万円が元本の上限ということになります。  

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